旭化成が開発した多孔質マイクロキャリア


BioCradle™の顕微鏡図

細胞付着時のBioCradle™蛍光顕微鏡図
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旭化成が開発した多孔質マイクロキャリア


BioCradle™の顕微鏡図

細胞付着時のBioCradle™蛍光顕微鏡図
BioCradle™は、旭化成が長年培ってきたセルロース加工技術を応用して開発した、セルロース製多孔質マイクロキャリアです。粒子表面にDEAE基(ジエチルアミノエチル基)を付加してカチオン性にすることで、動物由来成分を用いずに細胞接着性を確保しています。
一般的なマイクロキャリアは粒子表面でのみ細胞を培養可能ですが、BioCradle™の場合は粒子表面に空いた孔を介して粒子内部でも細胞が増殖できるため、より高密度な培養が可能となります。
さらに、粒子内部に入り込んだ細胞はせん断応力をはじめとする物理的刺激から保護されるため、細胞の生存率向上にも寄与します。
DEAE架橋セルロース
マイクロキャリアは接着性細胞の培養に使用する粒子状の足場材で、細胞を接着させた状態で培養液中に浮遊させて使います。これによって、スピナーフラスコやバイオリアクターなど、浮遊性細胞と同じシステムで接着性細胞を培養することが可能となります。
シャーレ、フラスコ、ローラーボトル等を用いた培養と比較して、省スペースで大量の細胞培養が実現できることから、マイクロキャリアはワクチン製造、バイオ医薬品製造、再生医療などの分野で広く活用されています。


BioCradle™は、一般的な表面型のマイクロキャリアとは異なり、細胞が粒子表面だけでなく、粒子内部でも生育できるという特長を持っています。
これによってマイクロキャリア1粒子当たりの細胞接着キャパシティが高まり、より高密度な接着培養が可能となります。
下の写真は、CHO細胞を培養する前と後のBioCradleを切断し、その断面を撮影したものです。
培養後は、粒子内部まで余すことなく細胞が増殖していることがわかります。
BioCradle™は粒子内部に入り込んだ細胞をせん断応力をはじめとする物理的刺激から保護するため、スケールアップに適したマイクロキャリアだと言えます。
下記データは、BioCradle™と市販の表面培養型マイクロキャリアを並べ、せん断応力の変化に伴う細胞数への影響を比較したものです。
BioCradle™を使った場合、せん断応力の変化に伴う細胞数への影響が小さくなっており、せん断応力変動に対するロバスト性がもたらされていることがわかります。

ワクチン製造に一般的に用いられる接着細胞であるVero細胞(CCL-81株)を用いて細胞増殖性を評価したところ、高荷電容量タイプのBioCradle™ Hで市販の表面培養型粒子(A,B)より2~4倍程度高い細胞密度になることが確認されました。
本サイトに使用しているデータは全て、自社で評価したものです。
BioCradleには低荷電タイプの「L(Low)」と、高荷電タイプの「H(High)」の2タイプのラインナップがございます。
細胞種によって相性の良し悪しが生じる可能性がございますので、まずは無償サンプル(各2 g)にて両タイプをお試しいただき、ご使用の細胞に合ったタイプをお確かめください。
| 物性 | BioCradle™ H | BioCradle™ L |
|---|---|---|
| 素材 | セルロース | |
| 粒子径 | 200 – 280 μm | |
| 置換基 | N,N-ジエチルアミノエチル(DEAE)基 | |
| 容量 | 20g, 1000g | |
| 荷電容量 | 1.65 - 1.95 mmol Cl⁻/g | 0.90 - 1.20 mmol Cl⁻/g |
| みかけ比重 | 1.03 g/mL | |
| 粒子重量当たりの表面積 | 11,000 cm2/g (乾燥重量) | |
| 平均開孔径 | 30 μm | |
| 膨潤体積 | 43 - 55 ml/g | 42 - 46 ml/g |
| 製品名 | カタログ No. | 内容量 |
|---|---|---|
| BioCradle™ H20 | BCRH0020 | 20g |
| BioCradle™ H1000 | BCRH1000 | 1000g |
| BioCradle™ L20 | BCRL0020 | 20g |
| BioCradle™ L1000 | BCRL1000 | 1000g |
BioCradle™は旭化成の登録商標です。