労働安全衛生

旭化成グループでは、従来の安全活動(3S※1、HHK※2、危険予知、パトロール、事例検討等)にリスクアセスメント、PDCA※3のマネジメントを導入した予防処置型安全衛生活動(労働安全衛生マネジメントシステム※4)で労働災害防止活動を推進しています。

従来の安全活動 リスクアセスメント PDCAマネジメント OHSMS 労働安全衛生マネジメントシステム
安全活動との関連

労働災害防止の進め方

潜在危険性の抽出

有効な労働災害防止対策を実施するには、職場の潜在危険性を抜けなく挙げることが必要です。そのためには、従来の安全活動に強制発想(トラブル想定)の視点を加えて、モノの不安全な状態(設備、有害物、騒音等物理的有害環境など)や人の不安全な行動、さらに、その組み合わせで発生する危険事象に対する災害想定を幅広く実施することが重要です。

リスク評価

モノの不安全な状態 人の不安全な行動 強制発想トラブル想定 従来の安全活動3S、HHK、危険予知、パトロール、事例検討等 潜在危険性の抽出(災害想定) リスク評価(重篤性・頻度によるリスク算出と優先付け) 重大リスク低減対策 本質安全化安全防護 管理の手法安全作業基準遵守活動
労働災害防止の全体像

抽出された職場の潜在危険性について災害の重篤性と災害に遭遇する頻度との組み合わせから、リスク点数を算出し、優先順位を付けます。リスク点数の高い重大リスクから低減対策を実施します。

重大リスク低減対策

重大リスク低減対策としては、モノの不安全な状態を安全化する本質安全化(危険作業排除、自動化、トラブルゼロ化、安全な物質への転換など)と安全防護が極めて有効です。当社グループでは重篤な災害に至りやすい、機械への挟まれ・巻き込まれ型災害の対策として、機械設備等の本質安全化と安全防護(隔離と停止)による対策を重点的に推進しています。

本質安全化・安全防護対策

安全対策1本質安全化、安全性の達成度100% 安全対策2安全防護、安全性の達成度80% 安全対策3管理の手法表示・警告等、安全性の達成度20% 安全対策4管理の手法マニュアル・評可制等、安全性の達成度20% 出典:中央労働災害防止協会(1999)「職場のリスクアセスメントの実際」p.26
安全対策構築の原則

安全対策構築の原則に則って、設備の新設・変更・既存設備見直し・事故発生時の対策等として本質安全化と安全防護による対策を推進しています。

安全作業基準遵守活動

当社グループでは、設備等の改善が難しい作業に関しては、特別管理作業と位置づけて管理するとともに、安全作業基準遵守活動にて安全の確保に努めています。具体的には、日々の業務での安全作業基準遵守状況をチェックするなど、工夫して実行しています。

労働災害発生状況

災害件数/事故の型

2015年度の国内休業災害15件を事故の型で分類すると、これまで重点的に取り組んできた「機械への挟まれ・巻き込まれ」は昨年度に引き続いて発生ゼロで、過去10年間(2005~2014年度)の実績の15%と比較しても大きく減少しましたが、引き続き生産部場では、重篤災害に至りやすい「機械への挟まれ・巻き込まれ」の危険源を重点的に抽出し、本質安全化と安全防護によるリスクの低減を推進します。2012年から設備の専門家や他地区・他事業会社の人の新たな視点を入れて工場の既存設備を総点検する活動を開始し、継続しています。さらに、国際規格ISO12100に基づく機械安全のための指針類を制定し、2014年度から設備の新設・改造時に設計者が機械リスクアセスメントを行い、設備審査時に関係者が審議を行っています。
また「転倒」、「墜落・転落」および営業車を中心とした「交通事故」の3つで、事故の型の実に80%を占めています。非生産部場(営業・本社等)でも起きる、いわゆる生活災害を防止するため、生産部場とともに非生産部場でも安全活動の活性化と安全文化の醸成を、引き続き推進していきます。

休業災害15件 交通事故27% 転倒33% 墜落・転落13% 動作の反動・無理動作13% 有害物との接触7% その他7%
休業災害事故の型(2015年度 国内)
休業件数117件 交通事故23% 機械への挟まれ・巻き込まれ15% その他挟まれ3% 転倒19% 墜落・転落13% 動作の反動・無理動作12% 火災1% 爆発・破裂2% 高温物との接触5% 飛来・落下3% その他5%
休業災害事故の型(2005~2014年度 国内)
2005年度旭化成グループ0.23%、化学工業0.9%、製造業1.01% 2006年度旭化成グループ0.36%、化学工業0.88%、製造業1.02% 2007年度旭化成グループ0.21%、化学工業1.1%、製造業1.09% 2008年度旭化成グループ0.16%、化学工業0.84%、製造業1.12% 2009年度旭化成グループ0.21%、化学工業0.72%、製造業0.99% 2010年度旭化成グループ0.21%、化学工業0.72%、製造業0.98% 2011年度旭化成グループ0.36%、化学工業0.88%、製造業1.05% 2012年度旭化成グループ0.16%、化学工業0.85%、製造業1% 2013年度旭化成グループ0.40%、化学工業0.82%、製造業0.94% 2014年度旭化成グループ0.2%、化学工業0.76%、製造業1.06% 2015年度旭化成グループ0.30%、化学工業0.81%、製造業1.06% ※旭化成グループは年度、化学工業と製造業は暦年
グループ休業度数率※1
2005年度旭化成グループ0.005%、化学工業0.07%、製造業0.09% 2006年度旭化成グループ0.042%、化学工業0.1%、製造業0.11% 2007年度旭化成グループ0.05%、化学工業0.05%、製造業0.1% 2008年度旭化成グループ0.07%、化学工業0.07%、製造業0.1% 2009年度旭化成グループ0.008%、化学工業0.13%、製造業0.08% 2010年度旭化成グループ0.005%、化学工業0.04%、製造業0.19% 2011年度旭化成グループ0.169%、化学工業0.04%、製造業0.08% 2012年度旭化成グループ0.153%、化学工業0.12%、製造業0.1% 2013年度旭化成グループ0.013%、化学工業0.12%、製造業0.1% 2014年度旭化成グループ0.005%、化学工業0.17%、製造業0.09% 2015年度旭化成グループ0.005%、化学工業0.04%、製造業0.06% ※旭化成グループは年度、化学工業と製造業は暦年 ※2011年度は機械挟まれによる死亡災害、2012年度は転倒による後遺症災害(障害等級2級)が各1件発生し、強度率が極めて高くなった
グループ強度率※2

