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福島県・浪江町の「福島水素エネルギー研究フィールド」における 世界最大規模の水素供給運転開始について

2020年4月3日
旭化成株式会社

旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小堀 秀毅、以下「当社」)および当社の子会社である旭化成エンジニアリング株式会社(本社:神奈川県川崎市、社長:河野 龍次、以下「旭化成エンジニアリング」)は、このたび福島県双葉郡浪江町にて10MW級※1大型アルカリ水電解システムを立ち上げ、水素の供給運転を開始したことをお知らせします。 

本水電解システムは、東芝エネルギーシステムズ株式会社(本社:神奈川県川崎市、社長:畠澤 守)より2017年に旭化成エンジニアリングが受注し、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の技術開発事業※2として本年3月7日に開所した「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」※3に設置したものとなります。

本水電解システムは1スタックサイズ※4として世界最大規模であり、毎時1,200Nm3(定格運転時)※5の水素を製造供給することができます。2019年11月に本水電解システムを立ち上げ後、各種試験を実施してきた結果、要求水準を満たす水素品質を確認できましたので、本年3月より水素供給運転を開始する運びとなりました。水素供給と並行して入力電力変動への応答特性などを評価した後、今夏よりFH2Rの中核設備として本格運転が開始される予定です。

当社は、独自技術によるアルカリ水電解システム(商標名:Aqualyzer™※6)の実用化を通じて、「クリーンな環境エネルギー社会」の実現を目指し、世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献してまいります。

  • ※1 最大運転時(毎時2,000Nm3)の消費電力
  • ※2 NEDO「水素社会構築技術開発事業/水素エネルギーシステム技術開発/再エネ利用水素システムの事業モデル構築と大規模実証に係る技術開発」
  • ※3 NEDO「再エネを利用した世界最大級の水素製造施設「FH2R」が完成」
    https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101293.html
  • ※4 スタック:陽極、陰極、隔膜等から構成される水電解セルを複数積層したセット
  • ※5 Nm3(ノルマル立方メートル):0℃、1気圧における乾燥状態の気体の体積を表す単位
  • ※6 “Aqualyzer”:水(Aqua)と電解装置(Electrolyzer)を組み合わせた造語。

ロゴマークの左半分は水を、右半分はグリーン水素をイメージしています。

  • Aqualyzer™ロゴ
    Aqualyzer™ロゴ
  • 10MW級大型アルカリ水電解システム外観
    10MW級大型アルカリ水電解システム外観

反応式

陰極 2H2O+2e- → 2OH-+H2
陽極 2OH- → 1/2O2+H2O+2e-

アルカリ水電解の仕組み

以上