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土地購入からのアパート経営は成功するか!?

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2017年8月22日

土地購入からのアパート経営は成功するか!?

書店で、アパート経営や不動産投資をテーマにした雑誌や専門書籍をよく見かけます。昨今、マイナス金利を背景にサラリーマンにも投資ブームが再燃しているのがその理由です。不動産投資とひと言でいっても、目的や投資方法は様々。サラリーマンがブームにのって安易に手を出すと、投資額が大きいだけに失敗してしまうこともあります。一方、資産家にとっての不動産投資は様々なメリットがあり、低金利の今は絶好の投資機会とみることもできます。今回は、投資対象ごとにそのメリットや注意点を見てみたいと思います。

サラリーマン大家さんと資産家・土地オーナーの違い

不動産投資には、ワンルームマンションからアパート経営など、様々な不動産が投資対象として挙げられます。間接的な不動産投資としては、投資信託の一つであるJリートや不動産会社の株式を購入する方法もあります。
一般的にミドルリスク・ミドルリターンと言われる不動産投資は、他の投資商品に比べて優位性が高いと人気ですが、投資金額が高額になりますので、慎重に検討する必要があります。

個人による不動産投資では、投資家が大きく二つのカテゴリーに分けられます。一つは、いわゆるサラリーマン大家さんです。書店に並んでいる不動産投資やアパート経営のノウハウ本のほとんどが、サラリーマン大家さんに向けられたものです。最近はTVコマーシャルも見かけます。サラリーマンは、土地も資金も限られているので、融資の受けられる範囲でワンルームマンションや地方の中古アパート、また競売物件などに投資します。都心に土地から購入してアパート経営をするのは、無理があります。かつてバブルの頃は副収入としての目的もありましたが、今は老後の個人年金や所得税の節税効果を期待して投資するケースがほとんどです。

もう一方の投資家は、土地オーナーなどの資産家です。こちらは、サラリーマン大家さんと、かなり状況が違います。土地オーナーにとっては、遊休地の土地活用などが資産承継に大きく影響しますので、不動産投資は、資産管理・運営の一つの手法ということになります。採算性を重視しつつ、将来の資産承継を見据えた相続対策として、賃貸住宅経営による土地活用や資産の組み替えによる不動産投資を行います。

不動産投資で、一つ注意しなければならないのは、投資したら終わりではなく、その後、経営していかなければならないという点です。つまり不動産投資は、事業でもあるのです。

■サラリーマン大家さんと資産家・土地オーナーの違い

不動産投資は投資額が高額なため、一般のサラリーマンは投資対象が限定される。土地オーナーなど資産家にとっては資産管理・運営に使われるノウハウの一つ。不動産投資は事業でもあることに注意が必要。

タワーマンション・1Rマンション投資ー相続評価の引き下げ効果に活用

この数年、タワーマンションが資産家の相続対策として売れています。理由の一つが、マンションは相続評価が大幅に引き下げられるからです。例えば、1億円の現金を持っていれば、相続評価は1億円ですが、1億円でマンションを購入すれば相続評価額が3,000万円程度に引き下げられることもあります。この相続評価の引き下げ効果は、マンション投資に限らず不動産投資全般に言えることです。

タワーマンションの場合、これまでは時価3000万円の低層階の部屋でも1億円の高層階の部屋でも専有面積が同じなら固定資産税は同じとされてきましたが、平成29年度の税制改正で一部見直しがありました。固定資産税評価が高層階ほど引き上げられるようになったのです。詳しくはマンスリーレポート「平成29年度税制改正のポイント」を参照してください。
タワーマンションについては、今後さらに相続評価を見直す予定になっていますので、注意してください。
仮にタワーマンションの高層階の相続評価が今よりも上がったとしても、資産家の相続税対策として有効な手段の一つであることは変わらないでしょう。

タワーマンションでなくても、例えば子どもが3人いる場合、投資用のワンルームマンションを3部屋購入してそれぞれに相続する方法があります。この場合も現金で相続するよりは節税効果が高くなります。また、相続を待たずに生前贈与するという方法もあります。不動産投資の場合は収益を生み資産が膨らみますので、早めに資産を次の世代に移転するのも一つの方法です。

一方、デメリットとしては、仮に売却することになった場合、売却価格が購入価格より下がることがあるということです。特に新築の場合は、買った瞬間に中古となり価格は約70%になると言われています。人気エリアの物件など価格の下がりにくい物件を購入することが望ましいでしょう。

不動産投資のメリットは、相続税対策としての資産評価の引き下げ効果が高いこと。マンション投資は、将来の売却も考慮する。

中古アパート1棟に投資ー実質利回りを見極めて投資効率を高める

投資という意味では、中古アパートへの投資が採算性の面では効率が良いかもしれません。採算性を判断するのが利回りです。ワンルームマンションの場合は利回り4〜5%ですが、中古アパートでは10%以上の物件を探すことも難しくありません。利回りは高ければ高いほど、投資効率が良いということになります。

