重鉄・大屋根の邸宅「RATIUS[GR]」開発ストーリー
~QOLを高める次世代の住空間~

QOLを高める次世代の住空間 企画部長が語る開発ストーリー

記事企画・編集:LIFULL HOME'S

核家族化、コロナ禍での家時間の増加…時代の中で暮らし方や家族との在り方も変化するとともに住まいに求めるものも変化をみせています。
ただ、いつの時代も人々が「上質な暮らし」に憧れ、求めることには変わりがありません。

人生100年時代に、いのち・くらし・幸せを支える住まいとはどうあるべきでしょうか。

いつの時代にも「上質な暮らし」を提供する…「ALL for LONGLIFE」を掲げるへーベルハウスはその想いとともに住まいづくりを続けてきました。

へーベルハウスが住まいづくりのノウハウと叡智を結集した「RATIUSシリーズ」。
モダニズム建築の機能美と重鉄らしいダイナミックな造形美の2階建て新躯体を用いた邸宅モデルであり、長く愛される次世代のデザインと住まいが実現する上質な生活と時間の可能性を追求した住まいです。

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〈重鉄・大屋根の邸宅「RATIUS GR」〉キッズデザイン賞受賞「ロングライフ全館空調」含むカタログ4冊セットプレゼント 〈重鉄・大屋根の邸宅「RATIUS GR」〉キッズデザイン賞受賞「ロングライフ全館空調」含むカタログ4冊セットプレゼント

LIFULL HOME’S とNewsPicks Creationsが立ち上げた新プロジェクト「住まい選びをアップデートせよ」。その関連イベントのセッションでは、QOLを高める次世代の住空間とともに「RATIUSシリーズ」から新しく発売された「RATIUS [GR]」の魅力を株式会社LIFULLのLIFULL HOME’S PRESS編集長 八久保氏、LIFULL DESIGN アートディレクター三宅氏、旭化成ホームズ株式会社 商品企画部 松本氏が紐解いていきます。

Speaker

旭化成ホームズ株式会社 商品企画部 松本淳

LIFULL DESIGN アートディレクター 三宅太門

Moderator

LIFULL HOME’S PRESS編集長 八久保誠子

※敬称略

日本の住宅空間の変遷と、いまの時代で求められている住宅ニーズとは?

八久保氏

本日のテーマは「QOLを高める次世代の住空間」ということですが、最初に、日本の住空間の変遷について考えていきたいと思っております。
日本の近代化住宅には2つのきっかけがございました。一つが関東大震災後でもう一つが第次世界大戦敗戦後の住宅になります。関東大震災後に同潤会アパートができ、第二次世界大戦後から高度経済成長期に団地が生まれました。それまで、ひとつの和室空間を多様に使っていた日本の住宅に近代化住宅の間取りは変化をもたらしたと言えると思います。

日本の住空間の遷移「近代化」

近代化住宅のはじまりである集合住宅は、画期的だったのはダイニングキッチンでした。用途による部屋の役割ができてきました。客間や、茶の間、寝室など間取りを区切ってたくさんの部屋を作るという時代にはいります。

では、現代の住空間に対する人々の意識はどうなのか。国交省の住宅の白書では、自分の好みで変えられる住宅、伝統・自然と快適さを備えた住宅を望むという意識調査の結果がみうけられます。

住空間に対する意識の変化

また、LIFULL HOME'Sのインサイト調査では、自分の思い描く自分らしい住まい、またカスタマイズができる住まいという、住空間に対するフレキシブルなニーズが出てきており、家族パートナーなどを意識した暮らしを豊かにする空間設計が大切だというアンケート結果が出ています。

これからの時代の豊かな暮らしを実現できる「住空間」とは

八久保氏

先のアンケート結果などから、今は、時代にあった広々とした住空間、フレキシブルに変化する自由度の高い空間、飽きのこない誇らしい上質な空間…というものが現代に求められているようです。そのニーズを可能にするために住宅には、どんな技術や設計が必要だと思いますか?

松本氏

暮らす人々の幸せを願うというのは住宅メーカーとして当然ですが、幸せの前提として「安心」というベースはしっかりと固めていかなくてはなりません。我々は、その上で豊かな暮らしを住まいづくりにおいて実現したいと考えています。
当社は「ALL for LONGLIFE」という理念をブランドの中心に据え「いのちを守る」「くらしを豊かに」「人生を支える」というこの3つのテーマに取り組んでいます。

松本淳氏
旭化成ホームズ株式会社 商品企画部 松本淳氏

商品としては、それを実現するために当社の頑丈な躯体をバージョンアップし、今まで培ってきた重量鉄骨との技術と制震技術を組み合わせたハイブリッドの新しい工法を取り入れた「RATIUSシリーズ」という商品を発売しました。

強さと、しなやかさの融合。新次元の構造躯体「重鉄制震・デュアルテックラーメン構造」

RATIUSシリーズの住宅は、非常に太い鉄骨の柱で構成されておりまして、頑丈な骨組みに守られていることにより安心感のある、広々とした可変性のある空間を実現しています。

豊かな住空間を可能にするモダニズム建築の思想と機能美

八久保氏

躯体の頑丈さに加えて、開放感を生み出す豊かな空間とモダニズムの思想とはどういったものなのでしょうか?

