二世帯住宅の玄関別で分けるべき場所と間取りヒント

二世帯住宅

二世帯住宅を建てるとき、玄関を共有にするか、別にするかは多くの人が悩む点です。
年代の異なる2つの家族が二世帯住宅で共に暮らす中では、さまざまなストレスが生じる可能性があります。そのような悩みを解決するには、生活パターンの違いを考慮した二世帯住宅にする必要があるでしょう。

例えば、共有スペースを持ちながらも、玄関を別にすることで解決できる問題は数多くあります。完全に世帯を分離してしまうと二世帯住宅の良さが薄れてしまうかもしれませんが、玄関を別にして動線を変えることで、生活時間のズレなどが気にならなくなることが期待できるでしょう。

ここでは、玄関を別にすることで得られる二世帯住宅のメリットや設計する際のヒントとなるポイントについて解説していきます。

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  1. 玄関を別にすることで同居満足度が上がる?
  1. 玄関を1階に作るなら。場所やおすすめの作り方は?
    1. 生活リズムが違う場合は玄関アプローチの位置を離して完全分離
    2. 程よい距離感を大切にする場合は玄関を並べて配置
    3. 上下分離型の間取りでも玄関を1階に作るケースが多数
    4. 玄関が別でも行き来できる鍵付きのドアでコミュニケーションを確保
  1. 玄関を2階にして外階段を作るときに考えておきたいこと
  1. 玄関の数でかかる費用が違う?別々の玄関にするとコストがよりかかる
  1. 玄関を別にすることで得られるメリットとは?
    1. 完全分離型(独立二世帯)を選択すれば独立性が増しプライバシーの確保も
    2. 賃貸として貸し出すなど将来の活用にも有利
    3. 玄関が別でも相続や固定資産税の優遇はある
  1. 【コラム】絶対に玄関を分離しないとダメ?玄関を一緒にした場合のメリットは
  1. まとめ

玄関を別にすることで同居満足度が上がる?

実際に二世帯住宅に住んでいる人は、どのように感じているのでしょうか。
ヘーベルハウス「二世帯住宅研究所」では、2016年12月に、キッチン・浴室・玄関を別々にして暮らす「独立二世帯住宅」と、LDK・浴室・玄関を共有して暮らす「一体同居住宅」について、同居満足度などの調査を行いました。

この調査によると、同居満足度は「独立二世帯住宅」が93.6%だったのに対し、「一体同居住宅」では66.3%でした。
また、「独立二世帯住宅」では、70.1%が「別々の家に住んでいる感覚」を持っていたものの、親・子世帯の関係は、「母・義母とよく話をする」が73.2%、「気軽に子どもの世話を頼める」が77.1%と、関係の良好さがうかがえる結果でした。

玄関を共有している場合、親世帯にとっては、自分たちの生活スタイルとは違う子世帯の帰宅時間や就寝時間の遅さなどが気になり、つい口出ししてしまうなど心配し過ぎてしまう可能性もあります。

子世帯にとっても、仕事などで夜遅く帰宅する際に、鍵を開ける音などで起こしてしまわないか、親世帯に気兼ねしてしまう可能性もあるでしょう。休日に友人が遊びに来る際も、遠慮が生じてしまうかもしれません。

二世帯住宅を建てる際には、事前にどこを共有し、どこを分離するかをよく考えることで、ストレスを回避することができます。毎日家族が出入りする玄関を設計段階から別々にしておけば、満足度を上げる効果が得られる可能性が高まります。
こうした必要性を踏まえながら、次では玄関を別に建築する際のポイントを見ていきましょう。

▼関連記事

・二世帯住宅の不安を解消!完全分離型の快適な住まいづくり ・二世帯住宅がもたらすメリットとは?快適に住むために知っておくべき3つの間取りスタイル

玄関を1階に作るなら。場所やおすすめの作り方は?

