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「問合わせが多かった条件・設備」に見る入居者ニーズの変化

入居者トレンド

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2023年11月 9日

「問合わせが多かった条件・設備」に見る入居者ニーズの変化

不動産情報サービスのアットホーム株式会社による「不動産のプロが選ぶ!2023年上半期問合わせが多かった条件・設備」が発表されました。1年前の調査と比較すると、入居者ニーズが社会環境を反映して変化しているのがよくわかります。入居者ニーズの変化を探り、そのニーズに対応した賃貸住宅を紹介します。

問い合わせが多かった条件-「ペット可物件に引っ越したい」が上昇

1位は昨年3位だった「転勤のため引っ越したい」です。コロナ禍も落ち着き、経済活動が活発化した現れと言えるかもしれません。合わせて「通学・通勤先の近くに引っ越したい」が6位から4位に浮上。在宅勤務から出社に切り替わる企業も多い中、交通の利便性や単身者の都心回帰のニーズが見て取れます。
また、定番のニーズともいえる「毎月の家賃を下げたい」は1位から3位に後退しました。割合も昨年は36.4%と最も高い数字でした。現在、家賃はどの間取りも上昇傾向にありますが、ある程度は受け入れているとの見方もできます。

ニーズとして注目したいのが、「ペット可物件に引っ越したい」で4位から2位に浮上しました。ペットは昔から強いニーズがありますが、最近さらに高まっている傾向が見られます。その要因の一つがペット可の賃貸住宅が少しずつ増えていることにもありそうです。これまで賃貸住宅ではペット禁止があたり前だったのが、物件によっては可能だということが入居者にも浸透しているのかもしれません。大手の部屋探しサイトからペット専門の部屋探しサイトまでかなり充実しています。しかし一方で、良質なペット物件はまだまだ少ないのが現状で、ここに差別化できるポイントがあります。

もう一つの注目ニーズが「今より平米数を広くしたい」「今より部屋数を増やしたい」「仕事・作業用の部屋がほしい」です。コロナ禍で広がった郊外ニーズは定着しましたが、その理由の一つが、部屋数や広さを求めてのことでした。特にファミリー物件でこのニーズが高く、今後、どのように応えていくかが大きなポイントとなるでしょう。

■不動産のプロが選ぶ!「2023年上半期 問合せが多かった条件」ランキング-条件編

「ペット可物件に引っ越したい」ニーズが高まっているが、まだまだ良質な物件は少なく、差別化できるポイントがある。

「ペット」の条件に対応した賃貸住宅とは

「不動産のプロが選ぶ!」調査から、ペットのニーズが高まっていることが分かりましたが、先述のように、良質な賃貸住宅に限っていうと供給数はかなり少ないのが現状です。SUUMO賃貸に掲載の物件数でいうと、「築5年以内のペット相談可物件」の比率は、東京都で7.4%、大阪府で6.9%とわずかです。

■ペット相談可/不可賃貸物件 都道府県別掲載物件数

築年数の経ったアパートの空室対策として、ペット可にするケースもありますが、賃貸管理上は、あまりお勧めできません。既存の入居者とのトラブルの要因にもなります。
今、ペット愛好家が求めているのは、単なる賃貸住宅ではなく、ペットを家族の一員として共に暮らせる、ペット共生型の賃貸住宅です。

このニーズに応えたのがヘーベルメゾンのペット共生型賃貸住宅「+わん+にゃん(プラスわんプラスにゃん)」です。
その特長は、ペットが暮らしやすい設備や仕様を取り入れただけではなく、ペット専門の管理サポートを導入したことです。入居の際には、ペット専門スタッフや提携ドッグトレーナーがペットの種類や年齢、日常のしつけなどを入念にヒアリング。審査を通った入居者とペットだけを受け入れる仕組みなので、しつけ意識の高い入居者が集まるのはもちろんのこと、他の住戸の入居者も厳しい審査を通った世帯だという安心感がさらなる付加価値を生んでいます。
ペット共生型賃貸住宅は希少性が高いため、駅から遠い立地でも、近くに公園があるなど周辺環境がペットとの暮らしに適していれば、十分にニーズがあり、高い家賃設定も可能です。

