旭化成アドバンスHOME
ホームサイトマップ

ボルクレイ・マット

ボルクレイ・マット®とは

 ボルクレイ・マット®は世界最大のベントナイト生産力を誇るセトコ社(アメリカ)が開発した土木用の防水材で、廃棄物最終処分場を初め、オイルタンクの災害防止や人工池など世界中で利用され、高い信頼性を得ています。
ボルクレイ・マット®は、粒状のNa型ベントナイトを織布・不織布で挟み、互いをニードルパンチにより固定した“補強型”のGCLです。ボルクレイ・マット®に用いられているベントナイトはアメリカ ワイオミング州産で高品質・高純度に定評があり、防水材のみならず幅広い分野でその特性を生かして利用されています。

ボルクレイ・マット®の構造



図1.ボルクレイ・マット®の構造

ボルクレイ・マット®は、セトコ社(アメリカ合衆国)の登録商標です。

特長

  1. 透水係数5×10-9cm/sec以下の優れた遮水層を形成します。
  2. ベントナイトは天然無機物であるため、半永久的な耐久性を期待できます。
  3. 湿潤/乾燥、凍結/融解を繰り返してもベントナイトの品質は変わりません。
  4. 高レベル放射性廃棄物の処理材として使用されるほどの耐久性を持っています。
  5. ピンホールや裂け目ができても、ベントナイト膨潤により速やかに自己修復します。
  6. 熟練工・特殊機械が不要です。
  7. 継手処理は15cm以上重ねるだけと簡単です。
  8. 柔軟なマット状であるため、下地によく馴染みます。
  9. 杭やコンクリート構造物との取合いの処理も簡単です。
  10. 品質管理された工場製品であるため、どこでも一定のベントナイト層を造ることができます。
  11. 天候・気温などに施工精度が左右され難い製品です。
  12. 自然環境への悪影響はなく、ビオトープなどにも多く利用されています。
  13. 置き石やアンカーの打込みが簡単にできるため、植生をする池の防水に最適です。

このページのTOPへ

用途

  1. ため池、せせらぎなどの遮水材
  2. 最終処分場遮水システム
最終処分場遮水システム

ニードルパンチによるメリット

  • ベントナイトの拘束−
    ニードルパンチの繊維がベントナイトを固定し、偏りや流出を防ぎます。垂直面に貼り付けて使用することもできます。
  • ベントナイト膨潤の抑制−
    15倍程度に膨潤する能力を持つワイオミング産ベントナイトを約2倍の膨潤で抑えることにより、より緻密な粘土層を形成すると共に、自己修復機能を発揮させ易くしています。
  • 内部剪断応力の向上−
    上下の布を連結することにより内部剪断強度が高まり、急斜面での施工が可能となります。

このページのTOPへ

ボルクレイ・マット®の仕様

項 目 仕 様
5 m
長 さ 20 m
厚 さ 6.4 mm
重 量 織 布 0.11 kg/m2
ベントナイト 4.8 kg/m2
不 織 布 0.20 kg/m2
全 体(実測値) 5.1 kg/m2 (約5.5 kg/m2

ベントナイトの物性

項 目 試 験 法 数 値
モンモリロナイト含有率 様々な試験 90%以上
含 水 率 ACC1009 12%以下
膨 潤 力 JBAS-104-77 20ml/2g以上
脱 水 量 土質工学会ろ過試験 15ml以下
吸 水 率 ASTM E 946 900%以上
粒度分布 ASTM D 421 2mmメッシュパス100%
0.075mmメッシュパス1%以下

ボルクレイ・マット®の物性

項 目 試 験 法 基 準 値
透水係数 ASTM D 5084 5×10-9cm/sec
引張強度 ASTM D 4632 400N
剥離強度 ASTM D 4632 65N
湿潤状態での内部剪断強度 ASTM D 5321 約24kPa

ボルクレイ・マット®の継手の処理方法

ボルクレイ・マット®の継手は、底面部の場合は20cm以上(法面部の場合は30cm以上)重ね合せ、間に粒状ベントナイトを散布します(目安 400 g/m)。織布の折目から膨潤したベントナイトがにじみ出し、最終的にはベントナイト同士が繋がった一つの防水層を形成するのですが、初期段階の継手の水密性を確保するために粒状ベントナイトを散布します。

・法面部の場合

ボルクレイ・マットの継手の処理方法

・底面部の場合

ボルクレイ・マットの継手の処理方法

ボルクレイ・マット®保護層について

1)保護材の役割

ボルクレイ・マット®を使用する際、それを露出させたままの状態にはせずに必ず土、コンクリートなどで覆います。これを保護土、保護コンクリートと呼んでいます。これら保護材の役割として以下のことが挙げられます。

  1. 重機などを現場内に入れられるようにする。
    30cm以上の保護土を施工した上であれば、重機の通常走行によりマットを傷つけることはありません。
  2. 流水などに直接ボルクレイ・マット®が触れないようにする。
    膨潤したベントナイトはマットの小口や織布面からにじみ出てきます。この出てきたベントナイトは水流により流出することが考えられるため、流れを遮断するように保護土などを施工します。
  3. 保護材の荷重により押さえつけることにより、重ねるだけの継手の水密性を補助する。
    ボルクレイ・マット®の施工では、継手は接着などを行いません。基本的に、マット間に粒状ベントナイトを散布して重ねるだけです。マット同士が密着すれば水密性は確保されるのですが、実際の現場では下地の凹凸などによりマット敷設だけでは完全な密着を確保するのは困難であります。そのため何らかの補助が必要となり、これに保護材の荷重を利用しています。

2)保護材の種類

ボルクレイ・マット®の保護材として以下の3種類がよく用いられます。

種類 推奨厚さ 特徴 評価
30 cm以上
(締固めた状態)
  • 現場発生土が利用できる。
  • 植生が可能
  • 水の動く所に接する場合、掘削されないような対応が必要となる。
  • 底面部の保護に適している。
法面


底面
現場打ち
コンクリート
10 cm以上
  • 法面に安定した保護層を形成する。
  • クラックが入りやすい。
  • 型枠作成などを必要とし、施工に手間がかかる。
  • コンクリートが固化するまでの養生期間が比較的長い。
法面


底面
布製型枠
コンクリート
10 cm以上
  • 法面に安定した保護層を形成する。
  • 布製型枠があるため、現場打ちのものより強度が高い。
  • 施工期間を短縮できる。
法面


底面