川口先生のペットコラム
旭化成ホームズ株式会社
Profile
ゾウの先生 川口 幸男

1940年東京都伊豆大島に生まれる。上野動物園飼育課を定年退職後、エレファント・トークを主宰。講演や執筆をしている。講演依頼は、メール またはFax 048-781-2309にお願いします。
NHKラジオ番組夏休みこども科学電話相談の先生でもあり、本編では長年の経験を踏まえて幅広く様々な話題を紹介します。
わんにゃんドクター 川口明子

日本獣医畜産大学卒業、同大学外科学研究生として学び、上野動物園で飼育実習後、埼玉県上尾市にかわぐちペットクリニックを開業する。娘夫婦もそろって獣医師で開業しており、一家そろって動物と仲良くつきあっている。
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おもしろ哺乳動物大百科
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・ヤドカリのすまい
・なんで眼(がん)つけているんだ!
・贅沢が好きな男
・ゴリラの頭とゾウの頭
・ブタもおだてりゃあ木に登る

動物の舌 2007.06.25

ヘーベルで建築した自宅は2世帯住宅で孫と同居でき快適だ。生後9ヶ月になる孫は、離乳食の好き嫌いがあり面白い。バナナやカボチャが好きでニコニコして食べていたが、おかゆをあげるとしかめっ面をして泣いて嫌がるのが傑作だ。何をしてもかわいく感じるのはジジゆえか。いやいや動物の専門家がそんなことを言ってはいけない。本能として、アンバランスの大きな丸い頭や柔らかくふっくらした肌、大きな瞳が、かわいい!抱っこしてあげたい!と思うように、祖先から長い期間を経て伝わってきたものだ。
いやはや、孫の話になるとつい脱線してしまう。

私たちの舌の役割は、味を判断し、嚥下し、口の中を掃除し、咀嚼し、そして、言葉やジェスチャーにも使われる。かつては味を感じる4つの味蕾は、酸味や塩味は舌の両側、甘味が先端、苦味は奥と言われていたが、今では喉や軟口蓋にもあり、一つの味蕾が2種類以上の味に反応するのがわかってきた。
自分の鼻を舐めることができる人はまれにいるが、イヌやネコはこのくらいの芸当は朝飯前、いや朝飯後でもする。キリンの舌は長く40〜50cmあり、この舌を木の葉に巻きつけ引き寄せて食べている。マレーグマの舌だって結構長い。マレーグマの好物は、蜂蜜だがシロアリだって食べる。蜜をぺろぺろと舐めるのに好都合だろう。

  南米に生息する長い顔のオオアリクイ
  南米に生息する長い顔のオオアリクイ
写真家 大高成元氏撮影
   
  オオアリクイが舌を出しているところ
  オオアリクイが舌を出しているところ
写真家 大高成元氏撮影
   

アリつながりで言えば、なんといってもアリを捕まえては哺乳類中第一の名人、オオアリクイにはかなわないだろう。オオアリクイの口は、長く伸びた顔の先端部分に1〜1.5cmくらいの小さな口があり、そこから50〜60cmもある長い舌が出てくる。この舌からは粘液が出でいてネバネバしているので、アリがくっつき易いのだ。しかも1分間に最高150回舌を出すことができ、1日ではおよそ3万匹のシロアリを食べると言うからすごい。

ネコとイヌの舌
ネコの舌に腕など何回もなめられると舌の表面がザラザラとしているのが痛く、止めてくれと言いたくなる。これは獲物の骨や皮に付着した肉片を舐め取るためという。また、夏の暑いとき、舌で腕や体の毛を舐めて水分を付着させて蒸発するときの気化熱で熱を下げる働きもしている。
犬の舌は人間の舌のような感じだが、やはりペロペロと舐める。この舐める行動は多くの動物に見られるが、毛の手入れと共に、舐められると気持ちが良いのだろう。親が子どもを舐めれば子どもは精神的に落ち着きストレスが解消する。

海辺育ちの私は、イカやカツオの塩辛、塩サケなど好物のひとつであったが加齢と共に塩分控えめで食べられない。その上、なめるようにかわいがって育てた娘たちも成人し、近頃は私に、ジジになった人は小言をひかえめにだって。

