施設訪問してみました!

未検査、未治療の人を減らしたい思いで地域医療に取り組む。

施設訪問してみました!

未検査、未治療の人を減らしたい思いで地域医療に取り組む。

医療法人メディカルトラスト 理事長
髙木整形外科医院
室戸メディカルクリニック
髙木俊人先生

プロフィール

生まれ育った地元で開院し、地域医療の課題に向き合いながら、質の高い医療サービスの提供に尽力されている髙木先生。地方でも最先端の診療は可能という思いから、各種検査機器や理学療法の設備を充実させ、日々の診療に臨んでいます。最先端への思いは、再生医療の積極的な導入や、トップアスリートも来院するというスポーツ外傷・障害への対応など、多岐にわたる取り組みからもうかがい知ることができます。

骨粗鬆症の診療において、どういった点を重視されていますか?

髙木 髙木

まず適切な検査ですね。正確な骨密度測定のために、DXA法による腰椎と大腿骨近位部の骨密度検査を行うと良いと思います。よく「私は骨太で骨密度は問題ない」といわれる方が多いのですが、実際に測ってみると骨密度がかなり低く、治療を急ぐべきケースもあります。そのため正確な検査をし、患者さんに自覚してもらうことが重要だと考えます。また、骨密度測定と同時に腰椎のレントゲン撮影も行いますが、リアルタイムに動態撮影のできる透視装置を導入している施設もあります。動体撮影することで、例えば腰が痛いのは伸ばした時なのか曲げた時なのかを、腰椎の動きをみながら確認することができ、より的確な疼痛のコントロールに生かされます。

痛みへの対応を重視されているのでしょうか?

髙木 髙木

骨粗鬆症では、腰椎圧迫骨折を起こしていても無症状の場合が多いですが、それでも半数くらいの方には痛みがあります。そのような患者さんにとっては、骨密度を上げて骨を強くする治療と並行して、痛みをとってあげないと治療に対する満足度が下がってしまいます。満足度の低下は治療継続を妨げることにもなりかねないため、内服薬(NSAIDs:非ステロイド性抗炎症薬)、注射、さらに理学療法を組み合わせるなど工夫しながら疼痛コントロールを行っています。

日常生活のアドバイスをお願いします。

髙木 髙木

くすりや運動だけでは十分とは言えず、日々の食事や姿勢も非常に重要だと考えます。食事の内容や運動の方法については、患者さん向けの冊子を紹介しながら、アドバイスを行っています。例えば、食生活においては、カルシウムを多く摂取するよう心掛けるなど、無理なく自分でできることから始めることが大切です。

骨粗鬆症には、今後どんな取り組みが必要だと思われますか?

髙木 髙木

骨粗鬆症では未検査、未治療の患者さんが多く、特に当院の位置する徳島の県南エリアでも顕著だと感じています。一生のうち整形外科の手術をする人は全体の約10%で残りの80~90%は手術をしないと言われています。骨粗鬆症も無症状が多く、これを解消していくには整形外科医がもっと発信していく必要があると思い、私も外へ出て一般の方向けに講演するなどの啓発活動を積極的に行うようにしています。その際には、がんや高血圧などの他疾患などを引き合いに出しながら、「骨粗鬆症も生存率に影響すると言われていますよ」という話をすると、皆さんに興味をもっていただけます。
健康寿命を伸ばすためにも、この記事をご覧になられた皆さんも一度近隣の病院で骨密度検査をしてみるのをお薦めします。

病院紹介

髙木整形外科医院
徳島県小松島市松島町8-23

2019年開院。Jリーガーやアイランドリーグの野球選手など、トップアスリートのスポーツ障害から高齢患者さんの慢性疾患まで、幅広く対応する整形外科医院として地域で頼られる存在となっている。

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