保安防災

方針

旭化成グループでは、本社の保安管理の基本方針をもとに活動を行っています。基本方針に基づいて安全性評価を行い、危険源を特定して、中期計画、年度計画を策定・実行していくことにより、自主的な保安確保の取り組みを続けています。
旭化成グループRC方針に基づき、地球環境、品質保証、労働安全衛生および健康を、経営の最重要課題と認識し、開発から廃棄にいたる製品ライフサイクルすべてにわたり、あらゆる事業活動においてこれらに配慮しています。また、法を遵守することはもとより、自ら目標を立て継続的な改善を行い、さらに積極的に情報を公開し、コミュニケーションを重ねることにより、社会の理解と信頼を得る努力を継続しています。

保安管理の基本方針

安定操業及び保安防災に努めるとともに労働災害の防止を図り、従業員と地域社会の安全を確保する


水島製造所および川崎製造所においては、「高圧ガス自主保安認定」を経産省より取得し、自主的な設備完成検査、運転時検査等を通して安定・安全運転の継続、保安の確保に注力しています。2017年度は、川崎製造所で自主保安認定更新審査を受け、前年度の水島製造所に引き続き、最高レベルである「A判定」(取り組みは優良であり、他事業所の模範となるレベル)評価をいただきました。

高圧ガス保安管理の基本方針

  • 安全は、経営の基盤をなす重要な要素であり、あらゆる事業活動の基本とする。
  • 一人ひとりが安全に責任を持ち、現場確認の徹底により全員で安全を確保する。
  • 安全に関するPDCAサイクルを回し、安全レベルを継続的に向上させる。
  • 危険性を評価し、危険性の除去・低減対策を絶えず講じる。
保安管理システムの体系
保安管理に係るPDCAサイクル

プラントの保安防災管理

保安防災管理においては、プラントの機能を健全に保ち、安定・安全に運転することが重要です。当社グループでは、プラント建設時にリスクアセスメントを行うと同時に、既設プラントに対して火災・爆発防止専門監査、異常反応防止&インターロック機能保全や、老朽化などの視点によるプロセス見直しを繰り返すことにより、プラントにおける保安事故の撲滅を図っています。
2013年度以降、異常反応防止&インターロック機能保全の視点で現地確認を行い、ハザードの洗い出しを行いました。ハザードの大きな件名に加えて、過去発生した事故、トラブルに関する技術資料をまとめてきました。2015年度からは管理者および運転員が経験したことが無いトラブルが発生しても、原因追究を正確に行い、的確に行動できるように教育・訓練を行っています。また、本社環境安全部による第三者検証を行い、各製造現場で議論を重ね、トラブルに対して的確に行動できるような異常処置行動訓練まで落とし込む活動を行っています。
2017年度も、国内海外での保安重大事故はありませんでした。

設備新設・増設時の事前審査

設備投資に関する事前審査システム

プラント建設前にはプロセス危険性評価を行い、プラントの高い安全性を確保しています。当社グループが定める「設備投資に関する事前審査基準」に基づき、一定規模以上の設備の新設、増設、改造などに対して「設備投資事前安全審査」および商業運転に入る前の「試運転前安全審査」を行い、安全性確認を行っています。この活動は、国内はもちろん海外の設備に対しても適用しています。
この事前審査の中で行う「安全性評価(SA)」は、危険度ランクの高い設備に対してはHAZOPなどの手法によるリスクアセスメントを必ず実施しています。また危険度ランクの低い設備であっても、重要設備についてはリスクアセスメントを行っています。

プラントの安全・安定生産への取り組み

当社グループは、マテリアル・住宅・ヘルスケアの事業領域があり、それぞれ特徴を持ったプラントを有しています。安全確保を図る上でも、プラントの特性に適した方法が必要になってきます。
この考え方に則り、「計画保全システム」を構築し、保全PDCAを回しています。計画保全システムの特徴は、工場ごとに機器別に保全方法や周期等を定めた「機器別管理基準」を策定し、管理を行っていることです。
また、グループ横断的な活動として、グループ設備技術会議を設置し、その下位組織として、4つの専門部会を設けて、①最適な計画保全体制の構築、②基準・標準類の整備、③保全技術者育成システム構築、④技術情報の共有化等の施策推進を行っています。この保全活動を推進することにより、プラントの安全・安定生産を確保していきます。

