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ヘーベルハウスLONGLIFE IS BEAUTIFUL 四十沢木材工芸のロゴ

ゆとりのある暮らし

木の心地よさを、暮らしのなかへ
四十沢木材工芸が未来へつなぐ思い

ヘーベルハウス品川シーサイド展示場のダイニングテーブルに四十沢木材工芸の輪花盆を使って朝食を用意する様子の写真

リビング・ダイニング寝室・子ども部屋半屋外空間

豊かな森で育った木から、日々の暮らしで使えるお盆や器をつくりだしている四十沢(あいざわ)木材工芸。石川県輪島市で創業してから70年以上となる同社は、漆器の素地を作る木地屋(きじや)として伝統産業を守りながら、木そのものの価値を伝える取り組みを行ってきた。木と向き合い、木を慈しんできた二代目の四十沢宏治さんと葉子さん夫妻が考えるLONGLIFEには、未来への思いが込められていた。

木地屋だからこそできること

室町時代に能登半島の輪島市で誕生した輪島塗は、人口3万人にも満たない町全体で製造工程を分業して作られてきた。漆を塗る職人や器に加飾を施す職人のほか、木材から加工して漆器の素地を作る“木地屋”を生業としている者もいる。

ヘーベルハウスLONGLIFE IS BEAUTIFUL 四十沢木材工芸 1954年工場上棟式の様子

1954年工場の上棟式の様子

二代目の四十沢宏治さんが家業を手伝いはじめたのは20代半ばの頃。当時はバブル経済真っ只中で、高価な輪島塗も飛ぶように売れたが、木地屋としての仕事に複雑な思いを抱いたこともあったという。

「バブルの頃、漆器産業も景気が良く、木地に漆を塗り重ね、加飾に金(きん)を施して、高く売れるならいくらでも金を使うような流れがあり、木地の形や仕上がりには注目されることがありませんでした。私たちは木地屋として毎日、木に触れ、木目の美しさや木の触り心地の良さを知っているからこそ、木が持つ本来の魅力を漆で見えなくしてしまうことを残念に思う気持ちが日々強まっていきました」。

ヘーベルハウスLONGLIFE IS BEAUTIFUL 四十沢木材工芸の職人がつくる様子

バブル崩壊後は、経済衰退とともに漆器産業も低迷し、廃業した木地屋も少なくない。なんとか家業を切り盛りしながら、木の手触りや木目の魅力を暮らしのなかで感じてもらえる製品を作りたいと思いはじめた四十沢さん夫妻。試行錯誤して、オリジナルの木製品がようやく誕生したときのことを、妻の葉子さんは今でも鮮明に覚えている。

愛される木の魅力

「もともと漆を塗る木地として作っていたお盆に、試しに蜜蝋(みつろう)を塗ってみました。すると、木の表情がいきいきとしてきて、いい意味で衝撃を受けたんです。そこで企画展に製品を展示したところ、あるギャラリーの方が気に入ってくださって、取り扱ってくれたことで、どんどん注文が入るようになりました。それから作るべき製品の方向性が変わっていきましたね」。
記念すべきオリジナル木製品のデビュー作は「輪花盆(りんかぼん)」。まるで食卓に花が咲いたかのような華やかなデザインとモダンな佇まい、そして1点ものの木目の風合いとぬくもり。世の中の、洗練されたデザインや自然素材のインテリアを好む風潮に乗って人気を集めた「輪花盆」は、SNSで広がり、反響を呼んだ。

ヘーベルハウス品川シーサイド展示場のダイニングテーブルに四十沢木材工芸の輪花盆、ボード、バターケースを使って用意された朝食様子の写真

写真左から「ボード」「バターケース」「輪花盆」

「それでも、しばらくは改良を重ねる日々が続きました」と葉子さん。蜜蝋は防水性が低いうえ、触るとベタベタするため、同じ天然素材のくるみオイルの塗料を試してみたが、やはりお盆の下に敷いたクロスに油染みがつくなど、使う人が扱い方に気をつかう製品だったのだという。
「いかに気持ち良く、扱いやすく、安全で安心して使えるかにこだわって、あきらめずに天然素材のものをいろいろ試した結果、液体ガラス塗料で落ち着きました」。

ヘーベルハウス品川シーサイド展示場のダイニングテーブルで撮影した輪花盆のアップ

自然の恵みを享受するからには、最後まで自然のものを使いたい。四十沢さん夫妻が守っていることはシンプルながらも、そう簡単に真似できるものではない。だからこそ、使い手の心に響くのだろう。

オリジナル製品に対するニーズの高まりにともない、新しい製品開発への思いが強まった四十沢さん夫妻は、2019年に手工業デザイナー大治将典氏をブランディングディレクターとして迎え、「木といっしょに日常を過ごせるように」と名付けた「KITO」シリーズと、幼児用食器として使ったあとリメイクして大人になっても使い続けられる木の器シリーズ「ara!」を発表。木製品の魅力をさらに幅広い層の方に知ってもらえるようになった。

