脱炭素社会へ向けて

旭化成ホームズグループは、へーベルハウスによる自然の恵みを利用した設備の導入や自然を享受する住まい方提案、事業活動に伴うCO2の削減を通して、脱炭素社会の実現に取り組んでいます。

LCA*1・CO2削減貢献度の拡大

「LCA・CO2削減貢献度」とは、事業活動に伴う年間CO2排出量を分母とし、断熱性能や太陽光発電システムなどの環境配慮製品による年間CO2削減効果を分子として算出される指標で、その数値が高いほど貢献度が高いと見なされます。事業活動による環境負荷が小さくなり、製品提供による環境貢献が大きくなるほどこの指標は高くなります。
2017年度の貢献度は、目標値12.5にわずかに届かず、12.3となりました(昨年度実績:12.4)。ZEH普及率が25%と伸びた一方、改正FIT法の影響等による太陽光発電の伸び悩みや、物件大型化による解体系産廃増が影響を与えました。
今後も製品提供によるCO2削減を継続するとともに、事業活動によるCO2排出削減に努めていきます。

*1 LCA:ライフサイクルアセスメント。製品の設計・製造から廃棄に至る全段階の環境負荷を科学的・定量的に評価する手法。

LCA・CO<sub>2</sub>削減貢献度
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住宅の消費エネルギーゼロを目指して
ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH:ゼッチ)

ZEHビルダー認証マーク

ZEHビルダー認証マーク

家庭のエネルギー消費量を減らし、温暖化対策へ貢献するために、ハウスメーカーでは省エネ型住宅の開発が盛んに行われています。また、政府主導の下に新築住宅のエネルギー収支を0にする“住宅のゼロ・エネルギー化(ZEH化)”も進められており、2020年度までの目標が掲げられています。政府はZEHの基準を満たした住宅を建築する際に補助を行うという支援を実施しており、2017年度において、7,600件を超える採択がありました。当社においても2020年度70%を目指し、該当製品の開発やお客様への普及活動を行っています。
2017年度からは、2020年度までに自社が受注する新築物件のうち50%をZEHにするという目標を掲げたビルダーを登録する「ZEHビルダー登録制度」もスタートし、現在6,200件を越えるハウスメーカー・工務店が登録されています。

ヘーベルハウスのZEH普及の目標値と実績

年度 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
目標値 10% 18% 40% 60% 70%
実績 11% 25%

より高い断熱性能と、さらなる住みやすさを目指して

ZEH普及率40%に向けての施策

ZEHは住宅内のエネルギー効率を最大化させるために断熱性能を強化した住宅です。一方で当社のへーベルハウスは高耐久の住宅であり、その強靭な鉄骨の躯体と苛酷な環境に耐えるへーベル(壁材)をはじめ、さまざまな特徴があります。当社のZEHは、へーベルと高性能断熱を一体化させ独自に開発した二重構造(ダブルシェルター構法)の耐久型断熱を採用し、高耐久でありなおかつ、温暖化対策へ貢献します。また、すべてのモデルにこれらを採用することによって、さらなる普及を目指しています。
2018年度は、弱点であった開口部(窓)の断熱性能を向上させることによって、3階建て以上の建物についても標準的にZEHの基準を達成する住宅を販売します。
冬季に住宅から逃げる熱量の40%程度は窓からです。窓の断熱性能が向上することによって、不快なコールドドラフト*2や水周り空間におけるヒートショックを低減し、さらに健康で快適な空間の提供を実現しています。

ARIOS(アリオス)活用によりZEHをさらに住みやすく

ARIOSは建築前に住まいの日照・通風・夏の暑さ・採光などをシミュレーションすることができるツールです。設計段階において、自然と調和した室内環境の提案を行うために活用されてきました。お客様が選んだ旭化成ホームズからの「良かったアドバイス」において、半数以上が室内環境に関する提案となっており、お客様が室内の住環境を重要視していることが分かります。
2018年度はZEHの効果を見える化するため、高断熱・高気密住宅に見合った住環境や設備の提案ができるよう新機能を追加しました。それにより夏の暑さ・冬の寒さを確認できるようになりました。

(1)ZEHに対応した暖冷房(エアコン)の選定(図1)
(2)その証拠提示として家族の暮らしに合わせたエアコン稼働のスケジュールによる室温表示(図2)

図1:空調エネルギーコスト

空調室   冷暖房負荷 (従来)
LDK 定格 4.0kW 5.6kW×2
設備費 131,100円 382,400円
消費電力 461kWh/年 452kWh/年
電気代 11,064円/年 10,824円/年
洋室15 定格 2.2kW 2.2kW
設備費 77,700円 77,700円
消費電力 63kWh/年 63kWh/年
電気代 1,512円/年 1,512円/年

