| 弊社は、かねてより「トレドミン錠」(一般名:塩酸ミルナシプラン)の抗うつ薬としての製造承認申請を行っておりましたが、9月22日付をもって承認となりました。
「トレドミン錠」は、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬;Serotonin-Noradrenalin
Reuptake Inhibitor)と呼ばれる第4世代の抗うつ薬で、フランスのピエール・ファブル社が開発し、現在フランスを初め世界10カ国で承認されています。
SNRIは、脳内神経接合部において神経伝達物質であるセロトニンおよびノルアドレナリンの再取り込み部位に選択的に結合し、その取り込みを阻害することによって抗うつ効果を発現させる薬剤です。また、他の神経伝達物質受容体に対しては親和性が認められず、安全性が高いという特徴を有しています。
従来、「うつ病・うつ状態」の治療には第1世代・第2世代といわれる三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬が主に用いられて来ましたが、一般に効果は強いものの、効果の発現が遅いものが多く、また抗コリン作用や心毒性等の安全性面でも注意が必要でした。
欧米では1980年代に第1世代・第2世代抗うつ薬より安全性を高めた第3世代の抗うつ薬SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が開発され、現在抗うつ薬の主流になりつつあります。なお、今年4月にマレイン酸フルボキサミンが、国内初のSSRIとして承認されております。その後欧米では、1990年代になって、セロトニンだけでなくノルアドレナリンの再取り込み阻害作用を加えることによって第1・2世代抗うつ薬と同等の効果を保ち、SSRIと同等の安全性を有し、さらに効果発現が早いことが期待されるSNRIが第4世代の抗うつ薬として開発され、上市され始めています。国内では「トレドミン錠」が初めてのSNRIとしてこの度承認されました。
うつ病患者数は日本においても増加しており、特に最近では軽症うつ病が増加していると言われております。また、うつ病患者のうち高齢者の占める割合は全体の4割近くと比較的高く、今後さらに高齢の患者が増加することも予想されます。このような状況の中で、効果の発現の早さおよび副作用の面から使い易い抗うつ薬がますます求められており、「うつ病・うつ状態」の薬物治療に「トレドミン錠」が広く用いられることが期待されます。
「トレドミン錠」の概要
<製品名>
トレドミン錠15、トレドミン錠25 Toledomin
<一般名>
塩酸ミルナシプラン Milnacipran HCl
<効能・効果>
うつ病・うつ状態
<用法・用量>
通常、成人には、塩酸ミルナシプランとして1日50mgを初期用量とし、1日100mgまで漸増し、食後、分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、高齢者には、1日30mgを初期用量とし、1日60mgまで漸増し、食後、分割経口投与する。
<製品の特徴>
1. 世代
わが国初のSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬;Serotonin-Noradrenalin
Reuptake Inhibitor)で、第4世代の抗うつ薬に分類される。わが国では、第3世代のSSRIの承認が欧米に比べ遅かったため、SSRIのマレイン酸フルボキサミン(承認1999年4月)とほぼ同時期に第4世代のSNRIである本剤が承認されることになった。
(参考 欧米における抗うつ薬の承認)
1980年代:第3世代 SSRIが上市
1990年代:第4世代 SNRIが上市
2. 薬理作用
| (1) |
脳内神経シナプスにおいて、神経伝達物質のセロトニンのみならずノルアドレナリンの再取り込み部位にも結合して、その取り込みを阻害することにより高い抗うつ効果を発現する。 |
| (2) |
前シナプスのセロトニン1A受容体の脱感作が早く、速効性が期待される。 |
| (3) |
他の脳内神経伝達物質受容体(α1、ヒスタミン1、ムスカリン性アセチルコリン等)に対しては、親和性が認められず、抗コリン作用などの副作用が少ないことが期待される。 |
| (4) |
心機能に及ぼす影響が少なく、安心して使える。 |
3. 臨床上の位置づけ
第1世代 塩酸イミプラミン等三環系抗うつ薬
特徴 : 抗うつ作用が強い。同時に抗コリン作用、心毒性などの副作用が強い。
第2世代 塩酸ミアンセリン等四環系抗うつ薬およびアモキサピン等改良型三環系抗うつ薬
特徴 : 第1世代の副作用がやや軽減された。
第3世代 SSRI
特徴 : 副作用が軽減された。
第4世代 SNRI
特徴 : 抗うつ作用が塩酸イミプラミンと同様に強く、副作用はSSRIと同程度。
以上
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