レスポンシブル・ケア
レスポンシブル・ケア(RC)活動とは、化学物質を扱う企業が化学物質の開発から製造、物流、使用、最終消費を経て廃棄に至るまで、自主的に「環境・安全・健康」を確保し、活動の成果を公表し社会とのコミュニケーションを図る活動です。1985年にカナダで誕生し、1990年には、国際化学工業協会協議会(ICCA)が設立され世界的に活動を展開しました。日本では1995年に日本レスポンシブル・ケア協議会(JRCC※)が設立され、旭化成グループは、JRCC設立時より参画し、幹事会社としてRC活動を積極的に推進してきました。
当社グループは、ケミカル・繊維・エレクトロニクス事業分野などのマテリアル領域、建材事業分野も含めた住宅領域、および医療・医薬事業分野などのヘルスケア領域の全事業領域においてRC活動を実施しています。これは当社グループの特徴でもあります。
※ JRCC : 2011年4月より一般社団法人日本化学工業協会RC委員会として運営。
旭化成グループのRC活動
医療事業におけるRC活動
RC活動は、旭化成グループの重要な経営基盤のひとつであり、化学事業分野にとどまることなく、医療事業分野も含めた全事業領域で活動に取り組んでいます。化学物質の開発から製造、物流、使用、最終消費を経て廃棄に至るまで製品の全ライフサイクルにわたり環境・安全に配慮し改善をはかる自主管理活動を行っています。
転倒防止や腰痛対策への積極的な取り組みとして、体操や作業見直しを行っています。さらに大分では、外部講師を呼んで定時後の健康づくり活動を実施しています。
e診断(職業性ストレス簡易診断)を毎年実施し、メンタルヘルス推進に活用を展開しています。工場地区および本社地区の両方において、このe診断の結果による部場環境改善の取り組みを継続的に行なっています。
定期的な職場巡視を行い、快適な職場環境づくりを推進しています。さらに5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)活動を積極的に展開し、職場環境改善を行っています。本社地区も5Sが進み、より快適な職場環境になりました。営業所でも職場巡視を展開し、職場改善を推進しました。
ゼロ災を目標に、労働安全衛生マネジメント活動、HHK(ヒヤリ、ハット、気がかり)提案活動、基本安全行動基準の遵守活動を実施しています。事務所では、生活災害防止の活動を重点的に展開しています。
遵守活動の事例として、「階段は、手摺りを持ち、足元に注意して昇降する」対応では、事務所や工場において積極的な手摺設置や声掛けスピーカー活用、注意標記等を進めています。
全国の営業所で危険予知トレーニングを実施し、交通安全意識向上に取り組んでいます。2020年度はコロナ禍の中、リモートによる研修を実施しました。
旭化成メディカル社内の製造や開発の入社年次の若い新人層の社員を対象にしたRCフォローアップ集合研修を昨年度に引続き計画していましたが、2020年度はコロナ禍のため中止いたしました。次年度は、危険予知訓練の基本的な手法習得と職場で危険予知の意識向上を目的とした研修を予定します。
医療事業では国や地域を問わずRC監査を行い、RC方針・目標の一元的な運用を徹底しています。
大分事業所の各工場では、RCの各テーマに関して、確実にPDCAが回され、安全レベルの向上が図られていることを確認できました。
中国関係会社AMC・AKTTは、今年はリモートでRC監査を行いました。AMCでは新人教育が精力的に実施されて、安全表示も充実していることが確認できました。
米国関係会社AKBAもリモートでRC監査を行い、定期的な職場パトロールで現場改善が進んでいることが確認できました。
国内関係会社メテクでは、安全意識の醸成として、安全基本行動を遵守する活動やHHKからの職場改善がさらに進んでいたことが確認できました。
毎年秋にRC大会を開催し、全員で安全について考え、決意を新たにする場を作っています。
2020年はコロナ禍のためリモートで開催しました。当日は約200名が参加して、旭化成メディカル社長・労働組合・旭化成RC担当役員・旭化成環境安全部長講話・旭化成品質保証部長講話・メディカルRC活動・メディカル品証活動報告と、2部場(プラノバ大分工場、メテク)の活動事例発表を行いました。6名の工場長の決意表明の後、最後に大分事業所の主会場から安全標語の指差唱和を行い締めくくりました。
1990年以降、医療事業の急速な規模拡大に伴い生産量が急増するなかで、産業廃棄物のゼロエミッション(最終処分量削減)への取組みを行ってきました。
有害性の高いものや排出量の多い有害化学物質の削減に取り組んできました。
揮発性有機化合物の削減にも積極的に取り組んできました。
旭化成メディカルMT(株)大分事業所は環境マネジメントシステムの継続的な改善を進め、ISO14001:2015年度版に適合する活動を実施しています。
その環境方針を以下に提示します。
旭化成グループの化学物質の管理に対する方針に則って、医療事業としても厳しい管理基準を設け、環境汚染事故の防止、化学品管理の徹底などに取り組んでいます。
社会貢献活動として毎年実施している工場周辺美化活動は、2020年度はコロナ禍のため中止しました。一方、車いすマラソン開催日の2020年11月15日に旭化成(株)大分工場と合同で、清掃ボランティア活動を実施しました。
またコロナ対策への支援として、大分市および大分大学へマスク等を寄付しました。
2020年はメディカルMTとしてRC報告書を初めて発行し、地域へ配布しました。
RC報告書はここからご覧ください。
旭化成グループでは「製品安全事故ゼロ」「製品事故ゼロ」の継続をめざしており、2020年度も医療事業をはじめグループ各社で目標を達成しています。今後も引き続き、目標達成・維持に努めます。