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入居者の潜在ニーズから考える、設備の最新トレンド

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2024年5月 9日

入居者の潜在ニーズから考える、設備の最新トレンド

今、賃貸市場ではファミリー世帯の台頭など新しいトレンドが見え始めています。時代のニーズに合わせ賃貸住宅も進化することで、これまで表面化していなかった入居者ニーズが注目されることもあるのです。賃貸住宅だから諦めるのではなく、賃貸住宅だからこそ実現できる住まい方や設備もあります。今回は入居者の潜在ニーズを満たす最新の設備やプランをご紹介します。

一人暮らしでも広いキッチン

単身世帯は若年層だけではなく、30代、40代と広がっています。そうなると設備のニーズも多様化してくることが予想されます。
料理・洗濯・掃除を日常的に行っている18~40歳の一人暮らし男女を対象にした「家事と住まい探しの実態調査(アットホーム調べ)」では、特に水廻りニーズの高さが伺えます。
「ゆずれない設備」で注目したいのが、「ガスコンロ」「コンロ2口以上」です。さらに、「今後欲しい設備」には「広い作業スペース」「広いシンク」が上位にあります。いずれも、料理をするのに必要な「まな板を置くのに十分な作業スペース」「鍋やフライパンを洗うのに十分な大きさのシンク」といった設備です。このあたりのニーズはファミリー物件に近づいています。
また、「今後欲しい設備」については、「一人暮らし歴3年未満」のニーズが高いことが分かります。これまで若年層向けの低家賃帯ワンルームのキッチンなどは簡易な設備がほとんどです。ただし、ニーズとしては広いキッチンを必要としていることが分かります。若年層もいずれは中堅層となり経済的余裕ができれば、家賃が高くても水廻り設備が充実した物件を選ぶでしょう。これからの単身者向けは、水廻り設備で差別化を図ることも考えられます。

■家事をする上で、ゆずれない設備・今後欲しい設備はどれですか?

単身世帯でも広いキッチンのニーズが高い。単身向け設備の差別化として、今後のポイントになる。

不動産のプロが選ぶ「環境に配慮した設備」

今後の賃貸ニーズを示すトレンド調査がもう一つあります。「不動産のプロが選ぶ!環境に配慮した住まいにおすすめの条件・設備2024(アットホーム調べ)」です。
賃貸住宅でも今後の大きなトレンドとなるのが「環境との共生」です。すでに太陽光発電等を備えたZEH-M(ゼッチ・マンション)※は普及が進んでいますし、今年の4月からは新築賃貸住宅の募集時に省エネ性能を表示する「省エネルギー性能表示制度」が始まりました。
※ZEHとは、高断熱・省エネ・創エネによって、1年間で消費する住宅の一次エネルギー量が正味(ネット)でおおむねゼロ以下を目指す住宅で、ZEH-Mは、ZEH基準を満たした集合住宅。

調査では、「複層ガラス」「節水トイレ」「太陽光発電システム」が上位になりました。いずれもZEH-M仕様の賃貸住宅ではスタンダードな設備になりつつあります。その他の設備も設備自体の進化とともにいずれは標準装備となるでしょう。
また、注目したいのが「電気自動車用充電設備の付いた駐車場」です。まだ、ニーズそのものは高くないと思いますが、電気自動車が普及すればニーズも高まります。今でも、設備投資として後から設置するケースも見られます。
東京都や川崎市では太陽光発電の設置が義務化され、賃貸住宅も例外ではありません。
「環境に配慮した設備」は今後のスタンダードになると言えるでしょう。

ZEH-Mについてはバックナンバー「省エネ性能表示がスタート! 注目を集める環境共生賃貸住宅」でも紹介しています。

■環境に配慮した住まいにおすすめの条件・設備は何ですか?

「環境に配慮した設備」やZEH-M仕様の賃貸住宅が今後のスタンダードになる。

最先端設備、IoT賃貸住宅の機能

設備そのものが進化すれば、一気に普及が進むと思われる設備もあります。例えばモニター付きインターホンは、既存の賃貸住宅でも安価で取り付けられるようになり、今では定番の設備です。
同様に注目したいのがIoT設備です。Internet of Things(モノのインターネット)の略で、主に家電や鍵をインターネットに接続し、遠隔で操作ができる設備のことです。

まずはスマートロック。現在、暗証番号で施錠するタイプのものが普及していますが、さらにスマートフォンをかざしたり、外出先からスマートフォンを使ってドアを開け閉めできたりするタイプのものがあります。モニター付きインターホンと連動していれば、外出先でも誰が来たのか映像で確認でき、親族やハウスキーパーが来ても対応できます。
エアコンやユニットバスもIoT対応ならば、暑い日、寒い日に帰宅する前に作動させることができます。また、防犯カメラ、見守りカメラとの連動でセキュリティもアップするでしょう。

特にIoT設備のニーズが高いのがペット共生型賃貸住宅です。日中はペットのみで部屋にいることもあり、飼育者は外出時でも留守中のペットのためにエアコンはつけたままにしているケースがほとんどです。真夏や真冬など日中でも気温の急な変化に対応できるよう、外出先でもエアコンの温度・風量の設定が調整できます。また、部屋の温度・湿度は「温湿度センサー」でスマートフォンに表示できるので、ペットに最適な室内環境かどうかもチェックできる機能もあります。

ペット共生型賃貸住宅のIoT設備についてはバックナンバー「人気のペット共生型賃貸住宅6つのポイント」でも紹介しています。

■ペット共生型賃貸住宅の主なIoT設備

今後IoT設備の普及が予想される。特にペット共生型賃貸住宅ではニーズが高まる可能性がある。

子育て世帯に広いリビング、玄関、キッチン

分譲マンション価格の高騰や価値観・ライフスタイルの変化によりファミリー層が賃貸住宅市場に流れています。その影響もあり、2LDK、3LDKの家賃が上昇しています。今のファミリー層は共働き世帯が多く、経済力もあります。「持ち家」志向から「賃貸派」志向への意識の変化も進んでおり、賃貸住宅は仮の住まいではなくなっています。そうなると、より高品質な賃貸住宅が求められるのも必然です。
直近の調査(2023年7月)では、「良質な賃貸が増えれば持ち家にこだわらない」賃貸派が50%となりました(くらしノベーション研究所調べ)。

■良質な賃貸が増えれば持ち家にはこだわらない

具体的な間取りについて、どこの場所を広くしたいか聞いてみると、1位「リビング」、2位「玄関」、3位「キッチンセット」でした(くらしノベーション研究所調べ)。
これらは設備ではなく間取りですが、広い間取りに付随した設備が求められています。主には収納です。例えば、玄関はベビーカーも収納できるような大型の収納が求められ、キッチンでは防災倉庫を兼ね食品庫としても使えるマルチパントリーが求められています。

新しいファミリーニーズとも言える層は今後も増えていき、これまでにないプランや設備のニーズに応える必要があるでしょう。

新しいファミリーニーズについてはバックナンバー「家賃上昇!ファミリータイプの新しいニーズ」でも解説しています。

■家の中で一番広くしたい所は?

マルチパントリー・キッチン/ゆとり玄関

新しいファミリー層が、より高品質な住まいを求めている。間取りや設備の高品質化が必要。

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