メダカの飼い方 2007.05.29

♪ カエルの歌が聞こえてくるよ、ゲ、ゲ、ゲ、♪〜
   ハイ!次のグループ
  ♪ カエルの歌が聞こえてくるよ ♪〜なんて輪唱楽しかったなー。
以前住んでいた家の裏手に池があり、ある夜突然大合唱が始まった。始めは何事が起きたのか判らずびっくりしたが、正体がカエルとわかってほっとした。両生類の大家、上野動物園の山本洋輔先生に伺ったら、ニホンアマガエルは、クワッ・クワッ・クワッ・・・で、トウキョダルマガエルはンゲゲゲゲ、ンゲゲゲゲ・・・と鳴くそうだ。ウ〜ン あのときのカエルはどっちだったんだろう。
また、歌詞は、「やがて手が出る、足が出る」だが、実際先に外に出ているのは後足だけ、前足はえらぶたの皮膚の下に隠れて見えないそうだ。事実は面白いね。
ところで、カエルたちは今や受難の年だ。新聞でもたびたび取り上げられているが、カエルツボカビ病が流行して、世界各地で野生のカエルが大きな打撃を受けている。日本国内で野生のカエルはまだ発生していないらしいが、もし感染したら絶滅の危機になるらしい。新たにカエルやオタマジャクシはツボカビ病の安全宣言が出るまで飼わないことだ。

  メダカの張り紙
  メダカの張り紙。けっこうほしい人がいるけど、どうも水槽の準備はしていない人がいる。
 
  循環ポンプがなくても、こんな簡単な方法で飼える。これに水を入れ数日放置してからメダカを入れる。
 
  我が家の水ガメにいるメダカ。

夏が近づくと毎年「メダカあげます」の張り紙が病院の入り口に張られる。
そこで、簡単なメダカの飼い方を説明しよう。

1 水槽の準備をする
室内で飼うときはきれいな水槽で楽しめば良いが、我が家では、庭の片隅におおきな水ガメを置いてメダカや金魚を飼っている。
水ガメには、赤玉土を日光消毒した後で底に5〜10cm敷き、次に水草や石、貝なども洗って適当に入れてから水道水を入れ、一昼夜以上放置してからメダカを入れる。この方法の利点は、水を換えなくとも、蒸発し不足した分、水道水を一日汲み置きして足してあげれば済むことだ。夏は日陰が良いのは生き物共通のことだ。当たり前だがメダカをもらうときは、数日前から水槽の準備をしておくことが肝要だ。

2 餌
動物を飼うときは餌で苦労するものだが、メダカの餌はお店でも売っている。大きな水槽で藻が付着し水草があれば、微生物が繁殖するのでメダカが小さいうちは餌をやらなくても大丈夫だ。1cm以下の稚魚は親に食べられるから同居させない。今の時期なら朝夕2回、または一日3回残餌が出ない程度をあげても良い。

3 水草を上手に使う
水草は水の浄化、産卵場所、メダカの餌などにもなる。ホテイアオイは日陰にもなる。マツモ、金魚藻なども入れればメダカもきっと元気に育つと思う。 
今回、簡単にメダカの飼い方を書いたが、違う種類の魚や珍しい熱帯魚などでは水の管理をはじめ、全ての面で細かい注意が必要だ。

そうそう、もし飼っているカエルが死んだら、保健所や獣医師さんにどうすれば良いか聞いた方がいいよ。みんなで協力してカエルを絶滅から守ろうよ。

動物の歯 2007.05.18

キューンという歯を削る音は子どもたちに歯医者への拒否反応をインプットしていたね。私の場合、美食家ではないが、歯の手入れ不足が災いして年相応に再び歯医者通いだ。しかし、最近の歯医者さんは上手だね。ホント痛くないから早めに行った方がいいよ。

 
 

こんな犬歯で噛まれてはたまりません。
写真家 大高成元氏撮影

歯は動物によって生え方、本数、形、働きが違う。一般に、肉食獣、草食獣、雑食獣の3つに区分できる。

肉食獣の場合、餌を捕るときの武器の役割も果たしている。鋭い犬歯で獲物に致命傷を与えたり、喉を強力なあごの力で噛み窒息死させたりしている。咀嚼はしないので、獲物を飲み込める大きさまで切断するときに犬歯が役立つ。

草食獣は草が主食だが、草や葉をそのまま飲み込んだのでは消化が悪い。草には硬い繊維質がありバクテリアの力を借りて分解し栄養としている。バクテリアが分解するには、草をできるだけ細かく砕きバクテリアが取っ付き易くする必要がある。ゾウは乾草を25回くらいよく噛んで飲み込む。牛のような反芻動物は、一度胃に入った草をも一度口に戻し、噛み直し細かくしてから胃に送るので、草の消化率が高い。

雑食獣の最たるものは、人間だがクマもそうだ。人間も食べ物を良く噛んで飲み込めば消化が良く、噛まないで飲み込む人は、消化率が悪いのは当然だ。ちょうど肉食獣と草食獣の中間にあるので、イヌやネコより牙が鋭くなく、ウシやウマより臼歯が強くないが、どちらも使えるところが強みだ。

もう少し全般的なことを紹介すれば、アリクイのように歯が必要なく退化しているもの、カンガルーのように一生同じ歯を使うもの、人間のように乳歯から永久歯に生え変わるもの、ゾウのように一生の間に、5〜6回生え変わるものなど多様だ。