夏期には、高断熱なZEHでは室温の上昇を抑えるために日射対策が必要となります。ARIOSは、窓から入る日射量をシミュレーションに反映させ室温を画面に表示させるだけでなく、室温を快適に保つために必要なエアコンを選定するための情報も提供します。この機能により、必要十分な消費電力のエアコンを選定することができ、住みやすさを実現しながら省エネルギーにも貢献することができます。

図2:各階部屋温度表示

ストックヘーベルハウス累積棟数の推移ストックヘーベルハウス累積棟数の推移

ARIOSは邸別のシミュレーションが可能で、建物だけではなく周辺環境や地域別の気象条件を含めた結果が見えるようになっており、他社にはない当社独自のシステムです。設計したプランを邸別に計算し、快適な住環境に改善することができます。このように建てる前に暑さ・寒さを見える化し、住環境を考慮した住宅の設計を行っています。

*2 主に冬季、暖かい室内の空気が冷たい窓に触れて冷やされ、床面に下降する現象。

ロングライフプログラムに基づく維持管理状況

政府は2016年3月に公表した「住生活基本計画」の施策のひとつとして既存住宅が資産となる「新しい住宅循環システム」の構築を提唱しています。優良な住宅を維持し、長く資産として残すことが国の利益につながるという考え方で、これは同時に無駄な廃棄の削減にもつながります。
当社は従前よりへーベルハウスの基本性能を60年先まで維持する独自のメンテナンス・点検システム「ロングライフプログラム」を構築しており、政府の取り組み施策をすでに実現しています。また、さらなるロングライフプログラムの自社実施率向上を目指し、2020年度までの中期目標を策定しています。建物の資産価値維持向上のためには、定期点検の確実な実施が不可欠となります。この定期点検実施率を向上させるために、適切な時期にお客様へ点検時期のご案内を行い、その後も細やかなフォローを行っていきます。
2017年度の定期点検実施率は85.4%でした。2018年度は定期点検実施率90%、計画修繕実施率80%の高い目標を設定し、活動を進めていきます。
また、構造躯体だけでなく防水についても30年保証が実現し、ロングライフのサポートがさらに充実しました。

ストックヘーベルハウスの拡大状況

ストックヘーベルハウス累積棟数の推移

ストックヘーベルハウス累積棟数の推移

旭化成不動産レジデンスでは、1998年度からヘーベルハウスの既存住宅を対象とする中古住宅仲介事業「ストックヘーベルハウス」を展開しています。長期(現在は最長50年)にわたって建物を評価する独自の査定方法を開発し、特許を取得しています。 2017年度までに累計で2,437棟のヘーベルハウスをセカンドオーナーに引き継いできました。
ヘーベルハウスの中古住宅市場における流通量が増え、優良なストック住宅市場が拡大することにより、既存住宅の長寿命化につながります。またスクラップ&ビルドを控え、環境負荷の低減にもつながると考えています。

安心R住宅制度

2018年4月、優良な既存戸建の流通の促進を目指して国が進めてきた「安心R住宅制度」が本格的にスタートしました。既存住宅の「汚れ」「構造が不安」「メンテナンスの情報や資産価値が不明確」等といった不透明なイメージを払拭し、お客様が安心して既存住宅を購入できることを目指しています。
安心R住宅の基準は次のようになっています

(1)新耐震基準に適合
(2)インスペクションの結果、既存住宅売買の瑕疵保険の検査基準に適合
(3)リフォーム等の情報提供

安心R住宅には、国が定めたロゴマークが付与され、お客様の住宅購入のひとつの目安となります。
また、大手ハウスメーカーで構成される「優良ストック住宅推進協議会(スムストック)」は安心R住宅の第一号登録事業団体として登録されました。
当協議会に加盟する当社も、「ストックヘーベルハウス」の流通促進の仕掛けのひとつとしてこの制度を活用しながら、優良なストック住宅の適正な市場形成に取り組んでいきます。

旭化成リフォームの「エコリフォーム」

鉄骨とヘーベル版だけの状態にしてからのリフォーム

鉄骨とヘーベル版だけの状態にしてからの
リフォーム

昨今、既存住宅の環境負荷を低減させる「エコリフォーム」に注目が集まっています。旭化成リフォームでは、再生エネルギー関連商品など設備の提案、高断熱改装など住宅性能そのものの改善の提案をしています。2017年度は再生エネルギー関連として太陽光発電システム1,175棟、蓄電池80棟、エネファーム300棟が採用されました。また、長寿命の建物の性能をリフォーム工事で改善し建て替えのサイクルを長期化することにも貢献しています。内装を一新し、断熱材も更新する大型改装「リメイク」は170棟の実績がありました。今後も、さらに断熱性能を向上させ環境にやさしい高断熱住宅の実現を目指していきます。