三宅氏

モダニズム建築自体は、産業革命以降の工業化社会を背景として、1920年代に機能主義や、合理主義といったところの建築として成立した様式です。代表的な住宅建築物を紹介しますが、ル・コルビュジエ設計のサヴォア邸は1931年建築ですが、今から約90年も前の建物にもかかわらず、いまだに古くならない普遍的で現代的な美しさがある建物だと思います。

三宅太門氏
LIFULL DESIGN アートディレクター 三宅太門氏

モダニズム建築に求められる合理性であったりとか、機能美といったところの根底には「Less is more」という考え方があります。これは、日本語に訳すると「少ない方が豊かである」という言葉ですが、端的にシンプルである、すっきりしているという形だけではなく、家づくりの過程において最も重要なものを考えながら、足し算よりも引き算を行い、かつ簡素さといったところから生まれる美学だと思います。
モダニズム住宅に高級感が感じられるのは、そういった引き算のシンプルさになるのかなと感じています。

ル・コルビュジエ設計「サヴォア邸」
モダニズム建築の原点とも言われている1931年建築のル・コルビュジエ設計のサヴォア邸

松本氏

我々ヘーベルハウスの設計は、箱形を基調にして、必要な要素をアウトラインを描いて、削り出していくというプロセスをとっています。ソリッドなその部分に機能が生まれてくる。例えば、削ったところがバルコニーやアウトドアリビングになり、あるいはそれが庇となり、日射を遮るなど、まさにデザインが機能を生んでいく。そういったモダニズムの考え方に基づいてつくられているのが、当社の住宅の一つの特徴になっております。

哲学を宿す、普遍の建築美。

「ALL for LONGLIFE」と「モダニズム建築」を具現化した新商品
「RATIUS [GR]」

八久保氏

今回新たに発表した「RATIUS [GR]」の特徴はどういったものなのでしょうか?

松本氏

一番大きい特徴は、この日本の伝統的な大屋根を乗せ日本の住宅の伝統美を融合させた点です。

三宅氏

大屋根はとても特徴的な部分だと思いますが、実際に住空間に対してどんな効果が生まれるのでしょうか?

RATIUSシリーズ
ALL for LONGLIFE 100年住宅の思想から生まれたRATIUSシリーズ

松本氏

軒が非常に大きくせり出すことで、軒下空間は陰影を創り出す、半分外の空間になっています。そこが外界とのグラデーションをつくり、空間に豊かさが生み出されます。
コロナ禍を経て、家時間が長くなっている中で、住まいの中で気分転換ができるこういった空間が効果的であると当社の調査でも結果が出ており、軒下の半外部の空間を楽しむという、心地良い場を提供できると考えています。

例えば、外から軒下のバルコニー、そして主寝室に続く空間と、家の奥に入っていくほど陰影が深まり、プライベート感が高まっていくっていうような、プライバシーグラデーションを意識した設計になっています。

RATIUSシリーズ
RATIUS [GR]はモダニズムの箱型のデザインに日本の伝統住宅のカタチのひとつである大屋根を融合させた。

「RATIUS [GR]」の大屋根が生み出す、日本らしい感性の邸宅

三宅氏

「RATIUS [GR]」は、空間によって光の感じ方が違い、日常にちょっとした違いが生まれてきそうだと感じました。

松本氏

谷崎潤一郎の「陰翳礼賛」にもあるように、日本には生活と自然を一体化し、影やわずかな光を楽しむような感性があります。この住宅では、住まいの中に光のグラデーションが美しく出るプランニングをしています。
例えば、ダイニングは開口部が大きくて非常に明るく、リビングの方は逆に少し落ち着かせるために影をうまく使い、同じ空間・同じ室内でも光の入り方で感じ方も変わるように意識した設計となっています。

三宅氏

同じ空間なのに違うというと、屋根の勾配がある空間とそうでない空間にも惹かれました。勾配により落ち着きがある空間と、勾配がないひらけた空間と、同じ建物の中と思えない違いがあるように感じます。

松本氏

そうですね。1階は非常に伸びやかに邸宅らしい形ですが、2階は遊び心で勾配天井を活かした小屋のような空間をつくっています。
子どものころ、押入れの中に入ったことがある人も多いと思いますが、不思議ですが、狭く感じる空間はまた落ち着きを生み出すという面白さもあるんです。住まいの中にはそういった緩急をつけた空間をつくっています。

八久保氏

時代に合った住宅とはこれからどういったものになっていくのでしょうか?

松本氏

変化は予測しきれないのですが、その変化におおらかに追従できる住宅を目指しています。フレキシブルに変化するためには、骨組みを頑丈にし、おおらかな空間を実現可能にする必要があります。そうすれば、予測し得ない変化が起きても、耐えられる住宅になるだろうと考えています。

デザインという点でも、同じくシンプルにし、5年10年の流行りではなく100年というスパンで長く愛される住宅をつくることが我々の使命です。

我々の住宅は、暮らしの豊かさを実現するために必要な時代やニーズの変化にも耐えられる「ALL for LONGLIFE 」の思想を具現化している住宅です。今回の新商品「RATIUS [GR]」のご紹介も可能なので、是非、展示場でヘーベルハウスの住まいを見ていただきたいですね。

「ALL for LONGLIFE 」の思想に日本人の感性をいかした新しい住宅「RATIUS [GR]」。これからの住環境を上質なかたちで叶える次世代の日本らしい邸宅です。