また、乳歯から永久歯に生え変わるとき、人間やサルの場合、乳歯の下から永久歯が萌芽してくるが、ゾウは後ろから前方に歯を押し出すようにして生えてくる。このため、古い歯は歯根部から離れるので、離れた部分は強く噛むと欠け落ちてしまう。人間のような交換の仕方を垂直交換、ゾウのような交換の仕方を水平交換という。

徳川三代将軍家光の兵法指南役、柳生飛騨守宗冬の墓から木製の上下総入れ歯がでた。日本ではすでに江戸時代初期に入れ歯の技術が開発されていたことになる。上野動物園ではロバに入れ歯を作った記録がある。戦功馬として、老後を上野動物園で過ごすために寄贈されたロバで、一文字山の戦いから「一文字号」と命名されていた。このロバは1963年、29歳のとき満足な歯は上下各1本になってしまい、歯医者の石上健次先生の協力で入れ歯を作った。この入れ歯はとても良くできており、ロバは再び草をもりもり食べたそうだ。
 
私はまだ総入れ歯までいかないが、将来このロバのような立派な入れ歯を歯医者さんに作ってもらおうっと。

バードウイーク 2007.04.27

ツバメが狭い病院の診療室を我が物顔で飛び回っている。保護したツバメを野生に戻す訓練をしているのだ。始めは部屋の中を一回りすると疲れるらしくすぐにどこかにとまってしまうが、日が経つにつれて少しずつ飛ぶ距離が長くなる。3羽も飛行訓練が始まるととんでもないことが起こる。

何がおこるかと言えば彼らの糞の始末だ。1〜2時間毎に給餌しているが、採食後数分から30分も経てば排泄をするのだ。ツバメが便秘で3日も排便がない、などありえない。国内の野鳥が便秘だ、なんぞ聞いたことがない。便秘の話は別として、食べるとすぐにあたり構わず落とすのでその始末が大変なのだ。はじめは排泄する度にティシュ・ペーパーでふいていたが、とても間に合わないので、病室の家具や器具に全てシーツなどをかぶせて被ってしまった。これなら拾い残しもなく毎日洗濯をすれば清潔に保てるので良いのだが病室が異様な雰囲気となった。
やがて窓を少し開けておき蚊や虫が室内に入ってくると飛びながら捕らえて食べるようになる。ここまでくれば放鳥の準備完了となる。

保護したムクドリ

 


放鳥はふだんツバメの集まる河川敷の様な所で行う。一直線に飛び立って行くときはほっとするが、すぐに近くの木に止まるときは心配でどうなるか確認するまで動けない。仲間を見つけ飛び立って行ったときは良かったと思う。これで一段落だ。

現在野鳥の会では、ポスターで野鳥のヒナは拾わないで、とキャンペーンをしている。
雛を拾わないで、とお願いしている理由は大きく2つある。

(1) 野鳥は巣立ちしても雛が親のように飛べるには練習が必要だ。疲れて地上に降りてうずくまってしまう雛もいるが、大概近くに親がいて心配しながら雛の様子を伺っている。このとき人間が雛を拾ってしまうと、親は雛が人間に捕まったと思うことだろう。人間の親切心が飛行訓練の邪魔をしているのだ。これがもっとも大きな理由だ。

(2) 野鳥のツバメやスズメ、ムクドリなどは1年の繁殖シーズンで1回に4〜5個の産卵を3回くらい行う。1年ですべて成長すれば、15羽くらいにもなる。実際にはこのように数多く繁殖する動物は外敵も多く、繁殖できるまで成長するのはわずか1〜2割で、残った生存個体が子孫を保っている。このように弱い動物たちは、死亡率の高さを数多く生むことで調整しているのだ。


人間が共同生活する上でやさしさは大切なことだ。それは相手が動物であれ、人間であれ同じだ。ただし、野生動物を相手にするときは、自然の摂理を踏まえた上でかれらと接することが大切だ、ということを理解してほしい。

私は自宅で、目の見えないムクドリの世話を13年間続けた。ネコがすぐそばで狙っていても見えないことが幸いし知らん顔で餌をついばんだり、水浴をしたりしてのんきに過ごしていた。現在は犬に噛まれ片羽を失って7年目を迎えるヒヨドリと、飛べなくなったスズメなど放鳥できない鳥の世話が私の担当だ。保護するには忍耐と根気がいる。

家づくりもそうかな?

