情報・通信
AP-21/Roll:フィルム、紙、不織布、ガラス、鉄、ほかフィルム・シート製造業の方に
AP-21/Batch:塗料、インク、医薬、香料、食品、ほかファインケミカル製造業の方に
AP-21/Roll:フィルム、紙、不織布、ガラス、鉄、ほかフィルム・シート製造業の方に
AP-21/Batch:塗料、インク、医薬、香料、食品、ほかファインケミカル製造業の方に
AECは、旭化成グループのさまざまな製造現場で実績と経験を重ねながら、100カ所以上の工場で生産管理システムを構築してきました。その中で培った技術とノウハウを注ぎ込み、グループ外のお客様に提供するために開発した生産管理システムがAP-21です。AP-21は、フィルム・シート製造業向けの「AP-21/Roll」と、ファインケミカル製造業向けの「AP-21/Batch」という2つの製造プロセスに特化しています。
売上高が数十億から数百億円規模の幅広い製造業者に対応し、導入実績はすでに40カ所を超えました。AP-21が多くのお客様に支持され、高い評価を得ている理由は、ソフトウェアとしての優れた機能だけではありません。経験豊富なAECのエンジニアが全体業務を把握し、お客様が抱える課題を抽出したうえで、製造現場と融合したシステムを構築する体制を整備しているからです。
お客様の製造プロセスに合わせてカスタマイズした、きめ細かなシステム設計によりAP-21導入効果の最大化を目指します。
AECは工場に強いユーザー系エンジニアリング会社ならではの発想をAP-21の開発に活かして、製造現場における使いやすさを追求しました。そのひとつが、運用する現場の担当者が負荷を感じないように、簡易なデータ入力に配慮したことです。タイムリーなデータ入力を支援するために、指図書のQRコードをハンディターミナルで読み取って、製造実績や受入実績、出荷実績などを入力する仕組みを採用。煩わしい入力作業を軽減しました。両手がふさがる現場においては、音声認識システムを使ったハンズフリーでの入力作業効率化と入力手法の統一による転記ミス防止を実現しています。
AP-21は拡張性が高く、お客様の業務フローやビジネスモデルに合わせて、容易にカスタマイズできることも大きなメリットです。OSに依存しないJavaをベースに開発しているため、お客様のバージョンアップや改変に伴うシステムの更新リスクを低減できます。クライアントライセンスが要らないので、事業が拡大してエンドユーザーが増えても費用が増加することはありません。多言語、多通貨にも対応しているので、製造拠点がグローバルに展開している場合にもサポートが可能です。
多種多様な旭化成グループの生産管理システム構築の実績をもとに開発
ファインケミカルとフィルム・シート製造業に特化した高機能性
各業務の実行・承認権限をユーザーIDで管理し、内部統制強化を推進
多言語および多通貨に対応し、ビジネスのグローバル展開にも適応
Javaベースで開発されているため、OSに依存せず更新リスクも低減
入力作業の負荷軽減によりデータの即時性と入力ミス撲滅に配慮
システムの利用者が増えてもクライアントライセンスの追加は不要
導入にあたりクライアントソフトの配布や管理作業が不要
フィルム・シート製造業者に共通する課題は、多様化する顧客からの受注に対して、可能な限り余剰在庫を少なくする生産計画と、断裁ロスや刃組切り替えの少ない断裁計画を立案することです。AP-21/Rollは、スケジューラと幅合わせシステムと連携して、受注情報に基づいたマザーロールの最適な裁断計画の自動立案を可能にしました。月間計画および週間計画の変更にも柔軟に対応し、納期の厳守も実現。多品種少量生産におけるロスを最小化します。
フィルム・シート製品の生産管理が難しいのは、幅、長さ、厚さの違いによって銘柄が決まるため、品目数が膨大になり、管理作業が煩雑になってしまうからです。それを解決するために、AP-21/Rollは品目コードと仕様コードの2つのコードを用意しました。原材料が同じなら品目は共通とし、仕様コードを用いて品目をマスターに登録する仕組みにより、銘柄の管理作業をシンプルにしています。さらに、本やm、㎡、枚、㏄などのさまざまな単位の換算も、自由に設定可能です。
