① 55~64歳のリフォーム意識の高まりと、団塊世代が迎える定年退職期
国交省による平成27年4月発表の最新の住生活総合調査によると、55~59歳、60~64歳の世帯において、リフォームの意向を持つ割合が他世代と比べ高くなっています(40~49歳の5%台に対し、55~64歳は倍の10%台。それ以降低下し75歳以上は再び5%台)。社会的にも在宅医療・介護が推奨される状況となりつつある中で、後期高齢者になってからではリフォーム意欲は薄れる傾向にあり、高齢期の安心で快適な住まいのためには、元気で健康ないわゆるアクティブシニア期のリフォーム促進がテーマとなってきています。
また、当社も創業から40年を超えて築年数を経たストックが増え、60歳以上の世帯が約4割となっていますが、それらの家庭では子供が独立する、定年を迎えるなどリフォームの動機となりうるライフステージに移行しています。雇用の延長によりまだこれから定年退職を迎える団塊世代も多く、この世代の潜在的なリフォーム需要が見込めることことから、今回は、「定年退職期」を迎え生活スタイルが大きく変化するヘーベルハウスオーナーにターゲットを絞り、バリアフリー化など将来の要支援・要介護に備えるだけのリフォームではなく、定年後の長い期間を楽しく過ごす住まいの提案をすることとしました。
② 旭化成ホームズグループが目指すのは、シニア期も豊かに楽しくすごす「ロングライフ住宅」
旭化成ホームズグループは従来から「ロングライフ住宅の実現」に取り組み、長期の耐久性に優れた建物を提供するとともに、ライフステージや家族構成の変化、住まい手の交代などにも対応して「住み続け・住み継ぎ」を実現するリフォーム商品の開発にも取り組んできました。特に近年は、ヘーベルハウスの鉄骨構造躯体の強固さを活かして間取り全体を最新仕様につくり変える全改装定価制見積もりシステム「ヘーベルハウス リメイク」シリーズの拡充に注力しています。
<旭化成リフォーム ヘーベルハウス リメイク シリーズ>
2011年「ヘーベルハウス リメイク 二世帯再生タイプ」:二世帯住宅のうち、空いた片世帯空間の有効活用
2012年「ヘーベルハウス リメイク コンパクト二世帯タイプ」:単世帯の二世帯化リフォーム
2012年「ヘーベルハウス リメイク Welliving(ウェルリビング)タイプ」:2階の余剰空間を吹抜けに転用
2015年 ヘーベルハウス リメイク「家事郎の一日」:定年後の夫の家事参加を促進する1階フル改装
今回の商品も、子育て期に新築した我が家を、建替えでもなく住み替えでもなく、減築により資産価値を減らすこともなく、夫婦2人の暮らしに合わせてつくり替え、住み続けるためのリフォーム提案です。近年は、高齢期の住まいとして高齢者施設や分譲マンション、田舎暮らし、海外移住など、戸建持家から住み替える選択肢も広がってきました。しかし、それでもやはり住み慣れた自宅に住み続ける高齢者は多く、特に当社ヘーベルハウスのオーナーはずっと住み続けたいという意識が高い傾向にあります。
③ 「夫の家事」の視点で提案する背景となった調査について
旭化成ホームズ共働き家族研究所が昨年7月11日に発表した「イマドキ30代夫の家事参加の実態と意識調査」では、「家事参加意欲は高いものの家事に不慣れで自信がない」夫を「チョイカジパパ」と名付け、新築商品における「夫の家事」の視点での住ソフト提案をしましたが、同調査では60代でもチョイカジパパが4割近くに上ることがわかっていました。今回の商品開発にあたっては、定年後の夫の家事について更に詳しく意識を把握するため、「定年退職後の夫の家事に対する意識調査」を実施しました。この調査結果から「積極的に家事に取り組む夫の生活が充実している割合は、そうでない男性の約2倍」であることや、妻にとってもよい影響があることがわかったことから、リフォーム商品においても「夫の家事」の視点を取り入れて積極的に提案することとしました。(詳細についてはこちら「定年後の夫の家事に関する意識調査」をご参照ください。) |