旭化成ホームズでは、1975年に「二世帯住宅」を世の中で初めて商品化し、その後も「くらしノベーション研究所」を中心に、家族社会学や心理学的視点も含め各種の生活実態調査などを実施し、時代の変化を反映した二世帯住宅商品を上市することで高い評価を頂いてきました。
2010年の国勢調査の結果では、団塊世代を中心とする60代の世帯主の家族構成が、夫婦のみで暮らす世帯より「親と単身の子」で暮らす世帯の方が多くなっています。(※グラフ1参照)従来は、親世帯に単身の子が居住しているケースでは、親世帯の将来の居住形態が不確定なために二世帯住宅建設の具体化は比較的難しいという認識がありました。しかしながら上記調査の結果、「親と単身の子」と「子世帯」が同居する住宅では、親世帯・子世帯はもちろん、同居する単身の子を含め家族みんなが満足度高く暮らしている実態や、単身の子の多くは仕事を持ち自立した「ワーキングシングル」であるケースが多いことがわかりました。
「くらしノベーション研究所」で、親世帯と子世帯と単身の兄弟姉妹が同居する2.5世帯同居について訪問調査、Web調査、プラン分析を行った結果、2.5世帯同居では息子夫婦同居の比率が83%と高く、また同居する単身者は女性が63%を占めることがわかりました。
調査では、同居する単身姉妹の3/4は生活費を入れ家計に貢献しており、また住宅の建築時にも約4割が建設資金の一部を出資しています。更に、2.5世帯同居の場合は通常の2世帯同居に比べて親世帯の資金提供力が増加していることもわかりました。(※グラフ3参照)家族の資金を集めた家づくりがなされることで、子世帯の住宅ローンの月々の負担額が軽減されるなどのメリットも想像されます。
両親と弟夫婦がいる40歳前後のワーキングシングル女性に対して同居に対する意識調査を実施したところ、約6割は両親と弟家族との同居の検討が可能であると回答しています。同居嗜好がある単身姉妹の傾向として、甥や姪、弟の妻と仲が良いなど、同居否定者よりも、弟の家族を含む現在の家族との絆を大切に考えていることがわかりました。
調査を通じ、2.5世帯同居では、親世帯・子世帯・単身の兄弟姉妹のそれぞれが同居のメリットを評価し、上手に暮らしている様子が見えてきました。