ここでいう利回りとは、表面利回りのことで、次の計算式になります。

・表面利回り=年間の家賃収入÷物件価格×100

これが一つの投資判断の指標になることは間違いないのですが、大切なのはもう一つの利回り「実質利回り」をよく検討することです。実質利回りの計算式は次になります。

・実質利回り=(年間収入−諸経費)÷(購入価格+購入時の諸経費)×100

アパート経営には、様々な諸経費があります。入居者募集の広告費用、不動産会社への管理費用、固定資産税、そして忘れられがちなのがメンテナンス費用です。退去後のリフォームや大規模修繕です。これらの諸経費を差し引いた、実質的な収益がいくらあるのか、長期のキャッシュフローはどうなるのかをシミュレーションしていくことが大切になります。
特に中古物件の場合は、大規模修繕前の物件などは価格が安く、そのため表面利回りが高くなることがあります。物件の規模によっては、大規模修繕には数百万円かかりますので、その場合、大規模修繕を考慮した実質利回りは、低くなるでしょう。

投資価格が低く、利回りが高いことから、サラリーマン大家さんなどには、地方のアパート投資に人気が集まっています。しかし、需要の少ない地方のアパート経営は空室リスクが高いと言えます。ましてや、リフォームなどのメンテナンス費用もかかることを考えると将来行き詰まる可能性も高くなります。アパート経営は長期事業であることを忘れてはいけません。

中古アパート投資は投資効率が高いと言えるが、メンテナンス費用などを考慮した実質利回りに注意し、長期的に安定経営ができるかを見極めることが大事。

土地購入からの賃貸住宅経営ーより収益性の高い資産へ組み替える

最近、資産家の不動産投資で増え始めているのが、ブランド力のある土地を購入して、賃貸住宅を建てるという手法です。この数年、三大都市圏の地価は商業地だけではなく住宅地も上昇し始めました。その傾向を読み取り、低金利の間によりよい資産形成のため、資産の組み替えを考えているのです。
例えば所有している郊外の広い土地から、ブランド力のある都心の土地へ買い換えたり、相続で現金を受け継いだり、退職金などで資産が増えて、資産評価の引き下げのために土地を購入することもあります。また賃貸事業の拡大に新たに土地を取得する場合もあるでしょう。
ポイントは、利用価値の高いブランド力のある土地を購入し、長期にわたり安定経営できる賃貸住宅を建てることです。

土地を購入し賃貸住宅を建てた場合の資産の組み替えについて、資産の評価引き下げ効果と資産運用益について、シミュレーションしてみます。

■相続税の評価引き下げ効果

現金3億円の資産の組み替え
世田谷区、最寄り駅徒歩3分の角地200m2を1.6億円で購入、1.4億円で賃貸住宅を建築

■金融資産を不動産に組み替えた場合の資産圧縮効果(例)

■資産運用益

今、銀行の円定期預金金利は0.01%ほどです。今後、金利は上がるかもしれませんので、仮に金利1%で預けた場合を想定してみます。

・3億円を金利1%で10年間運用。金利分は約3,000万円(単利、税別)となります。

一方、上記で想定した資産の組み替えを行い、賃貸住宅を建築した場合のシミュレーションは以下の通りです。

・家賃収入 1K8万円(事業家賃)×12戸 年間約1,152万円
      ※30年一括借上げ(借上げ料率90%)を利用、その他費用20%と想定した場合
      1,152万円×0.9(借上げ料率90%)×0.8(諸経費)×10年=8,294万4,000円

土地の資産価値を維持しながら、10年で8,294万4,000円の家賃収入があることになります。(税別。10年間は家賃の変動はないものとする)

あくまで、シミュレーションですので、金利が0.5%だと預金の金利分は1,500万円ですし、土地を購入してアパート経営する場合、家賃が下落するかもしれません。しかし例えば世田谷ブランドの駅近の土地であれば、家賃を維持できる可能性は高いのではないでしょうか。

このケーススタディの場合、賃貸住宅は低金利を活用して借入金で建築する考えもあります。ただし、多額の投資事業になりますので、リスクを考えれば土地購入資金は自己資金、建物金額を銀行からの借入金とすることが望ましいでしょう。

このように、資産家の土地オーナーにとっては、様々な不動産投資が考えられます。投資額が大きいだけに、諸費用や各種税金もいろいろと考慮しなければなりません。一人の専門家だけでなく、複数の専門家の意見を参考にすることが大切です。

土地を購入し賃貸経営を始める場合は、利用価値の高いブランド力のある土地を購入し、長期にわたり安定経営できる賃貸住宅を建てること。

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