スズメはいつの間にか慣れて手に乗っても平気になった。 50cmくらいしか飛べないので放鳥できない。

動物の頬袋 2007.04.12

よくばって大きな飴玉をほおばったのは良いが、口の中で自由にならずなかなか四苦八苦しているドジなやつ、いるよね。えっ私だけ、そんなことありません。

事実いたんだサル山のニホンザルに。ある日、頬袋に指を入れて中のものを引き出そうとしているサルがいた。朝から晩まで、ついには両手を使ってやっているのだがどうしても出てこない。何日経っても取れずにいるので、仕方なく捕獲して取り出すことにした。すると頬袋の中から出てきたのは食べ物ではなくプラスチック製のオモチャのゾウの頭だった。ゾウの長い鼻が邪魔をしていたのだ。ほんとうにえらい目にあったね。

ふつう頬袋に入った物は他人が取ることは絶対できないと思うでしょう。しかし動物の世界は例外だらけだ。

ある日、親子が並んで入園者の投げ入れる餌を待っていたところ、ピーナッツが子ザルの方に投げ込まれた。子ザルはそばに落ちたピーナッツをすかさず拾って口の中に入れた。その様子を見ていた母親はいきなり子どもの顔を引き寄せると、口の中に手を入れて頬袋の中に入っているピーナッツを取り出し自分で食べてしまった。子どもは悔しそうにキャッ、キャッと鳴いていたが母親は知らんぷり。まるで私の子どもに何をしようと勝手でしょう。子どものものは親のものと言っているようだった。もちろん他人同士ではこんなことはない。

ニホンザルの左あごの頬袋に食べ物が入り大きくふくらんでいる。
安全なところにいってゆっくり食べるのだろうね。 
写真は友人の写真家・大高成元氏

 

ところでサルの頬袋の大きさはどのくらいあると思いますか。その答を上野動物園の獣医師が出した。ニホンザルと近縁の体重10kgのタイワンザルが入院したとき計量したのだ。片方の頬袋に獣医師が風船を入れて膨らませ、そこに水を入れて計測したところ、130−150mlの水が入った。ちょうどりんご1個分くらいだ。この頬袋は全てのサルにあるわけではなくゴリラやチンパンジーはない。およそ200種類いるサルの中で頬袋を持っているサルはニホンザルをはじめ40種くらいだ。

動物たちは食物を蓄える方法をいくつか持っている。究極の方法はクマやジリスのように自分の体に脂肪分として蓄える。また、オオカミのように地面に埋めたりヒョウのように木の上に引き上げたりしておくものがいる。それから頬袋に一時ためる動物、サルやリス、それからハムスターの仲間にもためる種類がいる。


クロハラハムスターはハムスターの中では大型の部類だが、頬袋に食物をつめては巣穴に運び総量およそ90kgためるという。このハムスターは体重が110〜900gなので90kg集めるのは大変なことだが、頬袋があるお陰で約6ヶ月間の冬眠用に集めることができるのだ。さらに、クロハラハムスターの中には、泳ぐときに頬袋をふくらませて浮き袋の代わりにして泳ぐものもいるというから驚きだ。

人間だって頬を膨らませることがある。皆さんも経験があるだろうが子どもや○○がすねてほっぺをプーと膨らませることだ。これは食物を貯えることや、浮き袋にすることでもないので、人間独特の頬の使い方か。

 
春 新入生の季節 2007.04.03

小学校の評議員を委嘱され年に数回小学校に通うようになった。始業式や卒業式でちょっと緊張しているが元気いっぱいに振舞う新入生を見ていると思わず顔がほころぶ。人間はどうして学校に行くのだろうか、疑問に思う子もいるだろう。

動物たちは学校に行くことはないが、群れを作る種類、たとえばニホンザルなどでは、子どもたちが集まり遊んでいる間に体を鍛え群れのルールを学ぶ。この様子をサルの幼稚園と呼ぶ人もいる。群れを作らない動物は将来一人前になったときに食べ物が一人でとれ、外敵に殺されない方法を親から学ぶが、彼らは文字を使えないし、言葉も人間のような複雑な話し言葉ができない。トラやカバが自分の子どもたちに、昔話をしたり、近所の動物たちの話をしたら怖いけどね。ところが人間は、言葉や文字が発達したおかげであらゆることを文字や言葉で学び、その結果現代のように複雑な社会を形成した。


私は講演会で、
勉強がいやだとか、学校に行きたくないとか駄々をこねる輩はトラやカバと同じだ。とのたまわっている。人間が動物と一番違うことは、学校に行って勉強することだ。そして学校における共同生活は将来社会生活を送るときの練習場なのだ。
なんて偉そうなことを言っている。


さて、動物の親は、人間のように言葉で教えることができないので、子どもたちに見本を見せて食べられるものや、とり方、外敵からの逃げ方を教える。たとえば、猛獣の子どもたちは初めから他の動物を捕まえたり、殺したりできるわけではない。

子連れのチーターの母親は獲物を捕ってくると、子どもたちの前でまだ生きている獲物を放す。すると子どもたちは飛びかか るがすぐには殺すことができず、初めはじゃれあっていて、回を重ねるうちに殺し方を覚え、餌として認識するようになるのだ。

