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暮らしのコツ

楽園写真家が語る「楽園のあかり3」vol.2写真家:三好和義

リゾートホテルでは心身ともにリラックスできて、ぐっすりと眠ることができた。
そんな経験をした方は多いのでは。それは、リゾートホテルの「夜のあかり」と関係があるのかもしれません。世界のリゾートを写真に収めてきた「楽園写真家」の三好和義さんに、「楽園」の印象深い夜のあかりを語っていただくこのコラム。海外のリゾートやホテルの「楽園のあかり」をご紹介いただきます。美しい写真と三好さんの言葉から、快適な暮らしの照明のヒントを見つけてください。今回はフィリピンのスル海の大サンゴ礁に抱かれた美しい孤島、バマリカン島の「アマンプロ」の灯りのお話です。

人工照明を意識させないきめ細やかな照明手法アマンプロ(バマリカン島/フィリピン)

前回紹介した「アマンワナ」は、高級リゾートとして世界的に人気の高いアマンリゾートの施設でした。今回は、日本からいちばん近いアマンリゾート、フィリピンの「アマンプロ」を紹介しましょう。「アマンプロ」がつくられたバマリカン島は、7000もの島々で構成されるフィリピンの孤島の一つ。全長2.4キロあまり、幅約500メートルの細長く小さな島で、パウダーサンドの砂州は美しく、ウミガメも産卵に訪れる豊かな自然環境が守られてきました。この島で宿泊施設は「アマンプロ」だけ。小さな島とは言ってもゲストの数は限られているので、滞在中、他の人と出会うことはほとんどありません。海と自然の中で自分だけの時間を過ごすことができるリゾートです。印象に残っているのは、フィリピンスタイルの朝食です。フィリピン伝統のお粥に魚の干物、ローストチキンなどを、ライムと醤油のような調味料でいただきます。キャビンの語源でもある「カバナ」と呼ばれる素朴なつくりの小屋の床に低く座り、誰もいないビーチを眺めながら食事を楽しむこともできます。

人工照明は最小限に

このカバナは、柱と梁で構築されたシンプルな構造で、日が暮れると柱頭に仕込まれた小さな照明が、柱をなめるように照らしていました。荘厳な大自然の中で、利便性のための光は無用でしょう。「アマンプロ」では、器具はもちろん、人工物をいかに意識させず、最小限の照明で夜の空間をまとめあげるための工夫が随所に凝らされています。視線の先にある柱を控えめに照らすことで、手元は暗くてもほのかな明るさを感じ、同時に自然の暗闇を引き立てているのです。うっすらと光る四方柱に囲まれて、床に直接座ったり、藁のきしみを感じさせる三角クッションとデイベッドに身を任せて、床に近い低い姿勢と視線で過ごす一人の時間は、孤独を超えた特上のリラックスをもたらせてくれるはずです。

大自然の中の小さな灯り

「アマンプロ」では、ゲストの希望に応じて、近くの砂州までシャンパーニュ付きのランチバスケットを携えボートでピクニックに連れていってくれたり、夜のビーチでは、焚き火の炎で照らされるディナーも用意されます。サンゴ礁の海の静かな水面と立ち上がる炎がつくりだす光景。東南アジアの伝統的な小屋組建築を模したカシータと呼ばれる一棟独立型のコテージは、ビーチサイドはもちろん、わずかに小高い島の中ほどにも築かれていて、そこからは緑と緑の間にわずかに覗くビーチのカバナの灯りや焚き火を眺めることもできます。自然と一体になった灯りをどうつくりあげるか。何をどのように照らすのか。「アマンプロ」の灯りは身の回りに巧みに配されているので、自然の中でけっしてゲストに人工照明や器具を意識させることはありません。その照明手法は世界中のネイチャーリゾートのお手本になっているのだと思います。

「楽園のあかり」が、みなさんの暮らしの灯りを考え直すきっかけになりますように。

Kazuyoshi Miyoshi
Kazuyoshi Miyoshi

三好和義

みよし・かずよし ● 1958年徳島生まれ。85年初めての写真集「RAKUEN」で木村伊兵衛賞を受賞。以降「楽園」をテーマにタヒチ、モルディブ、ハワイをはじめ世界各地で撮影。その後も南国だけでなくサハラ、ヒマラヤ、チベットなどにも「楽園」を求めて撮影。その多くは写真集として発表。近年は伊勢神宮、屋久島、仏像など日本での撮影も多い。近著は『死ぬまでに絶対行きたい楽園リゾート』(PHP)。日本の世界遺産を撮った作品は国際交流基金により世界中を巡回中。

ご紹介頂いた宿 : アマンプロ

http://www.amanresorts.com/amanpulo/home.aspx

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