二世帯住宅の間取りは、土地の大きさなどで変わってきますが、2つの玄関を1階に配置する場合について、建築のヒントとなる例を見ていきましょう。

1. 生活リズムが違う場合は玄関アプローチの位置を離して完全分離

親世帯・子世帯の玄関アプローチを離れた場所に置くことで、遅い時間の帰宅や、鍵の開け閉めの音、友人の訪問など、お互いへの気兼ねを軽減することが期待できます。それぞれの玄関アプローチの間に、植栽スペースなどを配置することで、お互いの来客の様子も見えづらくなり、よりプライバシーが確保されます。

2. 程よい距離感を大切にする場合は玄関を並べて配置

双方の玄関を近くに配置することでコミュニケーションが取りやすくなります。また、親世帯・子世帯が内部で行き来できるようにしたい場合は、玄関を並べて配置する設計がおすすめです。

3. 上下分離型の間取りでも玄関を1階に作るケースが多数

子世帯のキッチンやリビング、寝室などを2階に置く上下分離型の二世帯住宅でも、玄関を1階に配置するケースがほとんどです。玄関から、内階段ですぐに2階に上がれる間取りにすることで、親世帯・子世帯の生活空間をきっちり分けることができます。

4. 玄関が別でも行き来できる鍵付きのドアでコミュニケーションを確保

玄関を1階に作る場合は、親世帯・子世帯を完全分離せずに、内部で行き来できる鍵付きのドアを付けておくという方法もおすすめです。災害時など、万が一の場合にもどちらからでも出られて安心な上、孫の行き来がしやすい、子育て協力がしやすいなど、コミュニケーションも取りやすくなるでしょう。

玄関を2階にして外階段を作るときに考えておきたいこと

「独立二世帯住宅」を設計する際に、上下分離型で考えた場合、外階段を検討することがあるかもしれません。外階段であれば、当然玄関は完全に別々となります。ここでは、外階段を設けるメリットとデメリットについて見ていきましょう。

外階段を付ける最も大きなメリットは、より独立性が増しプライバシーが確保されやすいということです。設計の一例としては、玄関は2階にあっても、1階部分に外階段へと続く専用の門を付けるなど、よりプライバシーに配慮した玄関アプローチにすることもできます。

一方で、外階段の場合には玄関に至るまでの間、雨などが吹き込んでくるため 、天気が悪いときの使い勝手や安全性などについては、デメリットに感じる人もいるでしょう。また、外階段の場合、お互いの行き来がしづらいため、体調の変化に気づきにくい、子育て協力がしづらいなど、親世帯・子世帯のコミュニケーション不足が生じる可能性もあります。

どちらかが用事がある場合でも、必ず一度外に出なければならないため、面倒になりがちです。
内階段と比較して、行き来する頻度が多くなく、二世帯住宅のメリットが生かしにくいというデメリットもあります。

玄関の数でかかる費用が違う?別々の玄関にするとコストがよりかかる

玄関を作る際に、その場所や形状によって費用はどのくらい違ってくるのでしょうか。注文内容や、依頼するメーカー、施工業者によっても価格は変わりますが、おおよその傾向について見ていきましょう。

まず、玄関を共用にする場合ですが、ドアや玄関ホールなどが一つで済むため、二世帯住宅としてはコストが抑えられる傾向です。玄関を増やすことにより単純にスペース(坪数)が増えて費用がかかるため、そうした面でも余分な費用の発生を軽減できるといえるでしょう。

一方、玄関を2つ作る場合は、キッチンや浴室など水廻りを分離するケースが多く、一部共用や全て共用するタイプの二世帯住宅よりも費用がかかる傾向があります。そのため、費用の軽減のために、「一つの玄関で内階段を作る」という選択肢もあるでしょう。

外階段を作る場合は、材質や形状、段数などによっても差はありますが、工事がプラスされる分、費用もかさみがちです。
親世帯・子世帯のプライバシーを確保するという面ではメリットも見られる外階段ですが、実際の施工件数は減少傾向にあり、あくまでも選択肢の一つと考えておくのがよいでしょう。

玄関を別にすることで得られるメリットとは?

二世帯住宅の玄関の作りについては、いろいろな選択肢があります。ここでは、玄関を別にすることで得られるメリットについて確認していきましょう。

1. 完全分離型(独立二世帯)を選択すれば独立性が増しプライバシーの確保も

玄関を別にすることにより、日常的な動線が交錯せずに済み、お互いのプライバシーが確保できます。完全分離型(独立二世帯)の二世帯住宅であれば、独立性がしっかりと確保されるため、それぞれの生活リズムをお互いのペースで保つことができます。多忙な中、相手に気兼ねすることが少なくなるため、程よい距離感を保てます。

玄関を別にしても、同じ敷地内、同じ建物内に住んでいるということは変わらないため、誕生日や季節ごとのイベントを一緒に楽しむことができます。一緒に暮らしていても、よい意味での独立した家族でいられるため、良好な関係を継続できるでしょう。

