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ヘーベルハウスLONGLIFE IS BEAUTIFUL 長崎県波佐見町 白山陶器のロゴマーク

ゆとりのある暮らし

挑戦した結果が、
時代を超えたスタンダードになる。
白山陶器の長く愛される器づくり

ヘーベルハウス駒沢第一展示場のダイニングで、白山陶器の食器で彩った朝食の様子

リビング・ダイニングキッチン和室

長崎県波佐見(はさみ)町でつくられる「波佐見焼」。安土桃山時代に誕生したと言われる波佐見焼は、手頃で日常使いしやすい陶磁器として知られている。その中でもデザイン性が高く、暮らしになじむと高く支持されているメーカーが、白山陶器だ。デザインから生産まですべて自社で行う彼らの代名詞でもある「G型しょうゆさし」や「平茶わん」は、世代を超えてつくり続けられている。ほかにも、グッドデザイン賞やロングライフデザイン賞を受賞している器が多数ある。
白山陶器の器は、なぜ圧倒的に長く愛されつづけるのか。白山陶器社長・松尾慶一さんにその秘密を伺った。

伝統産業にデザインを吹き込む

江戸時代の1779年に誕生した、白山陶器。現社長の松尾さんは8代目にあたる。

「先代である父は、遠方から婿養子として迎えられました。だから焼き物については何も知らなかったんだけど、波佐見の人たちからは跡継ぎだってかわいがられたそうです」。

地域に溶け込む。それは、和を尊ぶということでもあった。地域と共存しつつ、どう成長していけばいいか——そのヒントになったのが、メディアで目にした「これからはデザインの時代だ」という言葉だったという。

「デザインと伝統産業をかけ合わせることで、独自のポジションを確立できるのではないか。そう考えたんですね」。

試行錯誤の中で、先代は白山陶器におけるデザインの祖とも言えるプロダクトデザイナー・森正洋と出会う。この出会いが、白山陶器を変えた。先代と森氏は「戦後の荒廃とした世の中によりよいものを提供したい」という思いを共にし、美しく、かつ暮らしになじむ器を次々と世に送り出していったのだ。

生活者としてつくるということ

ヘーベルハウス駒沢第一展示場のダイニングで、白山陶器の食器で彩った朝食の様子

白山陶器は「なによりも使いやすく、生活の中になじむもの」を掲げている。日常のシーンに溶け込み、かつ食卓を豊かに彩る製品は、どのように生み出されているのだろうか?

「デザイナーのみなさんね、しつこいんです」そう言って笑う松尾さんの言葉には、ものづくりをする人間への尊敬がにじみ出ている。

「たとえば、『すくいやすい器』をつくったデザイナーが、何年かするともっとすくいやすい器をつくって、その数年後にさらにすくいやすい器を出してきたりする。浮かんだアイデアをしまっておいて、数十年後、新しい機械が導入されたタイミングで実現することだってある。彼らの引き出しは無限大ですよ」。

こんなエピソードがある。松尾さんははじめての子どもが産まれたとき、自社のラインナップになかった子ども用の食器をつくってほしいとあるデザイナーに頼んだ。待てど暮らせどできあがらないまま、5年ほどが経過。しかし、彼に子どもが産まれると必要性を感じて、かわいらしい子ども用の食器が完成したという。

ヘーベルハウス駒沢第一展示場のダイニングで、白山陶器の食器で彩った朝食の様子

生活者として暮らしを見つめ、生活者としての自分が求め、心から満足できる使いやすい器を創造する。それが「白山陶器デザイン室」のものづくりなのだ。

チャレンジから、時代を超えたスタンダードを。

ヘーベルハウス駒沢第一展示場の和室で、白山陶器の食器で彩ったティータイムの様子

白山陶器の器には人をほっとさせる安心感があるが、必ずどこかに「新しさ」もある。このものづくりは、森正洋氏のDNAと言えるだろう。彼が生み出した「シェルシリーズ」は1983年、バレンシア国際工業デザイン展でグランプリを受賞。「量産品でありながらひとつずつ個性があるものを」という斬新な発想が、グローバルで高い評価を得た。

「みんなチャレンジングなんです。だから『一歩先をいく白山陶器』なんて言われることもある(笑)。ただ、発売直後はあまり売れなくても、3〜4年してから動き始めたりするんですよ。辛抱強く待てばよさが伝わり、スタンダードになっていくわけです」。

