ドイツ ドイツ

ソーセージに欠かせない「ザワークラウト」を即席で作るレシピや、温かみのある家庭料理「アイントップフ」などをご紹介します。

ドイツの食文化 ドイツの食文化

ヨーロッパのほぼ中央に位置し、9つの国と国境を接している、ドイツ。国土は日本の94%ほどの広さですが、農地が国土の半分近くを占める農業大国です。主な作物は小麦や大麦を中心とした穀類やじゃがいもですが、山間部や北部などでは厳しい気候風土でも栽培しやすいライ麦などが作られてきました。また、ドイツでは長い冬を暮らすため、ソーセージやハムなどの肉の加工品や、ザワークラウト(乳酸発酵した塩漬けのキャベツ)などの保存食が発達しました。

ドイツで肉の加工品といえば、何といってもソーセージが思い浮かびます。農家では古くより、春に買った子豚を秋まで育て、丸々と太らせてからいろいろなソーセージを作り、次の春までの食料にしてきました。血液までソーセージにし、一頭の豚をムダなく利用するのです。またソーセージの他にも、塩漬け、燻製、ワインビネガー漬けなどの肉の加工方法があり、幅広く料理に利用されてきました。「カスラー(燻製豚肉の煮込み)」、「アイスヴァイン(塩漬け豚すね肉の煮込み)」、「ザワーブラーテン(ワインビネガー漬け牛肉の煮込み)」などの肉料理は、ドイツグルメとして旅行者にも人気です。また、肉料理に比べると種類は少ないものの、魚も食べられており、南部ではマス、コイ、カワカマスなどの淡水魚が、北部ではニシン、タラ、サケなど、特に塩漬けや酢漬け、燻製にしたニシンが広く愛好されています。

ドイツはパンも有名で、世界一種類が豊富な国ともいわれており、味にも形にもドイツパンならではの特徴があります。ドイツパンの多くは、使用する穀物の種類や比率、材料の配合、パンの重量などにより、分類及び名称が決まっています。例えば、小麦粉を90%以上使用するものは「ヴァイツェンブロート(白パン)」、ライ麦を90%以上使用するものは「ロッゲンブロート(ライ麦パン)」、ライ麦と小麦粉を半分ずつ使用するものは「ミッシュ(ミックス)ブロート」など。また形が独特な「ブレーツェル」は、ラテン語の「腕」を意味する小型パンで、アルカリ液に浸してから焼くため、独特なつやのある赤茶色の焼き色と、もっちりとした食感があり、日本でも人気があります。

飾り気がなくシンプルでボリュームたっぷりなドイツ料理は、そのまま質実剛健な国民性をよく現わしていると言われます。訪れた際には、名産のビールやワイン片手に多種多様なパンやソーセージを堪能してみてはいかがでしょうか。

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