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グリコアルブミン(Glycated Albumin:GA)は、血糖コントロール状態を把握するための指標のひとつであり、過去約2週間の平均血糖状態を反映するとされています。
旭化成ファーマ株式会社は、独自の酵素法を用いたグリコアルブミン測定試薬「ルシカ ®GA-L」を開発し、2004年より製造販売しております。
グリコアルブミン(GA)は血清アルブミンの糖化産物です。
アルブミンは体内に広く存在し、グルコースとの結合率が高いタンパク質です。
図1.ヒトアルブミン構造
ヒトアルブミンを構成するアミノ酸残基のうち、リシン残基(Lys)は59個存在し、主に4ヶ所のリシン残基(上記の図における赤色のリシン残基)が糖化を受けると報告されています1)。
1)Iberg N and Flückiger R, J Biol Chem. 1986;261(29):13542-5.
グリコアルブミン(GA)の血中半減期は約17日であり2)、 GAは過去約2週間の平均血糖状態を反映します。
2)Tahara Y and Shima K, Diabetes Care. 1995;18(4):440-7.
強化インスリン療法開始2週間後の時点で、GA値はHbA1c値よりも大きい減少率でした。
【対象】 | 初診時無治療の2型糖尿病患者18名(男性:13名/女性:5名) 平均年齢:50 ± 3.8歳, BMI:22.2±1.17 kg/m2 |
【方法】 | 強化インスリン療法を16週間行い、GA、HbA1cの時間推移を観察しました。 |
【統計解析】 | t検定, 有意水準:p<0.05 vs. HbA1c |
3) Takahashi S, et al., Endocr J. 2007;54(1):139-44
GAは、アルブミンの糖化産物であるため、透析やエリスロポエチンで治療中の腎性貧血、鉄欠乏性貧血や鉄欠乏貧血の回復期など赤血球寿命が変化する病態の影響を受けません。
一方で、アルブミンの代謝が変化する病態では注意が必要です。
■ | GAが血糖値に比べ高めとなる病態
アルブミン代謝が遅延する疾患:甲状腺機能低下症4)、肝硬変5)、るい痩6) |
■ | GAが血糖値に比べ低めとなる病態
アルブミン代謝が亢進する疾患:甲状腺機能亢進症4)、グルココルチコイド投与7)、 クッシング症候群8)、ネフローゼ9)、高度肥満10) |
4) Koga M, et al., Diabetes Res Clin Pract. 2009 May;84(2):163-7.
5) Miyamoto H, et al., Rinsho Byori. 2008 Sep;56(9):761-6. Japanese.
6) Koga M, et al., Clin Chim Acta. 2007 Mar;378(1-2):48-52.
7) Iizuka K, et al., BMJ Case Rep. 2016 Mar 9;2016 pii: bcr2016214788
8) Kitamura T, et al., Clin Chim Acta. 2013 Sep 23;424:164-7.
9) Okada T, et al., Intern Med. 2011;50(1):23-9.
10) Koga M, et al., Clin Chim Acta. 2015 Jan 1;438:19-23.
2型糖尿病患者の検討において、 GAとHbA1cは下記の関係にあることが報告されています11)。
HbA1c(JDS) = 1.73 + 0.245 GA
例)GAが20%の場合、HbA1c(NGSP*)は7%と算出されます。
*HbA1c(NGSP)=1.02xHbA1c(JDS)+0.25
【方法】 | 2型糖尿病患者154名(2-3カ月毎に来院し、研究期間中3回以上の食後血糖、HbA1c、GAを測定しえた患者。なお、HbA1cの平均値に対してHbA1cが90-110%内の変化であった患者を対象としました。) |
【統計解析】 | Measurement error model(MEM)を用いて回帰分析 y =b0 + b1x, b0=1.73±0.38*, b1=0.245±0.018*, *p < 0.001 |
11) Tahara Y. Diabetes Res Clin Pract. 2009;84(3):224-9.
「血液透析患者の糖尿病治療ガイド2012」において、GAは下記のとおり記載されています。
一般社団法人 日本透析医学会「血液透析患者の糖尿病治療ガイド2012」より抜粋
日本透析医学会: 日本透析医学会雑誌 46(3): 311-357, 2013より一部抜粋
【対象】 | 2型糖尿病血液透析患者538名(〇)、腎機能正常患者165名(〇) |
【方法】 | 各患者においてGA、HbA1cに対して、随時血糖値を説明変数とした単回帰分析および回帰直線の傾きの差の検定を実施しました。 |
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■ | HbA1c値と随時血糖値の回帰直線の傾きは、腎機能正常糖尿病患者に比べ糖尿病血液透析患者で有意に低値を示しました(p<0.001)。 |
■ | GA値と随時血糖値の回帰直線の傾きは、腎機能正常糖尿病患者と糖尿病血液透析患者の間に差が認められませんでした。 |
■ | GAは、透析治療時の血糖コントロール指標として有用であることが示されました。 |
Used with permission of American Society of Nephrology, from Glycated Albumin Is a Better Glycemic Indicator Than Glycated Hemoglobin Values in Hemodialysis Patients With Diabetes: Effect of Anemia and Erythropoietin Injection, M inaba et al., 18(3), 2007; permission conveyed through Copyright Clearance Center, Inc.
GAとの関係については、下記の報告があります。
Inaba M, et al. Impact of atherosclerosis on the relationship of glycemic control and mortality in diabetic patients on hemodialysis Clin Nephrol 2012. 78 (4), 273-80.
Hiramatsu Y et al., Endocr J. 2012(59):145-151
【対象】 | 574名を対象に正常妊娠の基準範囲を求めました。除外基準としては、糖尿病、肝疾患、腎疾患、血液疾患合併の妊婦、 また、非妊娠時にBMI<18.5、BMI≧25、血圧≧140/90 mmHg、尿蛋白陽性、尿糖陽性の妊婦としました。 |
【方法】 | 平均値±2SDより基準範囲を算出しました。 |
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