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ヘーベルハウスLONGLIFE IS BEAUTIFUL オゼキのロゴ

ゆとりのある暮らし

巧みの技術で安らぐ光の空間を。
オゼキが未来へつなげる伝統美

ヘーベルハウス新宿示場のリビングで撮影したオゼキのAKARIシリーズ「AKARI 33N+ST2 イサムノグチ アカリ フロアスタンドラ
イト」

リビング・ダイニング寝室・子ども部屋和室玄関

美濃地方の豊富な竹を細く割って削りだしたヒゴに、薄く質の高い和紙を張り合わせ、草花や風景画を絵付けした美しい岐阜提灯。江戸時代に生まれたといわれる伝統工芸を、オゼキは創業から130年以上守りながら、和紙と光の魅力を追求し続けている。その提灯にヒントを得て彫刻家イサム・ノグチがデザインし、共同で製作した和紙照明「AKARI」シリーズは、今でも世界中で愛されるロングセラーだ。和紙を通したあかりの魅力や可能性を広げてきたオゼキが考えるLONGLIFEとは何か。5代目の尾関守弘さんに話を伺った。

技術の革新と共に発展した岐阜提灯

オゼキが創業したのは1868(明治元年)年のこと。最初は雑貨屋を営みながら岐阜提灯も販売していたと尾関さんは語る。

「創業してまもなく、提灯の需要が高まっていったので、販売だけではなく製造も始めました。当初は種類も少なく、安価で素朴な物でしたが、東海道線をはじめとした交通網の普及で多様なニーズが増え、品質の向上や生産工程の改善が急務となったんです。これまでは、提灯の形を決める張型と呼ばれる木型に、丸めたヒゴを1本ずつ掛けていましたが、らせん状にかける技術の発案により、効率的に提灯を作ることができるようになりました。また、一流画伯に下絵を依頼するなど新しい試みが数々行われ、装飾的価値のある優美な製品が生産されるようになりました」。

ヘーベルハウスLONGLIFE IS BEAUTIFUL オゼキ昭和初期の絵付作業風景

写真提供:株式会社オゼキ

1893年にはアメリカ・コロンブス博覧会でも岐阜提灯は高く評価され、さらに注文は増えていく。ここでも大きな技術革新があったという。

「この時代の提灯絵は全て手描きであったため、大量注文によって納期が遅れることが明白でした。そこで発案されたのが、『摺込絵(すりこみえ)』と言う技法です。版画に近い技術なのですが、絵師や図案家によって図立てされた原画をもとに版下をつくり、下絵を彫った伊勢型紙*で和紙に色彩を摺り込み、その絵紙を張り上げるのです。高級品になると、この型紙が増えてより繊細な色彩を表現できるようになります。この技法によって大量生産をしながら、従来の肉筆に迫る美しい表現を可能にしたんです」。

*伊勢形紙は、着物などの生地を一定の柄や紋様に染色するために使われる型紙のこと

ヘーベルハウスLONGLIFE IS BEAUTIFUL オゼキ 摺込をする様子

写真提供:株式会社オゼキ

需要と共にさまざまな技術革新をおこなってきたオゼキの岐阜提灯は、着実に全国に広がった。1928年の天皇即位式典では、足が付いた置き型の提灯「大内行灯(おおうちあんどん)」が、その品質の高さから献上品に選ばれるようにもなった。しかし、岐阜提灯は全国的に普及していくようになったが、お盆やお祭り、いわゆる記念行事用が中心であった。そんな中、転機が訪れたのは1951年のことだった。

提灯の新たな魅力を見いだしたイサム・ノグチとの出会い

1951年6月、長良川の鵜飼見物で岐阜を訪れていた彫刻家のイサム・ノグチ。滞在中に岐阜提灯の繊細で美しい形状、そして和紙を通した柔らかい光に感銘を受けた彼は、当時の市長の計らいでオゼキの工場を訪れたのだ。

「イサム・ノグチ先生は、提灯のつくりかたをひととおり見た後、すぐにご自身で発泡スチロールを輪切りにしたものを組み合わせて、どういう形にするかいろいろ試されていました。そして翌日の晩には2つの新しい提灯のデザインをつくってしまわれたのです」。

その新しい提灯のデザインは革命的だったと尾関さんは語る。

「先生の考えた提灯は従来の概念とまったく異なりました。和紙を透かした柔らかい光を求めるだけではなく、その光がつくり出す形の美しさを考えられたんです。ヒゴの間隔を変え、それによってできる和紙の陰影を活かすという我々が考えもしなかった技法でした。そして、納得できるまで何度でもつくり直す。職人たちも先生の厳しい要求になんとか応えようとする。先生との出会いがまた新しい技術革新を生み出したのです」。