受注品目の確認から、生産計画作成、計画に基づく製造指図書の発行など、AP-21は生産管理に関わるさまざまな作業を自動化、省力化するシステムです。 さらに、AP-21/Rollの優れた機能のひとつが、現場機器との連携です。その一例が、画像検査機と連携して、ロールの欠点情報をマップとして生産管理システムに取り込めること。ロールをさまざまな幅に切断するスリット作業時に、システムが自動的にこの欠点を省いてカットし、効率化と収益の向上に大きく寄与します。この欠点情報システム管理機能はオプションですが、多くのお客様からご要望をいただいています。
作業時間を算出して実現可能なスケジュールを作成
パラメータを設定し、工程ごとの指図書を自由に定義して発行できる
ファインケミカル製造業向けに開発されたAP-21/Batchの最大の特徴は、2段階で原材料の処方を管理する機能を備えていることです。製品の研究開発部門が作成する基本配合については「原処方(技術配合)」として登録し、実際の製造で使用する「基本処方(生産配合)」と合わせた処方情報をマスターとして一元管理する方式を採用しています。
製造するバッチサイズや設備の制約などの条件を考慮し、工程・生産ラインの状況に合わせて「基本処方」から製造指図への自動展開を可能にしました。対象となるすべての配合に対して原材料を一括変換し、常に最適な配合を実現することにより、生産効率の向上を促進します。さらに、手間のかかる原材料の在庫をシステムで管理し、原料ロスを防止。同時に原材料、製品それぞれの半端品管理の運用により無駄なコストを削減できるのも、AP-21/Batchならではの機能です。
処方の有効期限や基礎情報を登録。バージョンと有効日の設定により、使用可能な処方を自動選定
原処方をもとにして、基本処方で生産スケールを考慮した配合条件を登録。原処方同様にバージョン管理機能を搭載
多品種少量生産の傾向が強まる中で、製造現場は顧客ニーズに応じたフレキシブルな生産体制を実現しなければなりません。AP-21/Batchは、複数の顧客に納入先が分かれている製品を一括して生産するバッチまとめ計画を立てて、生産現場の効率化に寄与します。多種多様な受注に対応するための充填から製品のラベル貼り替え、パッケージの詰め替えの製造指図書を作成管理するなど、きめ細かな機能を提供して、工場の効率化と原価削減を支援します。
さらに、AP-21/BatchはGHS※分類ソフトと連携して、ラベルやデータシート作成をサポートします。混合物を構成するCAS番号(化学物質の識別番号)と含有率を代入して、クリックするだけで簡単に分類。手作業では1製品に丸1日かかってしまう分類を、わずか3分程度で片付けてしまいます。ラベルやMSDS(化学物質安全性データシート)も1クリックで作成できるため、業務の省力化に大きく貢献します。
AP-21/Batchのさまざまな機能には、ファインケミカルの製造現場を知り尽くしたAECの経験とノウハウが活用されています。
※GHS: Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicalsの略。直訳すると「化学品の分類および表示に関する世界調和システム」 環境や健康を守るために世界的に統一されたルールに基づいて、化学物質を危険有害性ごとに分類してラベルや安全データシートに反映することを意味する
AP-21は、生産管理だけにとどまらず、受注から出荷に至る製造業の業務プロセス全般にわたって統合管理する機能を備えています。それぞれの機能をコンポーネント構成で実現しているため、販売管理システムと合わせて導入したい、または導入済みの販売管理システムと連携して活用したいというニーズにも柔軟に応えることができます。
MESは、AECが提供している製造実行システムです。工場内にある機器の稼働状況の監視と運転状況の解析を行うエンジニアリングパッケージとして工場運営をアシストします。
AP-21は、MESシステムと連携して製造現場の機器を制御する機能を備えています。2つのシステムが連携してプロセス制御やシーケンス制御を行うことにより、機器の稼働効率と安全性の向上に貢献。工場設備・機械の自動化、省力化、そして省人化を実現します。
生産管理システムと現場制御機器との間で情報の整理、伝達、活用をシームレスに行います
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