愛され続けるカワサキZシリーズのこだわりと
ガレージのある豊かな暮らし【後編】

半屋外空間

経済の発展の中で更なる豊かさに向かいながら、さまざまな革新が生まれていた1972年の日本。その時代に「Kawasaki 900 super4」、 通称Z１（ゼットワン）は生まれた。このモーターサイクル市場に燦然と輝く「神車」と呼ばれるＺ１とその後継のシリーズは、ここから50年にわたってファンを魅了し続けてきた。時代が変わっても愛され続け、新しいファンはもちろん、時には父親がZシリーズを乗っていたから自分も乗り始める人もいる。Zシリーズ誕生の背景、愛され続ける理由、未来の展望、そしてガレージのある豊かな暮らしをカワサキのお二人に話を聞いた。

ファンと過ごした50年。豊かな時間をＺとともに

1972年に誕生した「Z1(Kawasaki 900 super4)」(写真左) 2022年に登場した「Z900RS 50th Anniversary」(写真右)

今後のＺはどうなっていくのか？赤地さんは「工業製品として良いものを造るというだけではなく、お客様がどういう心豊かな生活を送ってくださるのか？　時代はどう変わっていくかはわからないですが、単なる工業製品や単純な移動手段にはしない。なにが変わっても、その中でＺらしさを見出していくのがカワサキなんです」と力強く答える。

Zシリーズ50周年を記念して登場したZ900RS 50th Anniversary

速さを求めた時代や、自由の象徴としての時代を経て、今のモーターサイクルは、心の豊かさをもたらしてくれる存在とも言えそうだ。例えば保管方法やメンテナンスからもバイク愛を感じられると奥村さん。「共同で保管したり、整備用の小屋を建てるためにわざわざ引っ越した方もいますね。旧車を買ってレストアして、ガレージで整備してという人もいらっしゃいます」。もっと身近に置いて愛でたい。それゆえに「愛車専用のガレージに」という憧れを持つ人も多いようだ。

「自宅のガレージは憧れますね」と口を揃えるお二人。奥村さんが「そこに入った瞬間にモーターサイクルの世界に入れる。マニアックな道具があって、古めのポスターパネルが掲げられていて、少しオイルで汚しちゃった木の机で。そこで酒を飲みたい」と笑えば、赤地さんも「ですね。整備だけじゃもったいない」とＺを愛でながらの一杯に思いを巡らせる。

「実はＺは、ガレージの中に置いたときと外に出した時で、光沢、塗料、色味の見え方などのバランスをとっているんですよ」と赤地さん。塗料、光沢、色の見え方にまでこだわる。ガレージでダウンライトに照らされるZと、休日の青空の下でのツーリングで見るZ。シーンが変わることでZはがらりと表情を変えるので、過ごす時間が増えれば増えるほど自然と愛着が湧くのだろう。

最後に奥村さんに50年の振り返りと今後の展望について聞くと「お客様と一緒に作ってきたブランドなのかなというのが私の中にはあるんです。一方通行の提案ではなく、時代、社会情勢を踏まえてお客様と一緒に、少しずつ変化しながら創ってきました。これからも伝統と革新のバランスをとりつつ、Ｚブランドを作り続けていきたいですね」。
カワサキの人たちにとってのＺ、ファンにとってのＺ。Zシリーズの50年は、作り手と乗り手の愛と敬意で紡がれているのかもしれない。

赤地さん(写真左)と奥村さん(写真右)の熱いバイク談義は続く

カワサキモータースジャパン : https://www.kawasaki-motors.com/mc/