■ペット共生型賃貸住宅「+わん+にゃん」

ペット共生型賃貸住宅「+わん+にゃん」の詳しい解説はバックナンバー「人気のペット共生型賃貸住宅 6つのポイント」を参照してください。

ペット愛好家が求めている賃貸住宅はペット共生型の賃貸住宅。設備・仕様だけでなく、ペット専門のスタッフによる管理がポイント。希少性が高く家賃も高く設定できる。

問い合わせが多かった設備-「洗面所独立」「速度の速いインターネット」が上昇

設備のニーズで急浮上したのが「洗面所独立」で、6位から3位になりました。かつてワンルームで主流だった3点ユニットは敬遠され、バス・トイレ別があたり前になってきましたが、さらに洗面台独立のニーズが高まっています。今は単身者でも必須で男女共に高いニーズがあると聞きます。これは男性のスキンケア市場が急成長していることからも想像できます。
築古の物件でもリノベーションで洗面所を独立させることは可能です。検討の余地はあるでしょう。

■リノベーションで玄関横に独立した洗面台を設置した例

在宅ワークやネット動画などの視聴で、必要なのが「通信速度の速いインターネット環境」です。圏外から9位に入り、「インターネット接続無料」は2位にランキングされ、今では必須のインフラ設備となっています。
合わせて「宅配ボックス」も今のネット社会ではニーズが高いのもうなずけます。宅配などの物流に関しては、労働時間の短縮による人出不足となる「2024年問題」が注目されています。再配達削減のためにも「宅配ボックス」の必要性は高まるでしょう。

また「駐車場」ニーズは地方都市では高いようです。ただ、首都圏でも郊外のファミリー人気が定着する中、駐車場のニーズは高まっていくことが予想されます。

■問い合わせが多かった設備

注目したい設備ニーズは「洗面所独立」「通信速度の速いインターネット環境」「宅配ボックス」。入居者のライフスタイルの変化でニーズが高まっている。

新築物件に見る人気の高い最新設備

賃貸住宅の設備は年々グレードが高まっていて、特に新築物件では分譲マンション並みの様々な設備が充実しています。いくつか、その例をヘーベルメゾンから紹介したいと思います。

収納は2人以上のファミリーでは必ず部屋選びの検討材料の一つになります。共働き夫婦二人の賃貸住宅「fufu(フフ)」ではウォークインクローゼットを2つ設置。夫婦それぞれの荷物を収納できます。その他、室内物干しも2つ、食器棚、シューズクロークなど細かい収納も入居者にアピールできるポイントとなります。

2つのウォークインクローゼット/2つの室内物干し/食器棚/シューズクローク

また珍しい設備としては家族の成長に変化できる賃貸住宅「free㎡(フリームス)」の「可動家具」があります。間仕切り壁としても使えるキャスター付きの可動家具で、書斎コーナーやクロークをつくったり、LDKの収納にしたりと、家族の成長に合わせて、間取りを自由に変えることができます。

夫婦二人から、子どもが生まれたら間取りを変化

もう一つ、普及が進んでいるのが太陽光発電を備えた「ヘーベルメゾンZEH」です。昨今の光熱費高騰により、省エネなどの意識はますます高まっています。東京都や川崎市では太陽光発電設置の義務化が始まる予定です(2025年4月予定)。
また、国土交通省でもZEHの普及促進のため、「省エネ性能表示制度」を2024年4月から始めることを決めました。省エネルギー性能を"年間の光熱費の目安"に換算して表示する「目安光熱費」などを表示するもので、大手賃貸ポータルサイトでも準備が進められています。
今後は、ZEHマンションがスタンダードになるかもしれません。

■住宅性能表示の例

賃貸住宅の設備も年々グレードアップしている。新しい設備としては「2つのウォークインクローゼット」「可動家具」「ZEHマンション」などで人気が高い。

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