洗ってくり返し使用も可能
ジップロック®フリーザーバッグとイージージッパー®は厚手の素材(*)で、洗浄してくり返し使用することも可能です。
*冷凍保存推奨アイテム
生の肉・魚・卵、またはアレルギーを引き起こす可能性のある食品を保存した後はくり返し使用しないでください。
くり返し使用に関する注意事項と実験結果をご紹介します。
- 食洗機の使用は推奨していません。
- 洗浄後も、バッグの隅やジッパー部に目に見える汚れがある場合はくり返し洗浄してください。
- ジッパー部は、細かい溝があるため、入念に洗浄してください。
- 洗浄後は、バッグの口を開いた状態にし、十分に乾燥させてください。
- バッグが破れないように注意してください。
実際に実験した際の洗浄方法をご紹介いたします。
- バッグを平らな場所に置き、食器用洗剤を含ませたスポンジで接地面に向かって力を加えながら、ジッパー部からバッグの底部へ、底部からジッパー部へ向かって1往復洗い、バッグの天地をひっくり返して同様に洗いました。
- バッグに水道水500mlを入れて、ジッパーを閉じ、上下に5往復揺らして内部をすすぎ、水を捨てました。これを3回くり返しました。
- 上記1~2を2回くり返した後、バッグの口を開いて、水分を切って、逆さまにして、よく乾燥させました。
スタンドなどに立て、バッグの隅々まで十分に乾燥させました。
実施検査機関:イカリ消毒株式会社 食品医薬分析部(https://www.ikari.co.jp/)
食品と特定の菌(※)を入れ保管したバッグの洗浄評価から、洗浄後に特定の菌が検出されないことを確認できました。
食中毒菌のモデルに使われている特定の菌(※)をあらかじめ均一に混ぜた食品をフリーザーバッグとイージージッパー®にいれ保管したのち、食器用洗剤を用いてスポンジ洗浄を2回行えば、乾燥させた結果、混ぜた特定の菌(※)が検出されないことを確認できました。
※大腸菌:Escherichia coli(NBRC3972)、黄色ブドウ球菌:Staphylococcus aureus(NBRC12732)
【材料】
●供試品:ジップロック® フリーザーバッグMサイズ、イージージッパー®Mサイズ●供試食品:レトルトカレー、市販カットキャベツ
フリーザーバッグ
イージージッパー®
→接種した食品の菌数測定 ※接種直後および保存後のそれぞれの菌数
【菌数の測定方法】
- 大腸菌:XM-G寒天培地(混釈培養法)、35±1℃・1日間培養
- 黄色ブドウ球菌:マンニット食塩卵黄寒天培地(MSEY, 塗抹培養法)、35±1℃・2日間培養
【試験方法詳細】
- 各供試菌をそれぞれ標準寒天培地にて35℃・1日間純粋培養した後、それぞれの菌体を滅菌生理食塩水に懸濁し、各懸濁液を等量(15ml)ずつ混合して、供試菌混合液とした。
※供試混合菌液中の菌量: 大腸菌:77,000個/ml、黄色ブドウ球菌:620,000個/ml(カレー)大腸菌:820,000個/ml、黄色ブドウ球菌:290,000個/ml(カットキャベツ) - 供試品(ジップロック®フリーザーバッグとイージージッパー®)に、食材を無菌的に量り取った。(カレー:170g、カットキャベツ:100g)
※供試品1袋につきカレー1袋(具材含む)を使用した。
※菌添加前のカットキャベツ:大腸菌 10個/g 以下、黄色ブドウ球菌 10個/g 以下 - 供試混合菌液を接種し(カレー:1.7 ml、カットキャベツ:1.0 ml)、袋の上からよく揉み込んで混合した。
※保管前の菌量 カレー:大腸菌 2,600個/g、黄色ブドウ球菌 8,100個/g カットキャベツ:大腸菌 7,500個/g、黄色ブドウ球菌 5,700個/g - 空気をできるだけ抜いた状態でジッパーを閉じ、袋の隅々まで食材が付くように平らに広げた。
- 10℃で24時間保管した後、食材を全て取り出した。
※保管後の菌量 カレー:大腸菌5,600個/g、黄色ブドウ球菌14,000個/g
カットキャベツ:大腸菌240個/g、黄色ブドウ球菌2,200個/g - 袋の洗浄を下記の条件で行った後、拭き取り検査にて菌数測定を行った。
※洗浄条件:未洗浄、2回洗浄
【拭き取り検査方法】
- 未洗浄の袋内部の拭き取り検査[それぞれ3検体ずつ測定]
[検査項目:大腸菌(XM-G培地)・黄色ブドウ球菌(MSEY培地)]菌数検出限界:10個/g
※「未洗浄」とは食品を取り出した状態(残渣は付着) - 洗浄後(2回洗浄)の袋内部の拭き取り検査[それぞれ3検体ずつ測定]
袋を開き、ジッパー部、中央部、底部の3箇所について、10㎝×10cmとなるように、菌数測定(拭き取り検査)を行った。
【小西良子(こにしよしこ)先生プロフィール】
麻布獣医科大学獣医学部獣医学科卒業後、東京大学大学院農学系研究科で農学博士を取得。その後27年間にわたり、厚生労働省の国立予防衛生研究所、国立感染症研究所および国立医薬品食品衛生研究所で、食品衛生法に関する規格基準策定の科学的根拠に資する研究を行う。2013年4月~2020年3月、麻布大学 生命・環境科学部 食品生命科学科 食品安全科学研究室 教授。2020年4月より東京農業大学 応用生物科学部 栄養科学科 教授を務めている。日本食品衛生学会 前会長、イカリ消毒株式会社顧問。