労働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS)の定着

2002年からOHSAS18001規格をもとに導入を開始し、2009年度以降は導入部場が全部場の90%を超え、定着化への活動を推進しています。

快適職場形成の改善活動

化学物質などの管理として、有機溶剤中毒予防規則・特定化学物質障害予防規則・粉じん障害防止規則などが適用される単位作業場では、作業環境測定法に基づく測定を毎年実施しています。
また、放射性同位元素取り扱い作業場も管理区域の線量率測定を定期的に実施し、規制値以下に維持管理しています。騒音ならびに暑熱に関しては、作業環境測定データをベースに作業管理を行い、個人への負荷を下げる管理を実施しています。引き続き、設備改善対策や作業見直しなどの改善を進めています。

「旭化成マイクロシステム(株)延岡事業所の安全管理・活動について」

  1. 1.活動の目標と成果

当事業所は、「電子コンパス」をはじめ、AKMブランドLSIの国内生産拠点として、社員、関係・協力会社従業員合わせて、約800名が働いています。2005年に中央労働災害防止協会OSHMS認定事業所登録を受けて以来、11年間、「全員参加と干渉排除」を事業所安全活動のキーワードとして活動しています。その成果として、この1年の間に5件の安全表彰を社内外からいただきました。そして、2016年5月には、「日化協 安全優秀賞」(一般社団法人日本化学工業協会)を受賞することができ、私たちの大きな励みになっています。

  1. 2.活動のポイント

労働災害防止の全体像は、「モノの不安定な状態」と「人の不安全な行動」の強制発想によるリスク想定・対策と、5S,HHK,KY,三権巡視などの活動の繰り返しです。このサイクルを回す上で欠かせない要素として、1)個人の育成、2)風通しのよい風土、3)基準(ルール)を守る文化が重要であると考えています。
「個人の育成」は一例として、16年間の歳月で築いてきた「5S活動」があります。「369人のエリア責任者が自エリアの状況を把握して、改善活動を企画・実行する」ことで、育成が図られてきました。
「風通しの良い風土」においては、『安全活動の基本は全員参加』という歴代トップの方針が、一人ひとりに行き渡る風土づくりを目指しています。
また、「基準(ルール)を守る文化」については、2009年から継続している「手摺り持ち遵守活動」の実施があります。階段昇降時の手摺持ちルールは、これさえ守れないのなら安全ルールを守ることはできないと判断し、また、トップの想いが広く周知されたとはいえません。当初、9割だった遵守率が現在100%となりましたが、さらに所内で働く請負会社の皆さんとも相互指摘を行い、会社間の「風通し」にも心掛けながら活動を推進しています。

  1. 3.今後の取り組み

2016年初、無災害(休業)記録がのべ1,000万時間を超え、目標としていた休業度数率≦0.1を達成しました。今後も油断することなく、さらに上のレベルの安全活動に邁進し、価値ある国内生産拠点を目指します。また、会社外の通勤災害や交通加害事故防止にも注目し、「個人の育成」を目指します。

受賞記念樹越しにAKM延岡事業所
日化協安全表彰授賞式(左から津田事業所長、田村昌三東大名誉教授、真杉環安課長)

アスベスト問題への対応

旭化成ではアスベスト問題に対して、以下のように対応いたしました。

工場を含む旭化成グループ所有建物の対応

旭化成グループが所有する工場を含む旭化成グループ所有建物のアスベスト調査を実施し、「石綿障害予防規則」に基づいた除去、封じ込め、あるいは囲い込み等の対応を計画的に実施いたしました。

工場におけるジョイントシール類のアスベスト代替化促進

アスベスト代替化が難しいとして使用猶予(ポジティブリスト)された部材についても技術開発および実証試験で代替化することができました。

当社グループを退職された方の健康面への対応

旭化成グループでは石綿障害予防規則が適用される「アスベストを製造し、または取り扱う作業」はありませんが、旭化成グループの在職中に保全等で臨時的に石綿を取り扱った経験がある退職者の方から申し出があった場合は健康診断を受けていただくとともに、その後のフォローをさせていただいております。

旭化成グループ退職者のみなさまへ