旭化成CO₂プロセス技術
旭化成CO₂プロセス技術

環境に優しいCO₂技術

ポリカーボネート(PC)製造技術

ポリカーボネートは優れたエンジニアリングプラスチックとして、多用途に使用されています。

ポリカーボネートの主な用途

ポリカーボネートの主な用途

当社は、CO₂とエチレンオキサイドを原料としてポリカーボネートを作る技術を世界で初めて実用化し、世界中のPCメーカーに技術ライセンスを行ってきました。
これは、CO₂を原料として消費する、大変環境に優しい技術です。

旭化成の
ポリカーボネート製造プロセス

旭化成のポリカーボネート合成プロセス

また、この製法では、猛毒ガスのホスゲン、発ガン性の懸念がある塩化メチレンを使用しません。省資源・省エネルギー、廃棄物や要処理排水の少量化、安定した物性・高い品質によるコスト競争力をすべて実現した、画期的プロセスです。

高純度カーボネート(エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート)製造技術

カーボネートは溶剤、塗料、医薬品原料、ガソリン添加剤、リチウムイオン電池(LIB)の電解液原料などに 使われる汎用有機化学品です。
エチレンカーボネート(EC)は常温白色固体、ジメチルカーボネート(DMC)は常温無色液体です。

エチレンカーボネート(EC)

エチレンカーボネート(EC)

ジメチルカーボネート(DMC)

ジメチルカーボネート(DMC)

PC製造技術を活用して、高純度EC、高純度DMCの製造技術のライセンスを開始しました(2019年)。
当社のEC、DMCはそれぞれ50重量%、31重量%がCO₂由来であるため、CO₂を消費する環境に優しいプロセスです。

旭化成
高純度カーボネート製造プロセス

旭化成 高純度カーボネート製造プロセス

このプロセスのもう一つの特徴は、副生物としてモノエチレングリコール(MEG)が得られることです。通常、エチレンオキサイド(EO)プラントは水和反応によりMEGまで生産しますが、本プロセスをEO-MEGプロセスの間に設置することで、本来のMEGの生産に影響を及ぼさずに、DMCが得られるという利点があります。

高純度カーボネートの主な用途
~リチウムイオン電池用の電解液原料

リチウムイオン電池は、電気自動車(EV)などに搭載されている蓄電池です。

高純度カーボネートの主な用途~ リチウムイオン電池と電解液原料

リチウムイオン電池に使用されている電解液は、一般的に下記の5種類の有機溶媒の混合溶媒からなり、さらに電解質としてリチウム塩、添加剤などを含みます。

 
化学名 環状カーボネート
エチレン
カーボネート
(EC)
プロピレン
カーボネート
(PC)
化学
構造
エチレンカーボネート(EC) プロピレンカーボネート(PC)
 
化学名 鎖状カーボネート
ジメチル
カーボネート
(DMC)
エチルメチル
カーボネート
(EMC)
ジエチル
カーボネート
(DEC)
化学
構造
ジメチルカーボネート(DMC) エチルメチルカーボネート(EMC) ジエチルカーボネート(DEC)

当社の技術で作る高純度ECや高純度DMCは、純度が高く、電解液用途で使用することが可能です。
当社技術で作られた高純度EC、高純度DMCは、電解液メーカーで電解液に調製され、LIBメーカーへと運ばれてLIB材料として使用されます。

高純度カーボネートの主な用途~ リチウムイオン電池と電解液原料

当社は、CO₂を出さず環境に優しいEVに使用されるLIB電解液の原料も当然環境に優しい技術で作る必要があると考えます。
実際に、環境意識の高い欧州をはじめ多くのメーカーから高純度カーボネート製造技術の引き合いを多く頂き、世界中でライセンス活動を進めています。

CO₂技術による貢献実績

当社は、2000年以降、これまで世界中にライセンス技術を供与してきました。

CO₂の原料としての消費量

当社技術で1年間に原料として消費するCO₂の総量は原油約75キロトン分の燃焼によるCO₂排出量に相当し、約300km²分のスギ人工林が1年間に吸収するCO₂量に相当します。

CO₂の原料としての消費量

表彰実績

2014年までの代表的な表彰実績を示します。各方面から高い評価を受けて、他にも多数の賞を受賞しています。

受賞名 受賞日 表彰団体
第2回グリーン・サステイナブルケミストリー賞 2003.3.14 GSCネットワーク
ICIS Innovation Awards 2007 2007.12.14 ICIS Chemical Business
2014 Heroes of Chemistry Award 2014.8.10 American Chemical Society

更なる低炭素社会
~カーボンニュートラル化に向けて

バイオエチレンオキサイド(Bio-EO)技術の活用

通常エチレンオキサイドは石油・天然ガスなどを原料とするエチレンから作られます。
CO₂を吸収するバイオマスから合成されたバイオエタノール(Bio-EtOH)を原料としてBio-EOを作るメーカーとの提携により、更にCO₂排出量を削減した、環境に優しいプロセスを世界に提案しています。

バイオエチレンオキサイド(Bio-EO)技術の活用

バイオマス原料を活用したバイオLIB電解液の実現

Bio-EO技術の他、バイオマス由来のメタノール(Bio-MeOH)と再生可能エネルギーを使用することによる、100%バイオ由来のLIB電解液の実現を目指しています。
このプロセスにご興味のある方は、是非ご連絡ください。共に実現を目指しませんか?

バイオマス由来
高純度カーボネート製造プロセス

バイオマス由来 高純度カーボネート合成プロセス

環境ソリューション事業本部
技術ライセンス部