チーターの親子
チーターの親子
これから成長する間に大いなる試練が待っている。
ヤマアラシをご存知と思うが、もしトラの子どもたちが彼らを見つけ簡単に殺せると思い、前足で攻撃したとしよう。ところがヤマアラシの棘はチョット触っただけでも簡単に抜けてしまい、相手の手に刺さってしまう。そして、恐ろしいことにその棘にはごく小さな逆向きの返しが一面についているので、一度相手に刺さったら簡単には抜くことができない。棘が抜けなく片手が使えなくなったトラは獲物を捕ることはできず死を待つばかりだ。こんな様子を見た動物たちは次からヤマアラシを捕らえようとするときは、棘に触らないように十分に注意するだろうし、無理と思えば殺すことを諦めるだろう。私たちもかつてヤマアラシを捕まえるとき板でケージに追い込んだら、猛然とバックしてきて板に体当たりをした。すると板には棘が突き刺さっていてびっくりした経験がある。

動物の世界は厳しく、失敗は死に直接結びつくケースが多い。強い肉食獣といえども指1本の怪我は死に繋がるのだ。

四月、新入生たちは期待に夢をふくらませ入学し、また新社会人は社会に出て、新しい旅が始まるのだ。
祝 人間の新入生諸君!
動物の鼻 2007.03.20

桜の開花も間近。世界各地でさまざまな花があるが日本ではやっぱり桜が秀逸だ。花より団子では、と言われれば、それもありだ。今日の話は、花ではなく鼻だということは良くわかっている。
それにしても、アラン・ドロンのチョット鼻先が上を向いた感じは良かったね。クレオパトラの鼻がもう少し低かったら世の中は又違ったろう、など、人の顔もまた鼻で印象が変わる。美男美女は昔から鼻筋が通っているけど、私の場合途中で凹んでいる。残念だ。

動物の中で特別の鼻といえばやっぱりゾウだろう。なぜゾウが特別なのかといえば、彼らは鼻を、まさにサルの手と同様に使うことができるからだ。言い換えれば、4本の足と、1本の手を持った特別の動物とも言える。
ある日、竹ぼうきでゾウの放飼場を清掃していると、背後からゾウに竹ぼうきを取り上げられた。「コラッ何をするんだ」とあわてて取り返そうとすると、ゾウは竹ぼうきの柄を鼻で握り、ゆうゆうと背中を掻き始めた。まさに大きな孫の手だ。背中がかゆいときにちょうど手ごろの物を私が持っていたのでチョット貸してほしかったようだ。手ごろのものは木の枝でも、竹の幹でも何でも使っていた。

ゾウの鼻先
ゾウの鼻先はこんな感じ。
鼻先に突起がありこれでピーナッツもつまむことができる。


私が訪れたミャンマーやタイにおけるゾウの生息域は竹が多い。竹の食べ方を見ていると実に面白い。初めに葉の部分をしごくようにしてまとめて食べる。次に、細かい枝を折って一口大にして食べる。最後に太い幹を食べるのだが、幹は堅い表皮に被われているので、まず折って表皮の端を出す。それから表皮を鼻先で器用に掴んで引き剥がして中の柔らかい部分だけを食べるのだ。口の中に一口頬張っている間に、次に口の中に入れる分をゆっくりと確実に準備しているのだ。そのため鼻と口は休むことなく流れ作業のように動いている。
このほか、鼻本来の機能である匂いを嗅ぐことはもちろんだが、もうひとつ他の動物と大きく違うことは、水を飲むとき、一度鼻で水を吸い上げ鼻腔に溜めておいて、それから鼻先を口の中に入れてその水を噴出し飲むことだ。私がどのくらい入れることができるか計量したしたところ、成獣で7〜10リットルくらいは入った。ただし、母親からお乳を飲むときは、直接口で乳首をくわえて吸う。
このほかにも、大きな音を出したり、またあるときは強力な武器になったりするので、万能の鼻という人もいるくらいだ。

テングザルというサルがいる。ボルネオ島のジャングルに棲んでいるのだが、このサルの鼻が天狗に似ていることからこの名前が付いたのだろう。もっとも天狗自体は架空の動物で実在しないのだが、モデルはこのサルなのか、と考えるのは安易だろうか。雄は雌の倍くらいの体格で、鼻も大きく垂れ下がっている。雄の長い鼻は声を反響させるのに役立っているという報告もある。雌の鼻がツンと上を向いていてなんともかわいい。この鼻が好きだ。うーん 美女の条件をもっている。

