ファスジル製剤(注射剤および点眼剤以外)のライセンス契約締結について

2019年11月25日
旭化成ファーマ株式会社

 旭化成ファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:青木 喜和、以下「当社」)は、当社が開発したRho-kinase(ローキナーゼ)阻害薬「ファスジル塩酸塩水和物(以下、ファスジル)」について、このたび下記の通り米国Woolsey Pharmaceuticals, Inc.(本社:米国ニューヨーク市、社長:Sven Jacobson、以下、「ウールジー社」)と注射剤および点眼剤以外の製剤に関するライセンス契約を締結しましたのでお知らせします。

 「ファスジル」は特徴的なRho-kinase 阻害作用を有しますが、近年、Rho-kinase機能の解明が進むにつれて、多くの疾患に対して「ファスジル」が効果を示すことが期待されており、希少神経変性疾患治療薬の開発に注力しているウールジー社に導出することとなりました。
 なお、「ファスジル」の注射剤(日本販売名「エリル点滴静注液30mg」)は、当社が日本および中国において「くも膜下出血術後の脳血管攣縮及びこれに伴う脳虚血症状の改善」の適応症で販売しており、同疾患の治療に広く使用されています。

 当社は、ウールジー社のリバイバル創薬により「ファスジル」が希少神経変性疾患の治療に貢献することを期待しています。

<ライセンス契約内容>

  1. (1)
    対象品
    注射剤および点眼剤以外のファスジル製剤
  2. (2)
    対象疾患
    脳卒中、冠動脈疾患以外の全疾患
  3. (3)
    ライセンス先
    ウールジー社
  4. (4)
    供与するライセンス権
    日本、韓国、中国(香港、マカオを含む)、台湾以外の全世界における開発権・製造権および独占的販売権

<ウールジー社の概要>

会社名
Woolsey Pharmaceuticals, Inc.
本社
米国ニューヨーク市
社長
Sven Jacobson
事業内容
2019年に設立されたプライベートカンパニー。承認済みの薬剤を用いて他の適応で開発を行うリバイバル創薬に特化している。

<ご参考>用語説明

  1. 1.Rho-kinase(ローキナーゼ)

    Rho-kinaseは、細胞内情報伝達に関与する蛋白質リン酸化酵素であり細胞の収縮、増殖、遊走、アポトーシス、遺伝子発現誘導など重要な生理機能に関与していることが明らかになってきている。
    血管平滑筋に存在するRho-kinaseが異常に活性化されると、血管平滑筋の収縮が亢進され、 その結果生じる血流障害により組織の機能異常が起こる。また神経細胞が傷害を受けたときRho-kinaseの活性化が起こり神経細胞突起の退縮、神経細胞のアポトーシスが誘導される。Rho-kinase阻害薬である「ファスジル」は、 これらを抑制するとともに、付随しておこる各種組織障害を効果的に改善することができる。

  2. 2.脳血管攣縮(れんしゅく)

    くも膜下出血後に生じる、脳血管が強く収縮し脳血流が低下する合併症。くも膜下出血発症数日後に、急に具合が悪くなり、手足のまひ、ろれつが回らないなどの言語障害が現れてくることがある。

  3. 3.希少神経変性疾患

    神経変性疾患は遺伝子変異、エピゲノム異常、RNA代謝異常、蛋白凝集、ミトコンドリア異常、グリア細胞異常などによる神経細胞の脱落によりおこる疾患であり、脱落する部位により様々な神経症状を呈する。ハンチントン病、プリオン病、筋萎縮性側索硬化症などが希少神経変性疾患として知られている。

以上