住まいに緑を、暮らしに潤いを。

リビング・ダイニング中庭・バルコニー・屋上半屋外空間玄関

“緑のある素敵な暮らし”に憧れる人が増えている。その火付け役のひとつが、植物を軸にオフィスや店舗の空間プロデュースを手がけるSOLSO（ソルソ）だ。法人向け事業からスタートし、生活者向けの実店舗を展開、さらには自社ファームまでをも運営する彼ら。その原動力はどこにあるのだろう？同ブランドのグリーンプロデューサー・増田晃さんに話を聞いた。

植物をもっと身近に

「SOLSOを立ち上げた当初、私たちは主に店舗やオフィスに全国から仕入れてきた植物を使用して空間コーディネートのお手伝いをしていました。ターニングポイントとなったのは、とある雑貨店。『お店の素敵な世界観を自宅にも取り入れたい』『こんな空間で暮らしたい』という声を聞くようになりました。同時に『でも、どこで購入すればよいかわからない』との声も。もっとたくさんの人に植物の魅力を届けて、緑のある暮らしを楽しんでもらいたい。そんな想いから直営店のSOLSO FARMをオープンしました」。

お店では多種多様な植物を取り扱いながらも、水やりや剪定方法など植物の特性についてひとつひとつ丁寧に教えてくれる。きめ細かなサービスも追い風となり、植物を暮らしに取り入れる人はどんどん増えているようだ。

「上京して一人暮らしをはじめるタイミングで植物を購入される学生さんや、一戸建てを建てる際にシンボルツリーをお求めになられるご家族など、ライフステージやライフスタイルの変化にあわせて植物を購入される方も多いですね」。

配置を考えることも楽しみのひとつだ。たとえば、リビングから望む大きなベランダには、季節によって花や実をつける植物を。十分な広さを持つベランダを備えた住まいなら、都心にありながら四季を感じられる、ちょっぴり贅沢な暮らしを味わえそうだ。

なかには「新しい植物をお迎えしたいのだけど、何が良いかな？」と部屋の写真を見せてくれる常連さんもいるのだとか。空間コーディネートの知見が豊富なSOLSOらしいコミュニケーションだろう。

「暮らしにおける植物はインテリアとしての役割が大きいですが、人は本能的に自然を求める生き物なんです。バイオフィリックデザインという言葉が世の中の関心を集めるようになりましたが、振りかえってみると、私たちは暮らしにおける植物の必要性を提案し続けてきたように思います」。

時代にあわせて変化する植物の役割

暮らしと植物の関係性は時代にあわせて移り変わる。コロナ禍においても暮らしにおける植物の役割に変化があったという。

「外出が制限され自然に触れる機会が減り、自宅で過ごす時間が増えたことで、植物は単なるインテリアとしてではなく、より良い環境づくりのためのツールになりました。家族と過ごす空間に癒しやリラックスを求めたり、在宅ワークで集中力を保つために取り入れたり。無意識に抱えていたストレスやフラストレーションを軽減する目的もあったかもしれません」。

毎日の水やりや、日当たりにあわせた場所の移動、ときにはベランダで鉢を植え替えるなど、植物と向き合う時間は忙しい毎日にちょっとした安らぎを与えてくれる。

なかでも特徴的なのが、コミュニケーションツールとしての役割だ。

「外に遊びに行けない子どもと一緒に植物を育てることが、家族間の良い潤滑剤になるという声も聞きますね。たとえば、野菜やハーブなどのエディブルプランツを育てれば、成った実や葉を摘んで親子一緒に調理することも」。

キッチンから見通せるリビングに、レモンやハーブなどのエディブルプランツを置いてみる。キッチンからの「レモン1個とってくれる？」という声に、ソファでくつろぐ子どもからは「お昼何つくるの？」と弾んだ声。親と子の距離を縮める楽しい会話がはじまりそうだ。

自分が育てて摘んで作った料理は、きっとおいしい。家族で囲む食事もいつもより楽しい時間になるはずだ。インテリアとして住まいを彩りながら、ときには会話の主役となって家族をつなぎ、子どもの食育に通じるエデュケーションツールとしても活用できる。家族とその暮らしに寄り添ってさまざまな表情を見せる植物は、今後どんな役割を担っていくのだろう。

未来のために
「植物屋」としてできること

植物と長く付き合ってもらうために、10年後、20年後を見越したコーディネートを提案するSOLSOでは、植物の種類ごとの特徴を数値化し、データベース化することにも取り組んでいる。「大事に育てていた植物を枯らしてしまい、自分には向いていないと植物から離れてしまう人が少しでも減るようにIoTの力も借りてサポートできればと思っています。誰もが同じように植物を育てられる仕組みを提供していきたいですね」

植物をきっかけに環境問題への意識を高めてもらいたいとの想いから、サステナブルな素材を採用した鉢の開発も。「自然を守りつつ増やしていくために、植物屋の私たちにできることから貢献していきたいと思っています。そのためには、植物をもっと身近に、暮らしの景色の一部としてあたりまえにある存在にしていきたいですね」植物のある暮らしを、あたりまえに。SOLSOの取り組みは、世代を超える普遍的なライフスタイルの在り方を示してくれる。

SOLSO : https://solso.jp/
SOLSO FARM : https://solsofarm.com/