 
テングザルの雄と雌
テングザルの雄と雌
鼻の形が雌雄で違う。雄は立派、雌はかわいい。
写真は、友人の写真家・大高成元氏
ヤドカリのすまい 2007.03.06

ヤドカリとカタツムリは殻の中に動物が入っているところが似ているらしく、同じ仲間ですか、と尋ねる人がいる。
ちがう!っていうの。
カタツムリは軟体動物、ヤドカリは節足動物だからかなりの違いだ。カタツムリはふ化したときから背に貝が付いている言わば持ち家派、一方、ヤドカリ、例えばケアシホンヤドカリはふ化するとゾエア幼生になりさらに数回脱皮してグラウコト幼生になる。そして再度脱皮して私たちが普段目にするヤドカリの誕生となる。そして自分の身を守るために空の貝を探しその中に入る言わば借家派だ。


屋上にヘーベルハウスのゾウがのり、ご近所でも評判となっている。

ヤドカリは成長に連れて住まいを換えているが、私も区画整理のために結婚後5回目の家が2月に完成し、引っ越したばかりだ。移転が決まった段階で、かみさんや娘たちとあちこちの住宅展示場巡りをし、たくさんの候補の中から選んだのがヘーベルハウスだ。
決め手は、今の世の中何時天変地異が起こるか分からないので、基礎がしっかりして、災害に強い家を選んだつもりだ。また、コマーシャルのゾウを見てエレファント・トークのトレードマークとも一致していたのも気に入り、自宅の完成後、ゾウのマスコットを屋上に上げて悦にいっている。

 そして早くも季節は3月、6日は啓蟄である。春を告げる虫たちが目覚めるころ、というが、暦の方が一足早いのが常で、ほとんどの虫は未だ地中や草・木の葉の陰で眠っている。しかし、今年は特に暖かいので、“春だー”とどんな虫が顔を見せるか注目したいものだ。
 虫だけでなく冬眠している動物たちも春の訪れを待っているだろう。冬眠する動物は、哺乳類全体でみるとおよそ6%、180種類くらいが知られている。日本で冬眠といえば、ヤマネやエゾシマリスが有名だが、実は一番多くの種類で冬眠するのは、コウモリの仲間で32種がいる。このほかにご存知クマがいる。私は動物園の現役時代にはクマの担当もしていた。日本に棲むクマは冬眠(冬ごもりともいう)するが、南アジアに棲むマレーグマや、中米のメガネグマ、それからホッキョクグマ、南方産のツキノワグマ、アメリカグマのそれぞれ雄たちは冬眠しない。理由は簡単、食物が手に入れば生きていけるからだ。
 もともと冬眠する理由は、冬になると食物が不足して生きていけないときの究極の方法といえる。ヤマネなど小型の動物は体温を維持するだけでも大変だが、大型のクマといえども食物を約半年もとらないで生きていくためには、冬眠前に蓄えた多量の脂肪を少しずつ消費し、厳しい冬を乗り切る。
 

そうそう、ヘーベルハウスを家のかみさんが選んだ理由は、我が家のペット・ネコのメメちゃんが自由に出入りできるドアがすでに開発されていたこともあったらしい。いまの世の中ダメ亭主よりかわいいペットの時代だ。
メメちゃんの専用ドア
ネコのメメちゃんは、専用ドアから出入り。
なんで眼(がん)つけているんだ! 2007.02.25

目は口ほどにものをいう、なんて昔の人は粋だったね。
いいねー、いい女に色っぽい目で流し目なんかされたらゾクゾクするね。
私の場合こんな経験はよくしたね。ふし目がちにチラリと私の顔を見ては、恥ずかしそうにうつむくのだ。
あなたに気があるんじゃあないかって。
それが違うんだ。私のことを怖いらしいよ。私と目があって隠れるときは、体の調子が悪いときの症状の一つだ。そう私の場合、もてた相手はサル山のニホンザル。こんなときは治療のため捕えられるので、なるべく私と目を合わさないようにしているのだ。
そう言えば宿題を忘れて先生と目が合うと指名されるから目をそらせた経験があるなんて人もいるね。
反対に、目を合わせるのは、相手に喧嘩を売っているようなものだ。サル山の中に入り成獣のサルの目をじっと見つめると、ガッガッと威嚇される。人間だって電車の中で他人の目を見つめていると、“なんで眼(がん)つけているんだ!”となる。例外のひとつは、恋人同士でこちらは相手を見つめても愛の表現となる。

ところでペットのイヌやネコの瞳を見たことがありますか?
ネコの瞳は、昼間明るい日差しのもとでは、柿の種のように縦に細長く伸びて目に光が入ってくる量を調整している。イヌの瞳は暗いときは大きく丸く開き、明るいときは丸いまま小さくなる。両種ともにフラッシュを使って撮ると、光が眼の奥にある反射板に反応して赤味を帯びて写る。

