• プレスリリース

旭化成エンジニアリングと商船三井が舶用補機のモニタリングサービス試行を開始

~船舶の安心安全運航のさらなる強化を目指して商船三井とコネクト~

2020年3月18日
旭化成エンジニアリング株式会社

旭化成エンジニアリング株式会社(神奈川県川崎市、社長:河野 龍次、以下「当社」)は、株式会社商船三井(東京都港区、社長:池田 潤一郎、以下「商船三井」)と共同で、舶用補機のモニタリングサービスの試行を開始しますので、お知らせします。

1. 経緯

2017年11月1日付のプレスリリース「舶用回転機器異常の予兆検知」の実証プロジェクト※1では、航海中における舶用補機の振動診断が陸上プラントと同様に可能かどうかの実証を行いました。新造船2隻・就航船1隻において、商船三井が提供する対象設備の運転情報や機関長経験者等の意見を交え、船内特有の環境に配慮した解析方法を検討してきました。

このたび、実証を行った3隻においては陸上と同様に振動診断で設備のコンディションモニタリングができたことから、実用化を視野に入れた試行サービスを開始することとなりました。

2. 試行サービスについて

  • 実証対象の船の写真
    実証対象の船の写真

このたび本試行サービスの名称を、「V-MO(Vessel Vibration Visualization Monitor)」(ブィーモ)と決定しました。本試行サービスでは、上記3隻に加えて異なる船種10隻(対象補機数約80台)を加えて、振動診断技術の網羅性の検証を行うとともに、実用化に必要なソフトウェア・ハードウェア等の確認・改良を行います。実用化後は商船三井のFOCUSプロジェクト※2との連携も検討されており、2020年度 中に海運会社、船舶管理会社向けのサービス提供開始を目指しています。

  • V-MOのロゴ
    V-MOのロゴ

3. 当社の振動診断の強みについて

近年、振動計測による設備のモニタリングは身近なものとなってきました。しかし、実際に現場で設備毎に異常を早期検知し、異常の原因推定と取るべき処置が提案できるなど、振動計測を「実用的な設備管理ツール」として用いるためには、専門知識と経験が必要となります。当社はISO18436に基づく認定訓練機関であり、専門有資格者(ISO18436-2準拠 機械状態監視診断技術者(振動))が多数在籍します。また、旭化成グループ内外の陸上工場でのメンテナンスに約50年携わっており、豊富な経験を有しています。今回の試行サービスにおいても、振動のモニタリングをするだけではなく、当社の有資格専門技術者が船舶の運航で重要な役割を担う設備についての判断情報を提供し、商船三井と評価をしながら、実用的なサービスを実現させます。

  • 機関室内で使用される回転機器の例
    機関室内で使用される回転機器の例

わが国貿易量の約99%は、船舶に頼っていると言われます。当社は、商船三井とのオープンイノベーションを通じて陸上のプラントメンテナンスで培った設備診断技術を舶用展開することで、より安心で安全な船舶運航を実現し、「世界の人びとの“いのち”と“くらし”に」貢献します。

以上