旭化成 繊維グローバル
産学連携プロジェクトGlobal Academia-Industry Collaborations

HOME > 旭化成 繊維グローバル産学連携プロジェクト > 産地の学校<ベンベルグ>ラボ > ベンベルグ®ラボ第2期

ベンベルグ®ラボ第2期

ベンベルグ®ラボについて

繊維・アパレル産業に携わる人材の発掘と育成、産地が抱える課題の明確化やプロジェクト支援など、繊維産業の活性化に向けて様々な取り組みを行なっている「産地の学校」。旭化成は、主宰を務める株式会社 糸編・代表の宮浦晋哉さんの活動に感銘を受け、2017年に産地の学校と共同で産学連携プロジェクト<ベンベルグ>ラボを立ち上げました。

【第5講】

<ベンベルグ>ラボ第5講では、先染め高級織物の産地として古くから知られる山梨県富士吉田産地の視察を行いました。今回はラボメンバーに加え、修了者や当社コーディネーターなど、職種や経験もさまざまなメンバーが新たに集結。より広い視点で<ベンベルグ>の生産工程を学ぶことができそうです。

■ハタオリマチ富士吉田

最初に訪れた富士技術支援センターでは、繊維技術部主任研究員の五十嵐哲也氏による講義を行いました。センター内にある実際の織機に触れながら、ドビーやジャカードの基礎を学びます。また、センター内にある製品の品質や機能性を調べる研究施設も見学しました。

中盤は「織物産地から見たテキスタイルデザイン」をテーマに、機屋さん目線で生地の作り方や考え方を教わりました。「素材」「糸の風合い」「染色方法」「糸密度」「組織」「加工」など、その仕様ひとつで織物はガラリと変わります。求められるテキスタイルのイメージを具現化する織工さんたちの気が遠くなるほどの努力がよく伝わる内容でした。

講義の最後には、江戸時代に生産されていた山梨産地の誇る絹織物「甲斐絹」を紹介。甲斐絹のもつ「先染め」「精巧」「軽い」「高級」といった技術は、ハタオリマチ富士吉田の伝統として、いまにしっかり受け継がれているそうです。

■産地を支える“糸染め”工場

昼食を挟んで、<ベンベルグ>裏地が織り上がるまでの工程を各工場で学ばせていただきました。株式会社富士セイセンでは、「染色」と「整理加工」を視察。染色にも「先染め」と「後染め」の2種類あるとのこと。さらに先染めには「チーズ染め」と「かせ染め」という技法があるなど、普段見聞きできない興味深い話の連続でした。資料室では、これまでに工場で作った糸のサンプルを回覧。富士山の天然水だから引き出せる糸の彩りに、1000年続く先染め産地の伝統を感じました。

■伝統をいまに受け継ぐ織工さんたちの知恵と技

続いて<ベンベルグ>裏地を手がける「撚糸屋」さん、「整経屋」さん、「機屋」さん、をそれぞれ訪問。外観は普通の民家にみえて、実は工場だったというのもラボメンバーにとっては驚きだったようです。なにより「糸を機械にかける」そんな何気ない動きひとつがマネできません。織工さんたちの職人技に、ラボメンバーもシャッターを押す手が止まらない様子でした。

産業とくらしが密接に絡み合いながら、山梨ハタオリ産地としての伝統を守ってきた富士吉田。<ベンベルグ>裏地の高い品質となめらかな美しさは、多くの織工さんたちが受け継いできた知恵と技。そして豊かな自然が織り上げる、ハタオリマチの文化そのものでした。

■関係者の感想

講義を終え、受講生や関係者の方々に感想を伺いました。

〈 産地の学校主宰 宮浦さん 〉
座学だけだとどうしても解像度の上がらない不透明な部分がみえてきます。今回の富士吉田視察では、実際に<ベンベルグ>を織る現場を見せていただくことで、その不透明な部分を確認することができたのではないでしょうか。一度見ただけではわからないこともあるでしょうが、これをきっかけに学びを続けて欲しいと思います。
〈 旭化成繊維マーケティング室 シニアコーディネーター 達家 〉
実際の現場を見るのはいろんな意味で刺激になりました。また、<ベンベルグ>にとても興味を持っていただけて、受講生のみなさんが頼もしく見えました。今後の繊維業界をみなさんの力で若返らせて欲しいと願っています。
〈旭化成アドバンス 山梨営業所 ライニング営業部 牧野 〉
受講生の皆様がとても興味深く見学されており、繊維業界の将来に希望が持てました。色々な疑問を受け私自身が勉強になりました。今回の経験を活かし、今後より良い説明が出来ればと思います。各工場の見学時間をもう少し長く取り、現場で糸を触る機会があれば良かったですね。

※ベンベルグ®は旭化成の再生セルロース繊維・キュプラのブランドです。

TOPページに戻る

PAGE TOP