白山陶器を代表する製品「G型しょうゆさし」は、1958年から60年以上つくりつづけられているロングラン製品だ。しかし、しょうゆさしのラインナップは、ほかにも多数ある。ライフスタイルに応じてさまざまなサイズやデザインを展開することで、長く、各家庭の食卓に愛されている。

ヘーベルハウス駒沢第一展示場のダイニングテーブルに並べた白山陶器のロングセラーG型しょうゆさし

また、「ねじり梅」と呼ばれる大胆で美しい柄が描かれたシリーズは50年以上前に生まれたものだが、いまの20〜30代にも人気が高い。

「『昔売れたからもう売れない』とはならないんです。素敵なものは、素敵なまま。鮮度は落ちません」。

ヘーベルハウス駒沢第一展示場のキッチンに並べたねじり梅の土瓶と汲出

白山陶器は、「時代を超えたスタンダード」という言葉も掲げている。次なる定番を生み出すためにはつくり続けなければならないが、そもそも白山陶器には「やめる」という選択肢がないのだという。

「我々には、廃番という言葉がないんです。だから、型や資料はすべて取ってあります。売れ行きが落ちてやむなく製造を休止しても、時代が移り変わったときに、いつでも再生産できるように」。

ヘーベルハウスLONGLIFE IS BEAUTIFUL 長崎県波佐見町 白山陶器が1973年に発行したカタログ

1973年当時のカタログ

松尾さんの言葉からは、一度生み出した製品への深い愛情を感じられる。この「存在させ続ける」という意志が、白山陶器という圧倒的なブランドをつくっているのだろう。

「暮らしを楽しむ器」をつくり続ける

ヘーベルハウス駒沢第一展示場のキッチン棚に重ねた、森正洋がデザインした白山陶器のロングセラー平茶わん

白山陶器の代表作に、「平茶わん」がある。300種類ものデザイン展開と(1992年の発表当時は144種類)、広く浅いゆとりのある大きさが特徴的だ。そして特筆すべきは、その価格設定。絵柄の複雑さによって値段を変えるのが業界の常識だが、すべて同じ価格に設定している。

「毎日使うご飯茶碗だからこそ、お気に入りの逸品と出会ってほしい。『デザインはこっちが好きだけど、値段が違うのか』なんて考えてほしくないですから。好きな絵柄を純粋に選べるようにしたいんです」。

森正洋氏が1992年の発表時に自作した栞には、こう書かれている。

<大ぶりで浅めの平形の茶わんは(略)碗の内側が広く見えて楽しめる。深めの茶碗は冷めにくいのだが、寒さに震えながら食べることのない今、ゆとりと遊びのある平形めし茶わんを提案します。>

ヘーベルハウス駒沢第一展示場のキッチンテーブルに置いた、デザイナー森正洋が1992年の発表時に自作した栞

読み上げた後、松尾さんは「この茶碗を使うことで、食事を——暮らしをどうか楽しんでください、という気持ちです」と付け加えた。
この「暮らしを楽しんでほしい」という思いは、白山陶器のすべての製品から伝わってくる。あたたかく、美しく、チャーミングな器たち。「お気に入りの逸品」を食卓に加えるだけで日々の暮らしは心踊るものになる。そんな生活者の日常に寄り添う器をあたりまえのように、かつ誇りを抱き、世代を超えてつくり続けてきたのが白山陶器という会社なのだ。

ヘーベルハウス駒沢第一展示場のキッチンテーブルに並べた、森正洋がデザインした白山陶器のロングセラー平茶わん

10年、30年、50年。長いスパンで愛される白山陶器は、LONGLIFEの塊のようなブランドだ。これからも「生活者」であるつくり手の思いが紡がれるかぎり、時代を超えたスタンダードを生み出していくことだろう。

白山陶器 : https://hakusan-porcelain.com/

ヘーベルハウス駒沢第一展示場の外観

ヘーベルハウス駒沢第一展示場 フレックス(3階モデル)

  • ■住所:東京都世田谷区駒沢5-10-1(駐車場完備)
  • ■アクセス情報
    東急バス(恵比寿駅用賀駅行)「学芸大附小学校入口」下車
    東急コーチ(自由が丘駅発)「深沢不動前」下車
    ※営業時間等についてはお電話にてお問合せください。
  • ■お問合先:旭化成ホームズ(株)
    東京南支店 営業課 03-3705-4345
  • ■HP: https://www.asahi-kasei.co.jp/hebel/model/detail/view/?mhid=19

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