50’S RESEARCH PROJECT
疑問 QUESTION
50代からの理想の家に
必要なスペースとは?
家づくりの失敗談も聞きました。
50代からの理想の家に必要なスペースとは?家づくりの失敗談も聞きました。
Casa BRUTUS読者に向けて行った「50代の理想の住まい」に対する市場調査。約2100人の答えから見えてきた理想のリビングやキッチン、書斎とは? また、家づくりの失敗談についても教えてもらいました。
Casa BRUTUS分室研究
調査結果 RESULT
明るさと快適さを叶える
採光を重視。
(グラフ)50代以降の家づくりで重視したい住環境や機能は?(n=2102)
- 採光
- 断熱
- その他
- 通気
- アートスペース
- 緑化計画
- プライバシー
一位は「採光」。同じ間取りでも窓に工夫を凝らすだけで明るさや部屋の雰囲気ががらりと変わり、住み心地にも大きな差が出る。また、外気温に左右されにくく光熱費の節約にもつながる断熱性、風を感じて結露対策にもなる通気性を大事にしたいという意見も多め。
家の顔=リビングを
大事にしたい人が多数。
(グラフ)50代以降の家づくりで重視したいスペースは?(n=2102)
- リビング
- キッチン
- 書斎 (趣味)
- 中庭、バルコニー、屋上
- その他
- 寝室
- 収納
家族と過ごす場所であり、ゲストを迎える空間でもあるリビング。定年を迎えると家にいる時間が長くなるため、くつろげる空間にしたいという人が多かった。続いてキッチン。部屋数を減らしてLDKのスペースを拡大/充実させたいという人も少なくないようだ。
趣味やウェルネスを
意識した空間が人気。

Q.その他、重視したいスペースは
音楽や映画鑑賞、読書や茶道、ピアノのレッスンなど、趣味を堪能できる部屋という回答が目立った。また、心と身体の健康を保つため「トレーニングスペースが欲しい/充実させたい」という意見や、インテリアとして空間を演出してくれる「暖炉や薪ストーブ」と答えた人も。
-
縁側、庭。
(27歳・会社員・公務員)
-
トレーニングスペース。
(50歳・デザイン・クリエイティブ職)
-
夫婦それぞれの個室を持つこと。
(57歳・自営業、ほか複数回答あり)
-
趣味を深める書斎スペースと自然を感じられるテラス。
(60歳・経営者・会社役員・管理職)
-
茶室、オーディオルーム。
(69歳・無職)
-
段差をなくした寝室からリビングのアプローチ。
(58歳・契約社員・派遣社員)
-
暖炉か薪ストーブのある部屋。
(68歳・会社員・公務員)
子ども部屋をなくして、
一部屋を広めに。

Q.50代以降の家づくりで必要ないと思うスペースは?
-
客間。近くのカフェで代替できそう。
(62歳・経営者・会社役員・管理職)
-
子ども部屋。
(53歳・経営者・会社役員・管理職、ほか複数回答あり)
-
収納。
(25歳・会社員・公務員)
-
階段。
(48歳・会社員・公務員、ほか複数回答あり)
-
ロフトのように梯子が必要な収納。
(60歳・会社員・公務員)
-
部屋数。壁がない部屋で大きくゆとりのある空間としたい。
(30歳・会社員・公務員)
-
大きなウォークインクローゼット、大きな書斎、床下収納やロフト収納、大きな玄関。
(45歳・主婦・主夫)
-
玄関までの階段、玄関のステップ。親の車椅子で大変でした。
(58歳・主婦・主夫)
子育てがひと段落すると子ども部屋が不要になるという結果に。子ども部屋に限らず「部屋数を減らして、大きくゆとりのある空間にしたい」という声も。また、階段という意見も目立った。「車椅子だと大変なので」「ロフトのようにハシゴが必要な収納は年齢を重ねると不便」。
日当たりや風通しなど
住宅設備に後悔が。

