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ロイカ®に関するお知らせ

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ロイカ事業における持続可能性への対応に向けた「マスバランス方式」の導入について

旭化成株式会社ロイカ事業部(事業部長:神山剛啓)は、この度、CFP(カーボンフットプリント)削減に向けた取り組みの一環として、マスバランス方式による低CFPタイプのロイカ®を提供できる取り組みをスタートしましたのでお知らせいたします。

1.背景
世界における持続可能性に向けた取り組みが進む中、繊維業界においても環境に配慮した商品開発や生産の見直しなど様々な取り組みが拡がっています。ロイカ事業もプレコンシューマーリサイクルや生分解性を有するものなど、いち早く環境に配慮したストレッチファイバーの開発にも取り組んできました。
地球温暖化や環境破壊が進む中、ロイカ®としてもさらなる持続可能性への取り組みが必要であると考え、新たなステップとして原料と電力にマスバランス方式を導入、CFPを削減した製品の提供できる取り組みをスタートしました。

2.マスバランス方式とロイカ®での展開
この取り組みは、従来のロイカ®の機能はそのままに、ロイカ®の主原料であるテトラヒドロフラン(THF)と使用する再生可能エネルギー(非化石証書(再エネ))の両方にマスバランス方式を導入することで、大幅なCFP削減(*1)削減率:約50%)を可能にしています。このうち主原料であるTHFによる削減率は、約25%になります。これは*2)BASF社が再生可能原料を使用するための新しい手法として導入しているバイオマスバランスアプローチによるもので、BASF社の協力のもと、この度、取り組みが可能となりました。
ロイカ®は機能糸を幅広く展開していますが、マスバランス方式では、一部の製品を除く様々な製品に割り当てが可能になります。また、品質を落とすことなく使用できるため、既存のお客様の製品に、そのまま置き換えが可能となり、お客様における切り替えのハードルが下がる点もメリットです。
まずは、スポーツアパレルとの取り組みを中心に拡大を目指していく予定です。

マスバランス方式とは、原料から製品までの加工や流通工程において、例えば、ある特性を持った原料が石油由来原料と混合される場合に、特性を持った原料に相当する量と同じ量を特定の製品に割り当てるという考え方です。割り当てられた製品は、特性を持った製品であることが謳えます。
マスバランス方式は、環境に配慮した原料の使用を推し進めるために世界で注目されている取り組み(物質収支方式)であり、設備投入の必要がなく、製造プロセスを変えることなく既存の設備を使用できるため、投資が少なく取り組みやすい点がメリットとして挙げられます。

*1) ロイカ®全銘柄の平均値であり、個別の銘柄での削減率は異なります。個別の銘柄の値については、別途、お問い合わせください。 削減率は、ロイカ®従来品(2019 年度平均;石油由来原料、通常電力を使用)のCFP算定値を分母に、本低CFPタイプのロイカ®(THFにバイオマス原料、再エネ証書電力を使用)のCFP算定値を分子とし算出しています。CFP算定値は、ISO14067に準拠して計算され、原料の採取から当社工場を出るまでの範囲を対象としています。
・本算定値の元となる排出原単位(活動量あたりのGHG排出量)は、Scope1(直接排出)およびScorpe2(電力・蒸気)、は、2019 年度の実績値、Scope3 のカテゴリ1(原料)は、サステナブル経営推進機構が提供している「IDEA」ver2.3および、一部サプライヤーからの一次データを用いています。
・本算定値は、ISO14067 の考え方に従いバイオマスが成長時に吸収したGHG 量を控除して算出しています。
・本算定値は、あくまでも現段階で得られる情報を基に算定したものであり、保証値ではありません。また本算定値は、プロセス・技術等の改善・改良、原材料情報、法改正などの見直し等により変化し得るものであることをご理解ください。

<CFP 算定>

CFP 算定
参照:経産省 カーボンフットプリント検討会

https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/carbon_footprint/pdf/20230331_1.pdf

・削減効果を無断で第三者に開示または漏洩することを禁じます。開示をご希望される場合は、事前に弊社との内容確認と契約が必要です。

*2)BASFは、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン・アム・ラインに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で約110,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。BASFは日本との関わりも長く、1888年に初めて日本市場に接触して以降、日本市場のパートナーとして事業活動を行っています。自動車、建設、医薬品・医療機器、電機・電子、パーソナルケア・ホームケア、農業・食品など、ほぼすべての産業に製品とソリューションを提供し、国内およびグローバル市場で活躍する日本のお客様の成功に貢献しています。 *BASF社ホームページより転記
BASFジャパン株式会社

ロイカ®(プレミアムストレッチファイバー)は、旭化成の登録商標です。
https://www.asahi-kasei.co.jp/fibers/roica/
お問い合わせ:旭化成株式会社 ライフイノベーション事業本部 ロイカ事業部 NEXT50プロジェクト

担当:四戸宏昌
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