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理想と現実のギャップから見る入居者ニーズ

入居者トレンド

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2012年5月 1日

理想と現実のギャップから見る入居者ニーズ

入居者が求める理想の賃貸アパートと、現実にはギャップがあります。果たして入居者はどこまで妥協して部屋選びをしているのか?「お部屋を探す際の“あきらめ”度合い調査」(アットホーム調べ)から、入居者のニーズを探ります。

独身31歳の理想と現実の家賃の差は?

満室経営を続けるためには、入居者ニーズにいかに応えるかが大きなポイントになります。かといって、過剰な設備投資をしては採算が合いません。入居者側から見ても、理想の住まいはあるものの、結果的には何かを妥協して住まいを選んでいるのが実情です。その妥協点をいかにプラスに感じさせるかが、満室経営のカギといえそうです。

「お部屋を探す際の“あきらめ”度合い調査」(アットホーム調べ)では、部屋探しに“あきらめ”は必要かとの問いに、「はい」(46.0%)、「いいえ」(35.2%)と半数近くが妥協を前提に部屋探しをしていることが分かりました。

さらに入居者が妥協せず理想とする住まいを選んだ場合に必要な家賃は、独身者で128,116円、既婚者で153,227円でした。しかし、実際に探すとなると予算は独身者88,929円、既婚者128,345円でした。調査は東京23区在住者で、独身者の平均年齢は31.3歳と中堅のサラリーマン。“あきらめ度合い”ともいえる、その差額は独身者で39,187円です。これが理想と現実のギャップでしょう。

理想と現実のギャップを埋めるコストパフォーマンスが求められる。

重視する条件、あきらめてもよい条件

お部屋探しにおいて具体的に何を重視し、何を妥協しているのかを聞いてみました。家賃、広さ・環境以外で重視している条件は、
1位「最寄駅からの距離」72.2%、
2位「バス・トイレが別」69.5%が多く、
次に「2階以上」47.2%、「建物の築年数」42.2%と続きます。

では、希望の部屋が見つからない場合、最初にあきらめてもよい条件は、
1位「最寄駅からの距離」30.3%、
2位「建物の築年数」20.3%が多く、
続いて「バス・トイレが別」6.7%、「2階以上」6.5%となっています。

1位の「最寄駅からの距離」は最も重視する条件でありながら、最初にあきらめてもよいという結果に。必ずしも、駅から近いのが絶対条件ということでもなさそうです。順位が入れ替わったのが「建物の築年数」。こちらは、あきらめても良い条件のポイントが高く、メンテナンス次第で、入居者は築年数にはこだわらないと見て良いでしょう。

あきらめ条件のポイントが低かったのが「バス・トイレが別」「2階以上」です。こちらは、言い換えれば必須条件ともいえるので、条件を満たしていない場合は何らかの対策が必要です。他の設備を充実させたり、家賃などでお得感を出したりなど、コストパフォーマンスを高めていく必要があるでしょう。

駅からの距離や築年数は、他の条件が合えばこだわらない。

徒歩圏、築年数の許容範囲とは?

オーナーとしては、どうにもならない「最寄駅からの距離」と「築年数」について、具体的に聞いたところ意外な結果が出ました。

「これ以上譲れない、最寄駅からの徒歩分数」は、5分未満6.1%、10分未満31.8%、15分未満が39.2%、20分未満14.5%、バス等があれば徒歩分数にこだわらない8.3%となりました。調査対象は、一般的には10分が妥当といわれ、通勤時間など交通の利便性を追求するといわれている東京23区です。しかし、「15分未満」が最もポイントが高く、先ほどのあきらめ条件の結果を裏付けるものとなりました。バス便でも良いとする人も8.3%もいます。

次に「これ以上譲れない築年数」。最も多かったのは「築年数にはこだわらない」28.5%です。続いて15年以内20.5%、20年以内19.8%、10年以内19.0%です。これも、重視する条件でもあり、あきらめ条件でもありました。メンテナンスや管理がしっかり行き届いている建物であれば、築年数の古さはカバーできるということです。

やはり、いずれもその他の条件と家賃とのコストパフォーマンスが決め手となるようです。

約4割は徒歩15分までOK。築年数にはこだわらない。

住みたい街VS穴場エリア

毎年、各マスコミから住みたい街調査のランキングが発表されます。首都圏の常連の街といえば、吉祥寺、下北沢、中野、自由が丘、恵比寿などです。しかし、どこも人気なだけに家賃相場は高く、冒頭の理想と現実のギャップはますます開きが大きくなるでしょう。一方、再開発や鉄道網の進展により、“街は充実したが家賃相場が低め”という穴場エリアもあり、最近ではこちらを選択する入居者も増えているようです。そういったエリアでは空室率も低く、一定の人気が続いているといいます。

今回の調査でも「周辺の家賃相場より低く、とても暮らしやすい、穴場だと思ったエリア」について聞いたところ、独身者は「池袋」「成増」「赤羽」、既婚者では「成増」「小岩」「和光市」といったエリアが浮上してきました。いずれも「都心に近い割には家賃相場が低く、交通の便が良い」というのが主な理由です。

今後、理想と現実のギャップを埋めるためには「住むエリアにはこだわらない」というニーズが増えてきそうです。最近では入居者の高級志向がクローズアップされますが、入居者は妥協するところは妥協し、しっかりと物件のコストパフォーマンスを見極めて部屋選びをしているようです。

理想と現実のギャップを埋めるためには住むエリアにもこだわらない。

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