「釜浅商店」柞山裕一郎さんが紹介する 今日から始める「包丁の研ぎ方」基礎知識
もうすぐ春。スーパーなどの生鮮食品売り場には、春キャベツやアスパラガスといった色鮮やかな春野菜が並ぶ季節がやってきます。旬な食材をおいしい料理へと調理するキッチン道具の中で、包丁はひときわ重要な存在。そこで今回は、家庭で簡単にできる包丁研ぎに挑戦してみましょう。本格的な包丁研ぎには「粗砥」「中砥」「仕上げ砥」という3種類の砥石を使用しますが、家庭で行う通常のお手入れは中砥だけを用意すればOK。包丁には洋包丁と和包丁がありますが、両面に刃が付いた洋包丁の研ぎ方を紹介します。定期的に研いでやることで、包丁の切れ味を保てるだけでなく、包丁への大きなダメージを防ぎ、長く使い続けられるというメリットも。愛着を持った包丁なら、料理の楽しみもぐっと増すはずです。
今日から始める「包丁の研ぎ方」基礎知識
用意するもの
・包丁
・砥石
・さび落とし
・10円玉2枚
・タオル
1. さびを落とします
まずは包丁に付いた赤さびや茶色っぽいさびを、さび落としで落としていきます。さび落としがなければ、ワインのコルクや大根のへたで代用してください。注意したいのは、黒っぽいさびを落とさないこと。黒さびは、赤さびなどから包丁を守ってくれる皮膜のような働きをします。
2.先端からスタート
砥石を20分間ほど水につけたら準備完了。右手で包丁の刃をしっかり握り、研ぎたい部分に左手の人差し指と中指を添えて、表側の先端から研ぎ始めます。砥石と包丁の峰の間には、常に10円玉2枚分のスペースを確保。包丁を均等に上下に動かすのが上手に研ぐコツです。砥石がすべらないように、下にぬらしたふきんなどをひいてください。
3. 根元まで研ぎます
包丁の先端から始め、左手を少しずつ根元に向かって動かしながら、包丁全体を研いでいきます。包丁の表側は、押す時に力を入れると効率よく研ぐことができます。
4.裏側も研ぎます
表側が終わったら、ひっくり返して裏側を研ぎましょう。裏側は刃の根元から始めます。裏側の根元のみ、砥石と包丁を平行にして研ぎましょう。根元から先端へと研ぎ進めます。裏側は引く時に力を入れて研ぎましょう。
5.できあがり!
両面を研いだら、タオルで拭いて完了です。包丁を研ぐ目安は、1ヶ月に1回程度。ちょっと切れにくいなと感じたら研いでください。