ホーム > 患者さま・ご家族の皆さま > 血液と治療の話 > Chapter 3 血液から病因物質を除去する治療法
血液には、からだにとって不要なだけでなく、病気の原因となるような有害な物質が含まれることもあります。そこで、血液中のそうした物質を取り除くことで病気の治療に役立てようという発想から生まれたのが「アフェレシス治療」と呼ばれる血液浄化療法です。
アフェレシス(apheresis)とは、ギリシア語に由来する言葉で、英語では"taking away"、日本語では「分離」「取り去る」を意味する医学用語です。
現在では、自己免疫疾患をはじめ、神経疾患、脂質異常症など、様々な疾患に適用されています。とくに、有効な治療法がない難病治療の分野や、副作用などの影響で医薬品での治療が困難な症例などに大きな貢献が期待されています。
薬物療法は薬物を体に加える「足し算」の治療法であるのに対し、アフェレシスは体から不要な物質を除去する「引き算」の治療とも言われます。これまでとは違う発想の治療法であるため、既存の医薬品や治療法だけでは効果が十分に得られない難病の解決策として有望視されています。
また、薬物療法とは異なり、本来は体にとって「異物」である薬物を体の中に入れないことから、比較的副作用の少ない治療法です。小児や妊産婦など、薬剤投与の制限を受ける患者さまにとっても、からだへの負担を軽減しつつ効果が得られる治療として期待が寄せられています。
基本的な治療のしくみは、血液を専用の医療機器を使って体外循環させ、「膜分離」と「吸着分離」という方式の異なる技術を組み合わせて、血液中からそれぞれの疾患の病因関連物質(自己抗体、有害代謝物、中毒性物質、異常タンパクなど)を除去し、きれいにした血液を再び体内に戻すというものです。
疾患・症状によって除去の対象となる物質や方法は変わりますが、血液から特定の物質を取り除いて治すという基本的なしくみは同じです。
体外循環させた血液中から過剰または不要な物質(病因物質など)を除去。浄化され、本来の状態にした血液を再び体内へ戻す。
<病因関連物質>自己抗体、炎症性物質、有害代謝物、中毒性物質、異常タンパクなど
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