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電子申告が簡単に!進化する経理業務のIT化

税務・確定申告

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2019年1月29日

電子申告が簡単に!進化する経理業務のIT化

これまでハードルの高かった電子申告が簡単になります。IT化による作業の効率化は、会計・経理の分野でも進んでいます。ただし確定申告に関しては納税を含めて、個人事業主にとってはIT化が進んでいませんでした。今回、より簡単で使いやすくなった電子申告についてそのポイントを解説します。なお、電子申告をしない場合、青色申告の節税効果が低くなる可能性もあるので注意が必要です。

青色申告は、電子申告が必須に?

まず、注意しなければならないのが、2018年度の税制改正で電子申告に関係する税制改正があったということです。
青色申告の大きなメリットの一つである、青色申告特別控除が65万円(不動産所得の場合は事業的規模の場合)から55万円に引き下げられます。ただし、要件を満たした場合、引き続き65万円の控除が受けられます。

注意!! 2020年分以後の所得税および2021年以後の個人住民税から青色申告特別控除が65万円から55万円に引き下げ!

電子申告とは、自宅のパソコンから確定申告書・青色申告決算書のデータを送信することです。国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で作成した確定申告書・青色申告決算書をその流れで送信することができます。
電子帳簿保存とは、文字通り帳簿を電子データで保存する制度で、採用するには事前に申請書を税務署に提出する必要があります。会計ソフトも電子帳簿に対応したソフトでなければなりません。

10万円の違いですが、節税対策の王道は金額に係わらずコツコツと必要経費を積み上げていくことです。今年から電子申告が利用しやすくなりますので、電子申告にぜひチャレンジしたいところです。この改正は2020年分の確定申告から適用になりますので、慣れるためにも2018年分の申告から、始めてみるのがよいでしょう。

2020年分の確定申告より、青色申告特別控除が65万円から55万円に減額。ただし、電子申告をすれば、65万円の控除はそのまま。早めに、電子申告に慣れておくこと。

マイナンバーカードがなくてもIDとパスワードで電子申告

では、電子申告がどのように変わったのかを解説します。
これまで電子申告をするには、マイナンバーカードとID・パスワードの両方が必要でしたが、今年の確定申告からどちらか一方があれば電子申告ができるようになります。
電子申告の普及が進まなかった理由の一つが、マインナンバーカードとそれを読み取るICカードリーダライターが必要なことでした。マイナンバーカードの交付率はわずかに11.5%とのことです(2018年7月)。

そこで、マイナンバーカードがなくてもIDとパスワードで電子申告ができるように簡便化が図られるようになりました。
IDとパスワードは税務署等で職員と対面による本人確認を行った上で発行されます。運転免許証などの本人確認書類を持って行けばすぐに発行してくれます。確定申告書は、国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」で作成している方も多いと思いますが、そこで作成すれば、IDとパスワードだけで、そのままデータで送付することができるのです。
マイナンバーカード方式も、これまで必要だったID・パスワードが必要なくなり簡便化されています。

ただし、ID・パスワード方式はマイナンバーカードの普及が進むまでの暫定措置としています。税務関係の書類の提出には、マイナンバーカードの提出が求められるケースが多いのですが、マイナンバーカードがない場合は、通知カードと本人確認書類の二種類の書類が必要ですので、やはりマイナンバーカードはあったほうが便利です。
電子申告自体に慣れたら、マイナンバーカードを取得して、マイナンバーカード方式に切り替えたほうが作業は効率的です。

また、国税庁ホームページなどでは、スマートフォンでも電子申告ができると強調していますが、スマートフォンでできるのは、給与所得者で医療費控除やふるさと納税などの寄附金控除を適用して還付申告を行う場合のみです。不動産所得などの事業所得には使えません。

■2019年1月からの「マイナンバー方式」「IDとパスワード方式」の違い

マイナンバーカードがなくても、ID・パスワードで電子申告ができるようになった。ただし、暫定措置なのでゆくゆくはマイナンバーカード方式のほうが、本人確認作業を含め効率的。

会計ソフトはクラウド型が主流に

青色申告特別控除を65万円にするための大きな要件に、複式簿記での帳簿の作成があります。素人には、かなり難易度が高いのですが、会計ソフトを使えば知識がなくても作れますので、活用している方も多いでしょう。
今、会計ソフトの主流になりつつあるのがクラウド型の会計ソフトです。人気の「やよいの青色申告」など有名メーカーであれば、パソコンにインストールするデスクトップ型の他にクラウド型がラインナップされています。

クラウド型の一番の特徴は、データがクラウドのサーバー上にあるということ。IDとパスワードさえあれば、どこからでも別のパソコンでもアクセスでき操作ができますし、スマートフォンからでも操作ができます。パソコン自体がクラッシュしてデータごとなくなる心配もありません。もちろん、最新の税制に対応し、電子申告用のデータも作成が可能です。

また、入力作業も自動化が進んでます。その一つが銀行口座と連携させられること。賃貸経営用の銀行口座を用意していると思いますが、その口座と連携させれば、入出金が自動で会計ソフトに反映されます。例えば、口座に家賃が振り込まれると会計ソフトにも反映されるようになります。取引は学習され、勘定科目に振り分けます。確認して間違っていなければ、そのまま登録するだけです。
また、備品を購入したレシートをスキャナーで読み取ったり、スマートフォンで写真をとって読み込むと、勘定科目も予測して帳簿に反映します。最近の文字の読み取り精度はかなり高く、数字などはほぼ間違いないので、手入力よりミスは少なくなるでしょう。

ちなみに費用は、クラウド型「やよいの青色申告オンライン」の場合、一番安いタイプで年間8,000円(税抜)、1年間は無料で試せます(2019年1月現在)。

会計ソフトはクラウド型が主流。入力作業もより効率的になり、負担は軽減。電子申告とともに取り組むとよい。

経理業務のIT化が進む中、税理士の必要性は?

会計ソフトはより便利になり、電子申告、さらには電子納税もできるとなれば、ほとんどの経理業務は自分一人で机の上でできることになります。特に賃貸住宅の場合は、小売業などの細かい仕入れがあるわけでもなく、経理業務自体は極めてシンプルです。
そうなると、はたして税理士に経理業務を依頼するメリットはあるのかと疑問に思ってしまうかもしれません。

経理業務のIT化で注意しなければならないのが、税制の仕組みをしっかりと理解していないと、入力自体を間違うことがあるということです。いくら、自動化が進んだとはいえ、100%ではありません。あくまで判断は自分でしなければなりません。また、毎年のように変わる税制に対して、適切な節税対策で対処する必要があります。税制改正の情報は、素人が正確に把握することは難しいものです。
特に、賃貸オーナーの場合は、所得に関する日々の節税だけではなく、やがて訪れる相続への対応も考えなければなりません。

そういった専門的なことについては、やはり専門家の税理士の意見やアドバイスが欠かせないでしょう。賃貸住宅の規模や資産の状況にもよりますが、経理業務はIT化で効率化を図りつつも、同時に税理士からもアドバイスをもらうことをお勧めします。

経理業務が効率化されても、専門的なことについては、専門家の税理士のアドバイスは欠かせない。

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