保全教育

保全育成システム

保全とは、「製造目標を達成するに必要な設備の状態をつくり出す力」のことをいいます。その取り組みが計画保全システムにより保全PDCAを回すことですが、その基盤は人財です。一人ひとりが基礎となる技術をしっかり身につけ、それをチーム力に変えることが大切です。
当社グループでは「保全人財」育成のために、2009年度から「保全人財育成カリキュラム」を開始しました。これは、保全技術者の「育成理念」を明確にした上で、その理念を実現するための「個人別育成カリキュラム」を個人ごとに作成し、グループ共通のPDCAを回すというものです。現在約530人がこのシステムを運用し研鑚を積んでいます。
また2014年度にはこれまでの活用を踏まえ、システムの更新を完了しWeb上で管理できる新システムがスタートしました。本システムにより育成状況が完全にデータベース化されることになり、データ入力の効率化、育成監査の資料作成等が簡単に行えるようになりました。
さらに、2015年度から座学講習会等の参加申し込みもWeb上で行い、講座認定取得結果もこの中で管理しています。

保安防災教育

化学プラントを操業していく上で必要な技術習得を目的として、水島、川崎地区に教育・訓練センター「旭オペレーションアカデミー(Asahi Operation Academy ;略称AOA)」を設置しています。ここでは、設備の原理・構造について学ぶとともに設備故障部位の特定能力と対応能力を向上させるために、教育用ミニプラント、シミュレーターを使用し、技術技能訓練、単体機器操作訓練、プラント運転訓練などを行っています。異常を発生させない適切な処置を学ぶことができ、異常兆候を早期に把握する能力を向上させることによって、不測の事態にも対応できる「設備とプロセスに強いオペレーター」の育成を行っています。
また、労働災害の恐ろしさや安全作業基準の意味を体で理解させる安全体験訓練を実施しています。挟まれ・巻き込まれ、被液、躓き・転倒、火傷、墜落等の危険体験に加え、人の行動特性や災害事例の教育を併せて行い、安全の感性を向上させ基準・ルールを守り常に危険を回避する行動がとれる人財を育成しています。

(AOA)シミュレーター実習
(AOA)バルブ分解・組立実習
(AOA)安全体験実習(被液想定)

緊急事態への対応

当社グループでは、保安事故あるいは大規模地震などの緊急事態が万一発生した場合に備え、防災体制を内規に定め運用しています。
生産地区では、緊急事態発生時の人的安全の確保と隣接地域への影響を最小限に留めるために、円滑な防災活動を行えるように体制を整えています。そのため、防災訓練等の年間スケジュールを立て、本社と一体となった定期的な防災訓練を実施しています。

延岡支社総合防災訓練
延岡支社津波避難訓練

物流安全

物流防災訓練(硝酸漏洩想定)

当社グループでは、物流事故を未然に防止するために、製品の保管、荷役、輸送業務を委託する物流会社とともに、物流安全大会、安全連絡会議、安全査察、教育等さまざまな安全活動に取り組んでいます。また、万一の物流事故に備えて、物流会社と工場とが一体となった物流総合防災訓練を行い、被害の拡大防止対策を図っています。
これに加えて、緊急時の防災対応力のさらなる強化を目的として、2017年1月に一般財団法人海上災害防止センターと契約し、同法人の「危険物質事故対応サービス:HAZMATers(ハズマッターズ)」を導入しました。本サービスを起用することで、より専門性の高い事故対応態勢を24時間365日確保するとともに、万一の事故発生時には、専門要員による実効性の高い迅速な事故処理活動により、事故被害の早期拡大防止体制が強化されました。