Q.家づくりの失敗談を教えてください。
-
「日当たりや湿度管理が十分ではなかったため植物が枯れてしまった」
(28歳・デザイン・クリエイティブ職)
-
「玄関から室内が見えやすいレイアウトのため来客の際は家の中を隠すのに一苦労」
(34歳・会社員・公務員)
-
「断熱改修をおろそかにしたため、快適さがない」
(50歳・会社員・公務員)
-
「壁や床の素材について勉強が足りなかった」
(56歳・会社員・公務員)
印象的だったのは日当たりや通気性、気密性、遮音性など住宅環境を左右する失敗談。「コンセントの位置や数」といった声も多め。また、部屋の雰囲気を左右する壁や床の悩みも。「外国製の壁材にしたが、破損の際に交換に時間がかかったり、廃盤になっていたりして一苦労」。
広いリビング・ダイニングで
大人数の団欒にも対応。
(グラフ)人を招く上で重視したいことは?(n=2102)
- 広いリビングダイニング
- 隠しやすい収納設計
- BBQなどもできる広いテラス(アウトドアリビング)
- ゆとりのある玄関
- アイランドキッチン
- おしゃれなトイレ&手洗い場
- その他
50代以降になると子どもが帰省したり、親戚や友人など人を招く機会も多くなる。そのため、大人数のゲストを迎えられる広いリビング・ダイニングがほしいという回答が多かった。また、生活感が出る家電や小物を難なく隠せる収納スペースも大事という回答も。
料理がはかどる程よい
サイズ感がベスト。
(グラフ)50代以降に使う理想的なキッチンは?(n=2102)
- 使いやすいサイズ感
- パントリーなど十分な収納がある
- 居心地がいい
- 人を招きやすい
- その他
毎日使うキッチンはメンテナンスのしやすさや動線の良さを意識した「使いやすいサイズ感にしたい」と答えた人が4割。また、家電や備蓄食材を収納するパントリーを充実させたり、日々の料理が楽しくなるような居心地の良さを追求したいという意見も少なくなかった。
趣味部屋のほかに自然を
感じられる空間が人気。
(グラフ)一人になれる空間にはどんなスペースが欲しいですか?(n=2102)
- ライブラリーやオーディオルーム
- プライバシーが保てる屋外スペース
- その他
- バスルームが充実
- トイレに読書スペースがある
「ライブラリーやオーディオルーム」など趣味を楽しめる部屋が欲しいという人が多い結果に。防音設備を整えた静かな部屋で「読書」や「瞑想」をしたいという意見も。また、外の空気や日差しを感じられる屋外スペースでゆっくり一人の時間を過ごしたいという人もいた。
プライバシーを保ちながら
自然を感じられる
中庭が一位。
(グラフ)ゆとりを感じるスペースとしてどんな場所が欲しいですか?(n=2102)
- 中庭
- 和を感じる空間
- アウトドアリビング
- 趣味部屋
- 吹き抜け
- 暖炉
- その他
明るさや開放感、安心感を感じられる「中庭」を取り入れたい人が多数。また、BBQをしたり、植物を育てたり多目的に利用できる「アウトドアリビング」も人気が高かった。風通しがよく湿気がこもりにくい「土間」は、カーペットに比べて汚れや水に強いという利点が。
text_Mariko Uramoto
editor_Keiko Kusano
Illustration_Norihiko Shimada(paper)
考察 ANALYSIS

実際に住んでみて
初めてわかる不便さも…
どんな家に暮らすかは、どう生きていきたいかに直結する。マイホームだからこそ理想を詰め込みたい。今回は50代以降の働き方をイメージした憧れのワークスペースや、子どもが巣立った時のことを想定したリビングやキッチン、部屋数や収納スペースについて、今回は意見を聞いてみた。
また、家づくりはさまざまな選択肢があるため、迷うことも多い。入居前はどんなにいいと思っていたものでも、実際に住んでみて初めてわかる不便さもある。家を建てたことがある(リフォーム経験がある)人には失敗談も聞いた。失敗の前例を知ることで、次の家づくりに活かすことができる。盛り込みたい設備やスペースがたくさんあったとしても、冷静になって判断することで、50代以降の住まいの満足度はグンと上がるはずだ。

Casa BRUTUS
カーサ ブルータスは1998年、生活に必要な「衣・食・住」のうち、日本人に足りなかった「住」の要素を充実させようという時代の空気を感じ取り、生まれました。
建築、住宅、インテリアを中心に、デザイン、アート、食、ファッションまで最先端に網羅。時にミーハーに、時に深~く掘り下げてご紹介する「Life Design Magazine」です。

余白の在る家 RATIUSRD
50代が理想の暮らしを叶えるための、「間」を設ける
余白の在る家の特徴は、「シェルウォール」という一枚の壁から生まれる、外でも内でもない「間」。
プライバシーを守りながらリビングに広がりをもたらしたり、光や緑を取り込み、四季の移ろいを感じさせたり。50歳を見つめる先にたどり着いた、ゆとりある暮らしを叶える住まいです。