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AsahiKASEI旭化成ホームズ株式会社


News Release  
 

平成23年9月13日
旭化成ホームズ株式会社

 
 
「当社マンション建替え事業における区分所有者の実態調査」について
〜再建に成功した各事例の詳細を調査〜
 
 
 旭化成ホームズ株式会社 マンション建替え研究所(所在:東京都新宿区、所長:向田 慎二)は、当社の携ったマンション建替え事例における、従前建物の区分所有者を対象としたアンケートを含めた実態調査を行いました。これまでマンション全般にわたる総合調査や管理組合等を対象とした調査はありましたが、実際に建替えに直面した個々の区分所有者を対象とした今回のような調査は初めてとなり、各事例における詳細なデータは大変貴重なものであると考えます。
 今回の調査は、当社が参画した立地も規模も築年数も異なる7つのマンション建替え事例における建替え決議時点での区分所有者を対象に、2011年5月に実施したアンケート調査と、その区分所有者に対する当社内の記録等を解析したものです。これにより各々に共通する特性や区分所有者の意向や不安などを抽出して分析することで、今後のマンション建替えに向けた活動をされる皆様に参考となる情報を提供することを目指しました。調査の結果、次のような事項が共通する傾向として確認できました。
1.  高経年マンションでは区分所有者本人の居住が減り、賃貸住戸や空家住戸が増える傾向が見られる。区分所有者の高齢化率も高くなる傾向が見られる。
2.
建替え前と建替え後の区分所有者の利用形態については、従前建物の内部居住率が高いマンションは、再取得率も高く、また従後の内部居住率も高い傾向が見られる。従前建物の外部居住率が高いマンションは、再取得率が低く、引き続き従後の外部居住率も高い傾向が見られる。
3.  建替えに際しての区分所有者の意識については、建替え検討時は「仮住まい・引越し」と「資金計画」「借家人の対応」に不安を持っている。建替えを決めた時期は「当初から」と「経済的条件が判明した時点」の割合が大多数を占めるが、「建替え決議当日」との回答も少数あり、最後の最後まで建替えを悩む人がいることが確認できる。建替え時期については「適当だった」「もう少し早い方がよかった」が大多数を占める。
 今回の調査対象となった事例は、それぞれ異なる課題や特性を持った事例であり、今回の調査データからも、合意形成に向けては物件特性に合わせた対応が必要なことが読み取れます。未だ事例サンプルが少ないこともあり、今後もこのようなデータの蓄積が重要と考えており、引き続き調査活動を実施して情報発信にも努めて参ります。なお今回の調査報告書「当社マンション建替え事業における区分所有者の実態調査」は、広く一般にもお役立ていただくため「旭化成の分譲マンションATLAS(アトラス)」ホームページからのお申し込みで、無料にて頒布しております。
≪調査報告書請求先URL≫https://www.afr-web.co.jp/tatekae-lab/form/zadankai/request_entry.html/
 
  Ⅰ.調査の背景  
   平成22年末時点で、わが国のマンションストック戸数は571万戸(国土交通省発表)に達し、そのうち、いわゆる「新耐震基準」以前に建築されたマンションは100万戸にのぼるといわれる中、高経年マンションの建替えも含めたマンション再生は、あまり進んでないのが実情のようです。このマンション再生については、その手法の一つである建替えを進めるうえで「区分所有者の高齢化」や「賃貸化」「空家化」など様々な問題が指摘されています。
 このような問題に対し参考になるものとしては、平成20年に公表された内閣府・法務省・国土交通省共同の「分譲マンションの建替え等の検討状況に関するアンケート調査結果について」や平成21年に公表された国土交通省の「平成20年度マンション総合調査結果について」などがありますが、今回のような実際にマンション建替えを実施した各事例における区分所有者の詳細な調査は行われていないのが実情です。様々な問題を抱えるマンション建替えにおいて、実際に区分所有者の考えたことや、意思決定に際しての懸念事項等の情報を収集・分析し共有することは、今後のマンション建替え問題を考えるためにも大変重要です。
 当社ではこれまで、着工ベースで10件、建替え決議を終えマンション建替え円滑化法による建替組合設立済みが2件、合計12件の建替えによるマンション再生に携ってきました。その多くは建替え検討の初期から合意形成も含めたサポートに関わることで、再建に成功したマンションの区分所有者の個々の声に接することが可能な状況にあります。この状況を活かし、現時点で公表可能な調査結果について、今回報告を行うものです。 
 
  Ⅱ.調査の概要   
 
調査方法:  郵送でのアンケート調査(送付数594件、返信248件(回答率41.75%))、及び個別面談時の資料を解析。
調査時期: 2011年5月
調査対象:  当社が参画してマンション建替えを行った以下のマンション(旧名称で表記)の、建替え決議時点での旧区分所有者。
(1)江戸川アパートメント
(2)野毛山住宅
(3)諏訪町住宅
(4)国領住宅
(5)下連雀住宅
(6)天城六本木マンション・ホーマットガーネット
(7)ジードルンク府中
各マンションの概要
旧名称 築年数(※) 従前戸数 所在地 単棟か団地か
江戸川アパートメント 築66年 260戸 東京都新宿区 団地
野毛山住宅 築49年 120戸 神奈川県横浜市 団地
諏訪町住宅 築46年 60戸 東京都新宿区 団地
国領住宅 築41年 144戸 東京都調布市 団地
下連雀住宅 築38年 60戸 東京都三鷹市 団地
天城六本木マンション
ホーマットガーネット
築35年
築26年
24戸
8戸
東京都港区 隣接する単棟
マンション2棟
ジードルンク府中 築27年 21戸 東京都府中市 単棟
             ※築年数は、建替え決議時の築年数を表記している。
 
  Ⅲ.マンション建替え研究所について(ご参考)  
   旭化成ホームズ株式会社では、平成23年4月1日に「マンション建替え研究所」を設立しました。本研究所では、当社マンション建替え事業において、建替え検討初期から合意形成も含めたサポートを行うことにより幅広く蓄積してきた情報の集約・分析と課題抽出を行い、定期的に広く情報発信に努めます。これにより、今後大量に発生する建替えなどの検討が必要となる老朽マンションの管理組合や区分所有者の皆さまにお役立ていただくとともに、制度や法律を含めたマンション建替えの環境整備に資する活動を推進していきます。  
  以上  
 
<本件に関するお問い合わせ先>
〒160-8345 東京都新宿区西新宿1-24-1 エステック情報ビル
旭化成ホームズ株式会社 広報室
(電話)03-3344-7115 (FAX)03-3344-7050
(メール)j-koho@om.asahi-kasei.co.jp