我が家のメーちゃん
我が家のメーちゃん
・昼間は瞳孔が細い
我が家のメーちゃん
・夜フラッシュでちょっと赤味を帯びて瞳孔が大きくなっている。


このように夜間撮影したとき、フラッシュに反射して目が赤くなる動物は、夜行性でわずかな光を増幅させて見るので夜も活動できる。夜活動するには色を見分ける必要がないため、彼らは白黒の世界に住むと考えられてきたが、最近では、ネコは赤と緑、青の区別や緑と青や黄色と青の区別ができたと報告している。また、イヌの視力はネコの半分くらいで、明るい光の下では赤はほとんど見えないようだ。
イヌは動いているものに対しては敏感に反応し、1.5km離れた羊飼いの手の合図を見分けるが、250m離れた所で動かないでいる飼い主に気づかない。

さて、ウサギの目は顔のどこについているか、じっくり見たことありますか。
顔の横に少し出っ張るように付いているでしょう。野生のウサギは肉食獣に追われて全力疾走で逃げるときでも背後から接近してくる敵の姿を捉えているのだ。
ウサギの視野はとても広く真後ろ以外は全て見渡すことができる。

お父さんの帰りが毎日遅くて目が赤い?私のお父さんは夜行性かだって。それは本人に訊ねてくださいな。

贅沢が好きな男 2007.02.10

私は贅沢が好きだ。
旅行するときは常に個室。いびきがうるさいだろうって。あたり!
長い距離歩くのは嫌いだ。年寄りで体力不足なんだろう。あたり!
不潔は嫌い。水洗トイレがいいなー。誰でもそうです、ってか。
案内を引き受けたOさんは、こんなわがままをすべて快諾。嬉しい。

まだ行き先を言っていなかったけど、実は昨年2月にミャンマーに材木を引っ張るゾウを見に行った。11月から2月は乾季で雨が降らない上気温も低く、ミャンマーを見学するにはちょうど良い時期だ。タイのバンコック経由でミャンマーに入り、車でゾウの活躍する山に向かう。

ゾウタクシーだけどね。 やっぱり。
山の中のホテルに到着。そこには床、壁、屋根、全て青い竹で作った8畳くらいの山小屋。
川口さん用の個室もありますよ。真新しい畳一畳半ほどの個室。これでは個室でもいびきはつつぬけ・・・。

トイレは20mくらい行ったところに用意しておきました。
案内されて行くと、竹で作った真新しい小屋内に浅い穴が掘ってあり、中に二つに割った長い竹が一本おいてあります。横にはバケツに水がいっぱい張ってある。用が済んだらバケツの水を流せば割った竹が樋の役目を果たし、沢まで流れていくっていうこと。

ウーンやっぱりこれは水洗トイレだ。
こんな贅沢をさせてもらって幸せだなー。
(断っておくがミャンマーの都会は、立派な建築が建っている。山の中の竹の家は材木を運搬するための簡易住宅と考えればよい)



背後に見えるのが竹で作った私たちの住まい

朝食は豪華な果物

ところで、人間は、空気中の酸素を吸って、血液中のヘモグロビンにのせ体内に配給し、その代わり不要になった二酸化炭素を引き取ってくる、いわゆるガス交換をしている。この原理は、動物たちはみな同じだ。

北米に住み大きなリスくらいのプレイリードッグは、地下に穴を掘り、穴同士が通路でつながった巨大な町を作ることで有名だ。かつては100万頭が住む地下の都市が存在したといわれる。穴の入り口は盛り上がっていて、風が吹くと盛り上がったところは空気圧が下がり、穴の中の二酸化炭素を吸いだすことで穴の中の空気を調節している。なんと簡単で合理的な方法だろう。

竹で作った家は通風にすぐれ二酸化炭素が充満することはないが、コンピューターで設計し、材木を刻み、組み立てる方法で作った家は、隙間のないいわば密閉状態だ。そこで問題は、プレイリードッグが行っている換気方法を、人間はどのように対応しているか知りたいでしょう。
それはですね、ムムム・・・。おっと、これはヘーベルハウスの方のほうが詳しいかも。

ゴリラの頭とゾウの頭 2007.01.31

夜中に初めて目の前でゴリラと顔をつき合わせたときはびびったぜ。
それは今から〜十年まえのことだ。上野動物園に飼育係として採用された直後、なんと夜警の一人が病気で入院して、まだ担当動物も決まっていない私は夜警に任命された。
夜警はいわば夜の飼育係(現在はいない)で、夜10時、朝2時と5時の3回、一人で園内を巡回し、動物に異常がないか、鍵をかけ忘れていないか見て回るのが仕事だ。

