ニュース

2021年1月15日
旭化成メディカル株式会社
プレスリリース

世界初 ウイルス様粒子がプラノバTMフィルターの中空糸膜に捉えられる瞬間の「動的」画像化に成功

旭化成メディカル株式会社(本社:東京都千代田区、社長:住吉 修吾)はこのたび、学習院大学 理学部 物理学科 西坂 崇之教授とともに、ウイルス除去フィルター「プラノバTM」を構成するろ過膜内の生体分子の運動ダイナミクスを、世界で初めて映像化することに成功したことをお知らせします。

1989年に誕生した世界初のウイルス除去フィルター「プラノバ」は、生物学的製剤からウイルスを除去することを目的として開発された世界初のフィルターです。以来、30年以上にわたり信頼できるウイルス除去フィルターとして評価されています。「プラノバ」は粒子の大きさによるふるい分けのろ過原理に基づき、タンパク質にダメージを与えることなく透過させ、ウイルスを捕捉します。しかし生物学的製剤のようなタンパク質がろ過膜を透過しながらも、ウイルスだけが膜によって巧みに除去される仕組みは未だ完全に解明されていません。

これまで電子顕微鏡による膜構造の解析や、ウイルスを模した金属粒子の分布が調べられてきましたが、いずれも「静的」な観察に限られていた中で、本研究においては、「プラノバ」を構成するろ過膜内の生体分子の運動ダイナミクスを、独自開発した光学顕微鏡システムでライブ映像として、「動的」に画像化することに成功しました。

本研究は、ウイルスろ過膜の動作原理の解明に向けた新たな地平を開き、将来的に生物学的製剤の開発に大きく貢献することが期待されます。当社は今後も積極的に研究開発を行い、高性能・高品質の製品を開発し、生物学的製剤の安全性の向上に貢献してまいります。

※本成果は、英科学誌「Scientific Reports」誌に掲載されました。

論文:Direct visualization of virus removal process in hollow fiber membrane using an optical microscope
(論文URL:www.nature.com/articles/s41598-020-78637-z

※学校法人学習院 総合企画部広報課によるプレスリリース全文は、こちらをご覧ください。
https://www.univ.gakushuin.ac.jp/about/press/20210113_release.pdf