2. 賃貸として貸し出すなど将来の活用にも有利

二世帯住宅は、将来、親世帯がいなくなったとき、1世帯分の空き部屋が発生してしまう可能性があります。そのような場合でも、将来賃貸として貸し出せるよう設計しておくことで、様々な方法で活用できるというメリットがあります。例えば、賃貸住戸としての活用や、ギャラリー、学習教室など、多様な活用法が考えられます。
二世帯住宅の建築について考えるときには、将来の活用も想定しながら、玄関を共有にするか別にするか、浴室は共有にするのか、独立性の高い外階段にするのかなど、より現実性のある間取りを探っていくことが必要です。

3. 玄関が別でも相続や固定資産税の優遇はある

二世帯住宅で同居する親が亡くなった場合、子世帯が住んでいる家を手放さなくてもいいように、同居家族への減税特例があります。「小規模宅地等の特例」といい、不動産を相続する際に居住用として使っていた家屋について、一定の面積割合をもって減額される制度です。
相続人が子世帯の場合の適用要件は、「相続税の申告期限(死後10カ月間)まで居住および土地を保有し続けていること」「被相続人と相続人が区分登記をしていないこと」の2点です。
以前は、玄関・水廻りなどが独立し、内部で行き来ができない完全分離型の二世帯住宅には、「小規模宅地等の特例」は適用されませんでしたが、2014年に要件が緩和されてからは、「区分登記」をしていなければ適用されるようになりました。

また、「固定資産税」についても、二世帯住宅にすることで税金を軽減できる可能性があります。固定資産税は、1世帯あたりでの計算がなされますが、二戸分と認められる二世帯住宅の場合は土地・家屋それぞれが二世帯で換算可能です。それぞれの世帯の独立性や1世帯当たりの面積など細かい要件はありますが、要件を満たすことができれば、大きな節税につながるでしょう。

二世帯住宅の税については、以下の記事で詳しくご紹介しています。

▼関連記事

・二世帯住宅で税金対策になる?固定資産税や優遇措置などを解説 ・二世帯住宅で住宅ローン控除を受けるには?節税のために登記で気をつけたいポイントを解説

【コラム】絶対に玄関を分離しないとダメ?玄関を一緒にした場合のメリットは

二世帯住宅で玄関の分離をすれば、プライバシーの確保や生活時間のズレの解消策となります。ただし、共用の玄関にもさまざまなメリットがあります。共用の場合には、宅地面積の中で玄関に取れるスペースが大きくなるため、収納スペースなども余裕が持てるでしょう。延べ床面積の都合などで玄関を共用にせざるを得ない場合でも、建物内でのゾーニングをしっかり施すことで動線のムダな交差を避けることができます。

ヘーベルハウスでは、暮らしの分離度に合わせた二世帯住宅の提案が可能です。共用玄関とする場合のゾーニングについても快適に暮らすためのノウハウがあります。

以下の記事で詳しくご紹介しているのでご覧ください。

▼関連記事

・親世帯と育児や家事を協力するためのゾーニングポイント ・二世帯住宅の間取りに悩んだときのおすすめとは?失敗事例に潜む注意点も詳しく解説

まとめ

二世帯住宅の玄関を「共有にするか」「別にするか」については、費用面などさまざまな点で悩むところです。しかし、建築前にどのような距離感で暮らしたいのか、間取りや玄関の数、位置などをよく検討することで、ストレスを回避し穏やかな生活を実現することができます。二世帯住宅の設計に迷ったら、一度、二世帯住宅を得意とするハウスメーカーに相談してみてはいかがでしょうか。経験豊かなプロのアドバイスを受けて、よりよい未来のために十分な検討を重ねていきましょう。

ヘーベルハウスの公式サイトでは、二世帯住宅で玄関を共有にした場合、別にした場合それぞれの豊富な実例を掲載しています。オーナー様の声や間取り例も紹介しているので、玄関をどうするか検討する際の参考になるでしょう。

二世帯住宅を建てるにあたって知っておきたい注意点や快適な暮らしのポイントも解説しておりますので、以下からぜひご覧ください。

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この記事の監修者

ヘーベルハウス編集部

ヘーベルハウスのコラム編集部です。
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【実例①】実例とともにご紹介。住む人を豊かにするヘーベルハウスの家づくり

二世帯住宅の不安を解消!完全分離型の快適な住まいづくり

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