初めて夜警を担当した日、先輩と一緒にゴリラ、チンパンジー、オランウータンのいる類人園舎に入ったときのことだ。チンパンジーがケージの扉をゆすり、壁を強烈にバンバン叩くすごい音に肝をつぶした。そのとき先輩が、川口さん後ろを見てごらん、と言うので振り向くと、すぐ後ろののぞき窓から私をじっと見つめる雄ゴリラの巨大な顔があった。ここでアカンベーでもされれば私も慌てなかっただろうが、声も出さずジロリと一瞥された。私の倍もありそうな顔は貫禄十分で、恐ろしく一生忘れられない思い出だ。

雄のゴリラは雌に比べ頭のてっぺんが大きく盛り上がり、顔は全体に丸くここに強力な筋肉がある。どんな人間もかなわないほど強い咬筋、背筋、腕力を生み出している。

話は変わるが、一世紀前は野生ゾウがたくさん棲んでいて、ゾウ狩りが行われていた。ハンター目がけて突進するゾウの巨大な頭部を撃って仕留めるのだが、頭部に命中してもゾウは倒れず、そのまま突進され反対にハンターがお陀仏になった例が報告されている。頭部に当たっても肝心の脳に命中しなければゾウは倒せない。

実際、私の担当していたゾウの脳重量は約5kgであったが、5kgの肉の塊など大した大きさではない。頭の中央部にある30cmに満たない脳に命中させないと、ゾウを倒すことはできないのだ。

雄ゴリラ
こんな顔でジロリとされた。
写真は友人の写真家・大高成元氏

ゾウ
アフリカゾウの大きな頭
額の横幅が70〜80cmもある。

ゾウの頭部が大きい理由の一つは、長い鼻をつけるためのスペースを頭部に確保する必要からだ。鼻の根元で周囲約1m、長さは約2mある。こんな長くて太い鼻を自由自在に振り回すには、しっかりした筋肉が必要であり、その基礎となる頭が大きくなったというのだ。しかし脳がぎっしり詰まっているのではなく、頭骨の上の部位は中が空洞だらけの蜂の巣のような構造で巨大な頭部を軽減するのに役立っている。
このように見ていくと、ゴリラにしても、ゾウにせよデコボコしているところは、それなりの役割を果たしている。

ところで、ゴリラ、オランウータン、チンパンジーの頭蓋内容量は、400〜600ccであるが、ゴリラでは725ccあった記録もある。現代人では1200〜1500ccあるので、体重比から見れば、人間は圧倒的に大きいけど、脳重量が重いからといって頭が良いとか悪いとか言わないでほしい。
人間が余計なおせっかいをしなければ動物たちは今よりずーっと栄えていたのだから。

ブタもおだてりゃあ木に登る 2007.01.22

ブタもおだてりゃあ木に登るかって?
いやいやそんなことはできませんって。
もしブタが木に登ったら3日間私はブタを食べません。3日くらい食べない人はいくらでもいる。じゃあ1週間。

わたしはねえ、サーカスの人にも知人がいて、彼らのすごさを良く知っています。出来ないだろうなんて言おうものなら、どうすればやれるか工夫を重ねてやりかねないからね。それでもって、ビデオカメラで撮って送られてきたらどうするのよ。

そりゃあね、足はひづめ(蹄)で、踵には滑り止めもあるから、木に登るとき滑らなくて良いかもしれないけどね。足は地面を引っ掻くにはいいけど、登るのにはねえ・・・。
やっぱ3日にしておこうっと。

じゃあブタに真珠は?
そんな世の女性たちをあえて敵に回すようなコメントはしたくないね。

わたしは一応動物の専門家だよ。もっと専門の話をしようよ。

野生のイノシシの強そうなこと。あの鋭い牙でガーンと一突きされたらほんと当たり所が悪いとあの世の入り口までいきそうだ。
ところでブタは、今からおよそ1万2千年前中国でイノシシから改良して作り、現在では世界中でおよそ9億頭のブタを飼われている、家畜の中でも人気者さ。
イノシシだって美味いもんね。中国の人たちでなくても食べたいよね。
ブタとイノシシのちがい? 話が飛ぶね。
イノシシは3頭身、ブタは5頭身。ブタは美味しい肉がいっぱいついているんだ。今度写真を見て比べてごらん。
ところで最近は小さなブタをつくってペットにしている人もいるから驚きだ。
毎日シャワーを浴びせ、ブラッシングしたあと、ほんの少し香水をふりかける。迷惑だろうね。ブタの鼻は特別よくて、地下のトリュフ探しに使っているくらいだから。ブタ好みの香水があるように祈っているよ。
シャワーを浴びると肌がピンクに染まり、良い香りをふりまきながら革張りのソファでお嬢さんと一緒におやつを食べる。太りすぎに注意なんて無縁だ。
そうだ部屋はヘーベルハウスに頼めば、ペット用の特別室も注文できるかも。設計には相談に乗るよ。ただし、わたしは能書きだけね。
今年は我が家もブタをペットに飼ってみるか。そうだ家のかみさんイノシシ年だっけ。

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