ヘーベルハウス品川シーサイド展示場のダイニングテーブルで撮影した四十沢木材工芸のara!シリーズ

工房で木を削りリメイクすることで、大人用としても楽しめる食器ara!シリーズ

木と暮らす豊かな生活

ヘーベルハウス品川シーサイド展示場リビングテーブルに置かれた四十沢木材工芸の輪花盆

オリジナル製品を生産していると、これまでの木地屋では経験できなかったお客様とのコミュニケーションも生まれるようになったと葉子さんは語る。

「購入してくださったお客様からメンテナンスのご相談や、使用してみてのご感想をいただくことも日々増えています。直接ご連絡いただき、『母の日のお祝いにずっとこれを買いたいと思っていた』とか、メンテナンスのやりとりのなかで『子どものお食い初めに“ara!”を買いました』という話を聞くと、オリジナル製品を作って本当によかったと思いますね。

この前も、『大事に使っていたお盆を割ってしまった子どもが、『大切に育てられた木で作られたお盆なのに……』と、すごく落ち込んでいるから直してほしいんです』というご相談があったので、そのお子さんの思いにも応えたくて綺麗に直してお戻ししたところです」。

メンテナンスをするために預かったお盆を見ると、シミや傷ができても大事に使ってくださっていることが伝わってくるという。

ヘーベルハウスLONGLIFE IS BEAUTIFUL インタビューに答えるやまやコミュニケーションズ代表取締役社長 山本正秀

「長い年月をかけて育った貴重な木の価値と魅力を感じて大切に使ってくださる方がいると、私たちと同じ思いを持っていると感じられて本当に嬉しくて。だから木の価値をもっと伝えていきたいんです。」。

直径30センチほどのお盆を削り出すには、樹齢100年ほどの太い木が必要なのだと宏治さんは語る。時間をかけて成長した木を使い、丁寧につくりあげられた製品。日常の暮らしに取り込むことによって、その貴重さ、木の魅力に気づく人は着実に増えている。

貴重な木の価値を、未来へつなぐ

四十沢木材工芸が作るオリジナルシリーズの素材は、ケヤキ、トチ、桜、栗など堅い材質の広葉樹がほとんど。しかし日本で植林された樹木は建築用の針葉樹が多く、広葉樹の希少性は高まる一方だ。そんな貴重な木の価値を知ってもらうための取り組みも考えはじめている。

「父が買った山があるのですが、やはり針葉樹だらけで。私たちが今の仕事を続けられるのは、100年以上の時間をかけて育った広葉樹があるおかげですから、次の100年に向けて自分の山にも広葉樹を植えるつもりです」。

ヘーベルハウスLONGLIFE IS BEAUTIFUL 四十沢木材工芸が守る山

とはいえ、広葉樹の植林のノウハウはまだ確立していないため、研究段階なのだとか。それとは別に木の価値を伝えるため、「お客様を山に連れていきたいんですよね」と笑ってこう続けた。

「木を眺めながら珈琲を一杯飲むだけでもいいなと思っているんですよ。まずは山を知ってもらって、どういう環境で木が育っているのか知ってもらいたいので」。

そう語る四十沢さん夫妻にとってのLONGLIFEとは?「一人でも多くの人に木の魅力を伝え、私たちの製品を末永く使い続けてもらうことですね。100年かけて育った木の命を、手を加えることで違う形にして生かしていく。そして、最後は土に還って、100年育つ木を作る、そんな循環を作れればいいですね。そのためには、まず私たちが大切な資源である木を丁寧に扱い、仕上げた製品をお客様にお届けすることが大切だと考えています」。

ヘーベルハウス品川シーサイド展示場そらのまで、四十沢木材工芸の帯ノコ盆に置いたコーヒーカップをとる様子

丁寧な製品づくりを続けていくためには、若者が減っている輪島で技術継承者を育てる必要もある。オリジナル製品を展開したことによって、横浜や岐阜から移住してきて四十沢木材工芸に就職する若者もいるそうだ。

木という素材が生活にあることが当たり前だった頃から時を経て、素材の多様化にともない、現在では室内にまったく木製品がない人も少なくないという。その一方で、木の魅力にもう一度気づきはじめている人も増えている。四十沢さん夫妻の、100年の木の歴史を、未来の100年へつなぐ取り組みはまだはじまったばかり。木の魅力を知り尽くした四十沢木材工芸の製品で、これからもっと多くの人が木と共に暮らす幸せを知ることだろう。

四十沢木材工芸:
https://www.aizawa-wood.jp/

2023年10月16日オープン 工房に併設した“Gallery & Shop”

2023年10月16日オープン 工房に併設した“Gallery & Shop”
ヘーベルハウス品川シーサイド展示場の外観

ヘーベルハウス 品川シーサイド展示場

  • ■住所:東京都品川区東品川4-4-7(駐車場完備)
  • ■アクセス情報
    りんかい線「品川シーサイド駅」徒歩4分
    京急本線「青物横丁駅」徒歩7分
    ※営業時間等についてはお電話にてお問合せください。
  • ■旭化成ホームズ(株)
    東京南支店 営業課 03-5843-4206
  • ■HP: https://www.asahi-kasei.co.jp/hebel/model/detail/view/?mhid=1821

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