イサム・ノグチのデザインへのこだわりとオゼキの高い技術力でできあがった照明をイサム・ノグチは「AKARI」と名付けた。

ヘーベルハウス新宿示場のリビングで撮影したオゼキのAKARIシリーズ

「明(あかり)という漢字は、日と月を組み合わせたものですよね。何よりも自然を愛した先生は、和紙を通したやわらかい光が、太陽や月のあかりと同じように、自然で心安まるものになって欲しいと願ってこの名前をつけたと聞いています。『AKARI』は光そのものが彫刻であり、影のない彫刻をねらった作品であるとも語ってくださいました」。

ヘーベルハウス新宿示場のダイニングで撮影したオゼキのAKARIシリーズ「AKARI 71311 37D+COAコード」と「AKARI 75000 1A」

「AKARI」シリーズは、その美しさから芸術作品として海外の展示会を中心に高く評価された。それでも、日本での売れ行きはまだまだ芳しくなかったという。

自分の空間をつくる、やわらかな光を

「日本では直接照明が多く、明治以降は明るければ明るいほど良いという考えでした。そのため、『AKARI』シリーズは、間接照明を日常的に取り入れる海外での需要は高かったのですが、日本での普及はなかなか進まなかったんです。ただ先生は特に気にされることもなく「和紙のあかり」の価値を信じ続け、我々も先生と一緒に作り続けました」。

ヘーベルハウス新宿示場の寝室で撮影したオゼキのAKARIシリーズ「AKARI 75023 1X」

「AKARI」シリーズが日本で浸透し始めたのは1970年代以降。高度成長期を経て日本人の暮らしが豊かになってからのことだった。百貨店やインテリアショップでの常設展示が始まり、店舗や住宅を設計する建築家に選ばれるようになり、徐々に、そして確実に広がっていったという。

「ライフスタイルが変化し、豊かな時間を過ごしたい、自宅で過ごす空間を大切にしたいと思う人が増えたのだと思います。心安らぐ空間で過ごしたい人たちに『AKARI』の和紙を通した光のやわらかさがちょうど良かったのでしょう」。

岐阜での出会いから実に20年以上の時を経てようやくイサム・ノグチとオゼキでつくりあげたあかりが一般の家庭に届いたのだ。今では『AKARI』シリーズはインテリア照明の定番となり、オゼキの代表作ともいえるほどのロングセラーに成長した。

ヘーベルハウス新宿示場の寝室で撮影したオゼキのAKARIシリーズ「AKARI 75015 22N」

ライフスタイルに新しいあかりを灯したオゼキは、さらにその裾野を広げ、次世代につなげようとしている。

「核家族化が進んだ社会で、若い世代がお盆や地域の行事を経験する機会が減っています。そこで、伝統工芸品としての提灯や和紙のあかりの魅力を知ってもらうために開発したのがレター提灯です。大切な人に気持ちやメッセージを伝えたいとき、カジュアルな気分で絵や言葉を描いて贈ることができるので喜ばれています」。

ヘーベルハウス新宿示場の寝室で撮影したオゼキのレター提灯

子どもの命名を書いて記念にしたり、母の日や父の日に感謝の言葉を書いて贈る。提灯を通して、人と人、家族のつながりをつくっている。

人の想いが宿る提灯の伝統文化を、次世代へ

提灯は、故人や先祖が精霊となり現世へ訪れる際の目印として、元来、人の想いを込める物。伝統的な岐阜提灯、「AKARI」シリーズ、レター提灯、形をかえながらもその想いを大事にするオゼキにとってのLONGLIFEとは何かを問うと、尾関さんはやわらかい笑顔で答えてくれた。

ヘーベルハウス新宿示場の寝室で撮影したオゼキのAKARIシリーズ「AKARI 75000 1A」

「提灯のあかりは、自然の中にいるような心の安らぎや落ち着き、解放感を求めている人に味わっていただきたいですね。和紙を通した光の魅力はもちろん、人の想いが宿る提灯の伝統文化を、もっと多くの人に知ってもらって次世代につなげていくことが、私たちの役割だと思っています。その努力を絶え間なく続けていくことがLONGLIFEにつながるのだと思います」。

どんなに時代が変わろうとも、人を想う心、自分を想う心に、やさしい光で寄り添うオゼキの提灯のあかり。その光は未来も明るく温かく照らし出してくれるだろう。

オゼキ:https://www.ozeki-lantern.co.jp/

ヘーベルハウス新宿展示場の外観

ヘーベルハウス FREX4 ハウジングステージ新宿

  • ■住所:東京都新宿区百人町2-2-32(駐車場完備)
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