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断熱材製品の第18回GSC賞受賞について

2019年6月7日
旭化成建材株式会社

旭化成建材株式会社(本社:東京都千代田区、社長:堺 正光、以下「当社」)は、このたび、フェノールフォーム断熱材「ネオマフォーム」をはじめとする断熱材製品に関する業績が認められ、公益社団法人新化学技術推進協会グリーン・サステイナブル ケミストリー ネットワーク会議の「第18回GSC※1賞 環境大臣賞」を受賞しましたのでお知らせします。表彰式は、本年6月24日に東京国際フォーラムにて行われる予定です。

1.受賞対象業績

「高性能発泡プラスチック断熱材における断熱性能とその長期維持特性の向上」

2.受賞業績の概要

「ネオマフォーム」は、2000年に発売されたフェノールフォーム断熱材で、トップクラスの断熱性能(熱伝導率λ=0.020W/(m・K))と、その性能が、長期にわたって低下しにくい※2という、極めて優れた特長を有しています。
建築用断熱材は、数十年の長期にわたり継続して使用されますが、高性能発泡プラスチック系断熱材の多くは、経年で断熱性能が徐々に低下することが指摘されています。そのなかで、「ネオマフォーム」の長期断熱性能は、画期的な技術といえます。
本受賞は、こうした「ネオマフォーム」の製品化技術の開発ならびに当該技術により製造する当社の断熱材製品「ネオマフォーム」、「ネオマジュピー」および「ネオマゼウス」の普及による省資源・省エネルギー化およびCO2排出量削減への貢献が、グリーン・サステイナブル ケミストリーの推進に資するとして評価されたものです。

  • ※1グリーン・サステイナブル ケミストリー(人と環境にやさしく、持続可能な社会の発展を支える化学)
  • ※2「発泡プラスチック系断熱材の熱抵抗の長期変化促進試験法(JIS A 1486)」に基づく、「ネオマフォーム」の長期断熱性能(試験機関:(一財)建材試験センター):厚さ50mm品における25年間の平均熱伝導率λ=0.020W/(m・K)

3.GSC賞について

公益社団法人新化学技術推進協会グリーン・サステイナブル ケミストリー ネットワーク会議では、GSCの推進に貢献する優れた業績を挙げた個人、団体にGSC賞を授与しています。なかでも環境大臣賞は「総合的な環境負荷低減に貢献した業績」に対し授与されます。

4.当社断熱事業の概要

当社の断熱事業は、フェノールフォーム断熱材「ネオマフォーム」、床充填専用フェノールフォーム断熱材「ネオマジュピー」および「ネオマフォーム」の断熱性能を更に向上させた熱伝導率λ=0.018W/(m・K)を誇る「ネオマゼウス」の製造・販売を行っています。また、これらの製品を軸に様々な用途に対応する各種複合製品のご提供や更なる温熱環境の向上を目指した断熱に関するソリューション型事業の展開を進めています。

当社のフェノールフォーム断熱材は、断熱性能に優れるだけでなく、フェノール樹脂の熱硬化性や難燃性に由来して、耐熱性能、耐燃焼性能にも際立った特長を有しています。これらの特長が評価され、「ネオマフォーム」は、住宅分野や一般建築分野において大きく販売量を伸ばしており、旭化成ホームズ株式会社の戸建住宅「ヘーベルハウス」等でも標準採用されています。また、非建築分野においても、断熱性、耐熱・耐燃焼性を活かして、鉄道や船舶、あるいは保温保冷目的の輸送バック、タンク、配管などの断熱部材として、多方面へ展開を拡げています。

また、近年、建築物の断熱化は、省エネルギー性能だけでなく、住まい手の健康面からも注目されており、夏の暑さ、冬の寒さからくる不快感の低減や疾病の改善などの効果も期待されています。当社では、断熱による温熱環境向上の重要性をより多くの皆様にご理解いただくため、「ネオマフォーム」を使った「宿泊体験棟」と断熱の仕組みなどをわかりやすく解説した「展示棟」からなる「ネオマワールド 快適空間ラボラトリー」を茨城県猿島郡境町で運営し、啓発活動にも努めています。

当社は、今回の受賞を機に、事業スローガンである「日本の家から“寒い”をなくす」の実現に向け、より一層の事業強化を図っていきます。また、旭化成グループの新中期経営計画『Cs + for Tomorrow 2021』で定めた「Care for Earth」(地球の未来を想う)に則り、断熱事業の更なる進展を通じて社会に貢献していきます。

  • 左から「ネオマフォーム」「ネオマジュピー」「ネオマゼウス」製品外観

「ネオマフォーム」採用事例

  • 熊野古道センター

  • 歌舞伎座

  • 東大寺総合文化センター

  • 新幹線

  • 航空機

  • 秩父パッシブハウス

以上