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1. バイオプロセス事業の拡大について |
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旭化成グループでは、現在実行中の中期経営計画「Growth Action – 2010」の中で、医療関連事業を重点成長領域の一つと位置付け、積極的な事業拡大を展開しています。同事業を担う旭化成メディカルでは、有害なウイルスを除去する中空糸型ウイルス除去フィルター「プラノバ」をバイオプロセス事業の一環として既に製造販売しており、その品質は世界の医薬品メーカーで高く評価され、バイオ医薬品などの生物製剤の製造工程で広く使用されています。
近年、遺伝子工学、細胞培養などのバイオテクノロジーを利用して生産されるペプチドやタンパク質を有効成分とするバイオ医薬品の需要が大きく伸びており、これに伴い、より高品質で安全なバイオ医薬品を製造する技術に対する要求が大きくなっています。
旭化成メディカルでは、今後の成長市場であるバイオプロセス分野で、旭化成グループの保有する中空糸を中核とした膜技術に加え、吸着剤技術を活かした高性能なバイオプロセス用分離材を広く提供することで、市場の要求に応え、バイオプロセス事業での拡大が可能であると判断し、この度の買収を決定しました。今後もこの分野への資源投入を積極的に行い、事業拡大を図ります。 |
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2. 米国の装置会社買収について |
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テクニクロム社は、バイオ医薬品製造プロセスの装置、システム、サービスを展開している会社で、バイオ医薬品の研究開発の最も盛んな北米で実績があり、これまでも旭化成メディカルと「プラノバ」用装置の開発などで提携関係にありました。
旭化成メディカルでは、バイオプロセス事業に関わるお客様の要求にお応えするためには、膜、吸着剤などの分離材のみならず装置を含めたシステムの技術開発が重要と判断し、システム技術を保有するテクニクロム社と昨年秋より協議を重ねてきました。その結果、両社のバイオプロセス事業拡大に関しての将来構想が一致し、買収の合意に至りました。
今回の買収の目的は下記の通りです。 |
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(1) |
旭化成グループの優れた膜技術を活かしたバイオプロセス用分離材と、膜の性能を最大限発揮させるテクニクロム社の装置技術とを組み合わせたシナジーで高性能なバイオプロセスシステムをお客様に提供することが可能となること。 |
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(2) |
バイオ新薬研究開発の中心である米国に、装置、システム開発、製造、販売の拠点をもつことで、全世界でのバイオプロセス事業展開の拡大が推進できること。 |
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*「プラノバ」は登録商標です。 |
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<ご参考> |
用語説明 |
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※1 |
バイオプロセス |
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バイオ医薬品の原薬製造プロセス。主に細胞培養などでタンパク質を生産する上流プロセスと、生産されたタンパク質を精製して原薬とする下流プロセスから構成されている。 |
※2 |
バイオプロセス事業 |
: |
バイオプロセスで使用される分離材、装置、及びそれらを組み合わせたシステムを取り扱う事業。 |
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<旭化成メディカル株式会社> |
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本 社 |
: |
東京都千代田区神田神保町一丁目105番地 |
代表者 |
: |
代表取締役社長 吉田 安幸 |
資本金 |
: |
2億円(2008年3月末日現在) |
設 立 |
: |
2007年10月1日 |
株 主 |
: |
旭化成株式会社100% |
事業内容 |
: |
ウイルス除去フィルター(商標名「プラノバ」)、白血球除去フィルター(商標名「セパセル」)などの製造、販売 |
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<テクニクロム社> |
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社 名 |
: |
TechniKrom,Inc. |
本 社 |
: |
米国イリノイ州グレンビュー市 |
代表者 |
: |
社長:Louis Bellafiore |
資本金 |
: |
$50,000(2008年12月末日現在) |
設 立 |
: |
1994年2月14日 |
事業内容 |
: |
バイオプロセス装置の製造、販売 |
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