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インタビュー

EPOCA クリエイティブディレクター 常さん。洗練された大人の女性に提案する、上質でエレガントな洋服

三陽商会が展開する婦人服ブランド「EPOCA(エポカ)」。クリエイティブディレクターの常ひとみさんに、ものづくりへのこだわりやブランドの今後について伺いました。

大人の女性に、着る喜びと高揚感を EPOCAは、「インターナショナルな感覚を持ち、時代性の高いファッションを着こなす大人の女性」をターゲットに、1996年に三陽商会が立ち上げたブランドです。ブランド名はラテン語の“時代”に由来しています。当初はディレクターにイタリアで活躍するデザイナーを起用し、企画から素材、生産まで全ての拠点をミラノに置いて日本で販売するという、逆輸入のスタイルをとっていました。ミラノはファッションの歴史が非常に長い街で、現地のテキスタイルメーカーでアーカイブを見せてもらうと、1800年代のクオリティ生地まで遡って残してあるほど。サルトリアと呼ばれる職人さんの技術にも、素材にも、随所に“本物”を感じさせる品格があり、そういった方々と一緒にものづくりを行ってきました。現在は製作工程の多くを日本で手掛けていますが、基本的なコンセプトは変わらず、イタリアとのつながりや素材へのこだわりなどブランドのDNAともいえる部分は今も継承しています。
私自身は2002年にニットデザイナーとしてEPOCAに加わり、2009年にはチーフデザイナーに就いてブランド全体に携わるようになり、2018年からはクリエイティブディレクターを務めています。幼い頃は母親がオーダーメードの洋服をつくる仕事をしていたので、自分で欲しい洋服のイメージを描いては、余り布で仕立ててもらっていました。袖を通したときの高揚感や、近所のお姉さんに褒められたときの嬉しい気持ちは、私の原点になっていますね。EPOCAの洋服を着てくださる方にも、そういう気持ちになっていただきたいと、いつも思っています。

”チーム EPOCA”サプライチェーン EPOCAがこれまで取引きさせていただいた外部のメーカー様は、国内外問わずトップクラスの方々ばかりだという自負があります。現在お願いしているメーカー様とは、とても深い信頼関係を築けていると感じています。コミュニケーションがスムーズに取れて仕上げまで同じイメージを共有できるのが大きいですね。同じ糸、同じ仕様書を出しても、お願いするところによって仕上がりの“顔”は全く違ってきます。例えば、以前、こだわって立体をつけたニットに、最終仕上げのプレスでフラットに仕上がったことがありました。確かにシワは取れましたが、こちらの思いに反した膨らみのない平面的なものになってしまったんですね。長年をかけて信頼関係を築けた今のメーカー様とは細かく指示をしなくても、理想通りに仕上げていただけるので本当に頼りにしています。また、すごく厳しい目線を持ってくださっているので、「本当にこれでいいんですか」「こうした方がもっと良くなりますよ」と逆にアドバイスをくださることも多々あります。ありがたいことに、皆さんEPOCA愛が強いんです。
そうして、こだわり抜いて仕上げる “EPOCAならではの”製品は、インバウンドのお客様をはじめ目の肥えた富裕層の方々から「この価格でこの品質が実現できるの!?」と、価値を感じていただけることが多いですね。日本人独特の感性や器用さ、職人気質の素晴らしさを、今後もうまくEPOCAに融合させていければと考えています。

1本の糸からつくり上げる、こだわりが詰まったニットアイテム 「EPOCAといえばニット」という印象を持ってくださる方は少なくありません。私自身もEPOCAではニットデザイナーからスタートしているので、やはり思い入れは強いですね。ニットの面白さは、1本の糸から生地の厚みや柄などを決めていき、テキスタイルデザインのような感覚でものづくりできるところでしょうか。またハサミを使わずに成型というテクニックを駆使して“編み”で形をつくっていけるので、縫い代がない独特のラインを表現できるのも魅力です。
ニットでありながら、きちんとした場に着ていただけるアイテムが多いのがEPOCAの特長の1つです。トップスに限らず、ジャケットやコート、ドレスやパンツなど、様々なアイテムを展開しています。特にリピーターの多いドレスは、ニットならではの美しいシルエットや立体感にこだわっています。また「24時間ストレスフリー」をコンセプトにしたジャケットは、長時間着ていても突っ張った感じがせず、快適な着心地を追求しています。普通だったら布帛で表現するようなこともニットでつくってしまうところが、「EPOCAといえばニット」と言われる理由かもしれませんね。
EPOCAのニットに欠かせない素材の一つに、ベンベルグナイロン撚糸があります。とても仕立て映えする糸で、独特の柔らかさ、微光沢やドレープ感が、ブランドの表現したいエレガントなデザインととても相性がいいんです。かれこれ10年以上、毎シーズン使わせていただいていおり、EPOCAの大切なお客様に愛されています。

女性のライフスタイルを応援し続けるブランドでありたい 昨シーズンからスタートした、リラックスシーンにも着ていただける「ラ・マリア・イン・カーサ」は、着心地や風合いを重視しながらもサステナブルの要素を取り入れた、ニットの新シリーズです。リサイクルヤーンとブレンドして作ったオリジナルのウールや、一度使われたカシミヤを回収したり紡績場で出る落ち綿を撚糸したりして作られたリサイクルカシミヤを使っています。サステナブルに配慮することは、物を作っていく私たち生産者の宿命だと思っていますので、より力を入れていかなければいけない取り組みですね。
2020年SSは、「female EMOTION(女性の情感)」をテーマに掲げています。女性を美しく輝かせ、高揚感を与えるブランドでありたいという思いから、改めて女性にフィーチャーしました。
アーティストの描き下ろしイラストをウェアに落とし込んだり、履き心地までこだわるフットウェアデザイナーの靴をバイイングしたり、前衛的なフォトグラファーの作品からインスパイアされたりと、世界で活躍する女性達からも着想を得て、「女性の情感」を表現したコレクションになっています。
「女性を応援する」というテーマはこのシーズンだけで終わらず、EPOCAがこれからずっと掲げていくものです。今後は日本だけでなく、世界の女性にもEPOCAを提案していけたらと思います。

常 ひとみ (つね・ひとみ)

株式会社三陽商会 第一事業本部 エポカビジネス部 婦人エポカ ディレクター
2002年、三陽商会へ入社。エポカのニットデザイナーとして様々なニットを手掛ける。2009年、エポカのチーフデザイナーに就任。海外ディレクターと共にエポカのコレクションを作成する。2018年、婦人エポカ全体のクリエイティブディレクターに就任。

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