現場の工期短縮によるCO2排出低減

施工現場ではCO2削減の取り組みとして工期短縮活動を実施しています。2017年度は工期の見直しを図りました。これまで営業本部ごとにばらつきがあった契約工期を見直し、全国統一基準を制定しました。この取り組みにより今まで以上に、施工部門では工期短縮に対する意識を高く持ち、活動に取り組むことができるようになりました。
また、施工力の無駄が無いように職方の空きや不足の情報交換を工事店単位から拡大し、工事課や営業本部単位で行うことに取り組みました。
さらに、大工によるキッチン取り付けなど複数の作業ができる人(多能工)を育てることにより、作業のできる工程を広げ施工力を有効に使用できるように取り組んできました。
その他、工具の作業効率化にも取り組んでいます。充電式丸のこを利用することによりコードを気にしない作業ができるようになり効率化が図れました。
また、Bluetoothで電源の入る集塵機により電源のON-OFF操作が不要となり無駄な時間を短縮することができました。このように効率化が図れる工具を職方に使用してもらい工期短縮を図っています。
これらの活動により、軽量鉄骨造の戸建工期は前年度比2日の短縮、重量鉄骨造の戸建工期は前年度比3日の短縮を達成することができました。
18年度はこの活動を推進し現場の工数・工期を削減することでガソリンや電力などのエネルギー消費量や廃棄物の排出量の削減を図っていきます。
また、現場への移動の車は軽自動車やハイブリッドカーを積極的に導入しています。現在施工部門で契約しているリースカー630台のうち、547台が軽自動車、9台がハイブリッドカーとなりました。今後も採用に積極的に取り組んでいきます。

工場におけるCO2低減活動

旭化成住工滋賀工場(省エネ法の第一種エネルギー管理指定工場)は、継続してエネルギー原単位(売上高比)1%以上削減の省エネに取り組んでいます。
2017年度のエネルギー原単位は、電力のピークカットを目的に2016年3月に設置し、4月より稼働したガスコージェネレーションシステム(都市ガスによる発電システム)の発電量増加(1,089MWh→1,113MWh)により、前年度比で3.3%の削減となりました。
また、CO2排出量原単位(売上高比)も、前年度比で2.6%削減しました。
滋賀工場および厚木製造部に設置している太陽光発電パネルは、昨年度の1年間で約930MWhの売電を行いました。引き続き太陽光発電など再生可能エネルギーのさらなる活用を検討中です。


ガスコージェネレーションシステム


K棟太陽光発電パネル

各製造ラインでは、計画的にエア配管の漏れ確認と修理を実施し、エアコンプレッサの負荷低減による電力使用量の削減を継続しています。
旭化成建材の各工場においては、オートクレーブ蒸気の回収使用やボイラーや電動機・照明器等を高効率化機種に更新することで継続的に省エネルギーへの取り組みを行っています。
旭化成ホームズ向け出荷量は対前年度比1.1%減でした。一方エネルギー原単位は対前年度0.5%減、CO2排出量は対前年度2.4%減となりました。

輸送活動における取り組み

物流を効率化することが、コスト削減とともにCO2削減にもつながる重要なミッションと考え活動しています。2017年度は、具体的な取り組みとして、以下を行いました。
  • 物流センターを従来の6カ所から7カ所に増強し、拠点から現場までの配送距離を短くし、少ない車輌台数で効率良く配送できる仕組みに変更(特にエリアが集中している都市部)
  • 在庫部材のうち、使用頻度が高く、嵩張る部材(4部材)に関して、各拠点に分散して在庫することで幹線便の効率化およびコスト削減に貢献
  • 現場からの持ち戻りを削減するため、データの見える化(開示)および配送時間の指定による荷受け人の調整
  • ハイブリッド車等の環境対応車の導入促進、大型車の積載率向上のための荷姿改善や部材の合積みの推進、トレーラー活用による車輌効率化、高速道路利用によるドライバー拘束時間の短縮
  • パレット利用による積込み時間の短縮、簡易梱包(梱包材削減)による産廃削減
これらの活動により物流CO2排出量は、棟数原単位で前年より若干の低減でした。(年度途中での変更のため)施工現場との取り組みとしては、新築現場で使用する約10万点の部材を工程に合わせて適時に適材を配送することによって、施工効率や品質向上に貢献しています。
また、物流の効率化と併せて安全・品質向上や改善活動にも力を入れています。毎月拠点ごとに当社と物流会社による会議を開催し、管理を徹底しています。さらに年2回、全国の物流拠点の責任者を集め安全会議を開催しています。その場では各拠点での効果が高かった取り組みを発表してもらい共有化を図り、また一定期間無災害だった拠点を表彰する等、啓発活動も取り入れています。
ドライバー不足・車輌不足に備え、まずは現状の勢力を維持すること、そのために何をしたらいいかを常に考えながら取り組んでいます。今後は、さらに少ない車輌台数で効率良く配送できる仕組み作りに取り組んでいきます。
ストックヘーベルハウス累積棟数の推移

安全会議の様子

  • あさひ・いのちの森
  • 自然に寄り添う暮らし しぜんごこちのくらし
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