ケブザラでの治療をはじめた後で

ケブザラによる治療をはじめた後には次のようなことに注意をしてください。

治療中に注意して
いただきたい症状
ケブザラ投与でみられる可
能性がある主な副作用
治療中に心がけていただき
たいこと
感染症対策のために行って
いただきたいこと
歯科治療と口腔ケア

①治療中に注意していただきたい症状

これらの症状や普段と違う気になる症状があらわれた場合には、症状が軽い場合でも速やかに医師または看護師・薬剤師にご相談ください。

せき(またはからせき)や痰が出る
のどの腫れ、痛み
くしゃみや鼻水が出る 花粉症などのアレルギーによる場合を除く
微熱がある
貧血
口内炎ができる、
歯ぐきや鼻から出血がある
腹痛またはおなかが張る
食欲がない
皮膚や白目が黄色くなる
疲れやすい、だるい
息苦しい
全身がかゆい
注射部位に発疹や腫れ、
かゆみ、出血などがある

②ケブザラ投与でみられる可能性がある主な副作用

感染症

免疫の働きを抑えるため、鼻咽頭炎や上気道炎などの感染症(場合によっては、肺炎などの重症な感染症)にかかりやすくなることがあります。

白血球減少

白血球の大半を占める好中球とリンパ球は、細菌から体を防御する作用があります。治療中は、これらが減少することがあります。治療中は、定期的に血液検査を行います。

血小板減少

血小板は血を固める働きがあります。治療中は、血小板数が減少することがあり、あざができやすくなったり、歯ぐきからの出血などがみられることがあります。治療中は、定期的に血液検査を行います。

肝機能障害

国内臨床試験において重い肝機能障害はみられていませんが、肝機能検査値(ALTやAST)の上昇がみられました。治療中は、定期的に肝機能検査を行い、肝機能のチェックを行います。

脂質検査値の異常

LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪の値が上昇することがあります。治療中は、定期的に血液検査を行います。

過敏症反応(アレルギー反応)

過敏症反応が生じ、息苦しさ、口内異常感、皮膚のかゆみなどがみられることがあります。また、注射部位が赤く腫れることがあります。


因果関係は不明ですが、生物学的製剤で関節リウマチ治療を行っている患者さんに悪性腫瘍(がん)が発現したことが報告されています。


③治療中に心がけていただきたいこと

ケブザラの治療を正しく行い、副作用の発現を防ぐために、日常生活では次のようなことにご注意ください。

ケブザラ治療中は、2週間ごとに受診による注射または自己注射を行って下さい
毎日の体調を「体調管理ノート」に記録して、診察日に持参してください。

※体調管理ノートは医療機関から渡される <患者さん用スターターキット>に入っています。お持ちでない方は、かかりつけ医にご相談ください。

普段と違う気になる症状がみられたら、次の受診日を待たず速やかに医療機関に連絡して指示をあおいでください。
注射部位に発疹や腫れ、かゆみ、出血などの症状がみられた場合には、主治医または看護師・薬剤師にご相談ください。

④感染症対策のために行っていただきたいこと

外出時にはマスクを着用する
手洗い・うがいの習慣づけ
なるべく人ごみを避ける
睡眠と栄養を十分にとる
無理をしない、ストレスをためない
発熱やのどの痛みなど、風邪の兆候を感じたら、速やかに受診する
肌の荒れや傷などのスキンケアを心がける

⑤歯科治療と口腔ケア

ケブザラの治療中に歯科治療を行うときは、あらかじめ主治医にご相談ください。
歯みがきや入れ歯の手入れは、毎日必ず行いましょう。

手のこわばりが強い時は、歯みがきのかわりにマウス・ウォッシュなどを使うとよいでしょう。菌の繁殖を防ぐために、うがい薬や保湿性ジェルで口の中の乾燥を防ぎましょう。

歯ブラシは、グリップが太く、軽くて持ちやすいものを選びましょう。電動歯ブラシもおすすめです。

感染症の予防法として、歯みがきや入れ歯の手入れは重要です。最近の研究では、歯周病菌が関節リウマチの悪化の要因の1つになっている可能性が高いという報告もあり、歯科治療や口腔ケアの重要性がますます高まってきています。

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歯科治療と口腔ケア

【監修】 社会医療法人善仁会 宮崎善仁会病院 リウマチセンター 所長 日髙 利彦 先生(看護部一同)