2020/10/21
【技術資料】遊離水分離で知っておくべきポイント②
遊離水分離で知っておくべきポイント②
- 炭化水素系溶剤の遊離水分離のケース -
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課題・要望
コアレッサーには濾過精度のラインナップがあり、分離性能、フィルタ寿命などを考慮し、濾過精度を選定する必要があります。
今回は夾雑物濃度の低い炭化水素系溶剤をモデルとして濾過の検討を行いました。
以下の課題をお持ちの方に有用です。- 処理液に合ったコアレッサーの濾過精度を選定したい。
- コアレッサーの濾過精度を見直したい。
- 炭化水素系溶剤の遊離水を分離したい。
※遊離水 =( 処理液中に含まれる水分)―(処理液の飽和水分量)
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試験条件
- 処理液
- 炭化水素系溶剤
- 流量
- 標準流量
- 夾雑物濃度
- 0.1mg/L以下
- 温度
- 常温
- フィルター
- 化学プラント用途標準コアレッサー
- 実験方法
- 下図の実験装置を用いて炭化水素系溶剤をフィルターに通液し、フィルタ濾過上層の分離溶剤をサンプリングします。サンプリング液の水分濃度をカールフィッシャー法により測定を行いました。
図.実験装置概要 -
試験結果
本検討により以下のことがわかりました。
- 炭化水素系溶剤において遊離水を分離することができました。
- 濾過精度を高くすることで、サンプリング液の水分濃度は低下しており、より多く遊離水を分離できました。
- サンプリング液に沈降水は発生せず、微分散した水滴が原因の白濁も低減しており、遊離水が減少していることを確認できました。
分離性能の結果と合せて下記に示す濾過精度選定要因の代表例等を考慮して、濾過精度を選定します。
例えば、上記試験結果において以下条件で選定を行う場合、水分濃度150ppm以下を達成でき、かつ既設フィルタ濾過精度、交換頻度から濾過精度2μmではなく、5μmが適切と判断します。<選定条件>
- 分離性能:水分濃度150ppm以下
- 既設フィルタより交換回数を減らしたい
(既設フィルタ濾過精度2μm、1ヶ月交換)
<濾過精度選定要因>
- 液性状:流体、粘度、添加剤、分散
- プロセス条件:流量、温度
- 分離性能
- フィルタ寿命 等
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改善効果・提案
炭化水素系溶剤の水分離において、濾過精度を高くすることで分離性能が向上するケースがあります。
濾過精度は分離性能だけでなく上記の濾過精度選定要因を考慮して、選定を行っていますので、以下の内容を確認・対応してみてはいかがでしょうか?- プロセス条件、液性状がコアレッサー選定時から変わっていませんか?
- コアレッサー最適濾過精度選定のため、弊社で分離試験をしてみませんか?
- 炭化水素系溶剤中の水分離を弊社で試験をしてみませんか?
ご質問・確認事項ございましたら営業担当へお気軽にお問い合わせください。
※当試験結果は弊社が定めた試験条件であり、製品の性能を保証するものではありません。
<連絡先>
エム・エーライフマテリアルズ株式会社
資材事業本部 フィルタ営業部
西村 和徳
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