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首都圏賃貸市場回復の兆し、家賃上昇

市場動向

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2017年12月 5日

首都圏賃貸市場回復の兆し、家賃上昇

この秋、発表された首都圏家賃相場のデータでは、賃貸市場の回復を示す数値が出ています。ワンルームからファミリーまで、どの間取りタイプも家賃は上昇し、成約件数も増加しています。また、リーマンショック後の家賃の推移を見ると意外なことも分かってきました。住宅新報(東京圏)、アットホームの調査(首都圏)より家賃動向を俯瞰してみたいと思います。

マンション、アパート、すべての間取りで家賃が上昇

2016年から、地価の上昇トレンドは鮮明になってきましたが、賃貸市場への影響は見られませんでした。しかし、11月14日付の「住宅新報」に掲載された東京圏家賃調査データでは、家賃相場の回復が見られるようになりました。住宅新報では3月期と9月期の年2回、家賃調査を行い発表しています。

東京圏では、マンション、アパート共に各間取りの家賃の上限、下限が、すべてのカテゴリーで、わずかながら上昇しました。下落がなかったのは2013年9月期以来、8期ぶりのことです。
具体的に見てみると、マンションのワンルームタイプの平均家賃が72,077円で0.17%アップ、1LDK〜2DKの平均家賃が108,071円で0.30%アップしています。住宅新報では「東京圏では家賃の下落傾向は収束し横ばいとなったと見てよく、今後さらに上昇する可能性も出てきた」とコメントしています。
沿線別で見ると、小田急線、京王線が好調なようで、家賃が高めの物件の成約が増えたり、新築時より家賃を上げて募集して決まったケースもあるようです。

■東京圏の賃貸マンション平均家賃(2017年9月)

東京圏の家賃相場は、わずかながら上昇し、下落から横ばいに推移している。今後さらに家賃が上昇する可能性が出てきた。

高価格帯の物件増加により、上限家賃が上昇

公示地価や基準地価を見ても三大都市圏の地価は上昇トレンドに入っています。しかし、地方都市では、まだ下落が続いているエリアもあり、二極化が鮮明になっています。
一方で、同じように家賃相場も人気エリアとそうでないエリアとの二極化が進んでいるのは事実です。二極化というと、良いところは上昇するが、悪いところは下落が続くイメージがありますが、今回の住宅新報のデータでは下限の家賃も上昇に転じています。
そこで、リーマンショック後の2009年3月期からの家賃の推移を見てみたいと思います。この調査の下限は築10年前後の物件が対象ですので、築古物件のデータは含まれていません。

■東京圏の賃貸マンション家賃推移 1LDK〜2DK

グラフは、今人気の間取り1LDK〜2DKの家賃の推移です。全体傾向としては、2013年から家賃は回復傾向に向かっています。2013年はアベノミクスが始まった年で、日経平均株価など経済動向を示す指標もこの年を境に上昇を始めています。家賃も景気動向と連動しているということが言えるでしょう。
注目したいのが、上限と下限の家賃の推移です。上限は2013年まで大きく落ち込んでいますが、その後、2年で回復しています。一方、下限は多少落ち込んだもののすぐに回復を見せ、その後は安定しています。

つまり、二極化とはいえ下限家賃は下落し続けることなく、比較的安定して推移していて、上限家賃が大きく動いたことで、結果、平均家賃がやや上昇に推移しているといった傾向が見られるのです。住宅新報の調査では、高額物件の成約が増えたとありました。特に最近の新築はグレードが高いものが多く、高家賃のものが多いのですが、それらが堅調に推移していることの現れです。現在は上限、下限ともリーマンショック前とほぼ同水準になっています。

また、この期間の下限家賃の中での差は、最も高かった2009年3月92,583円と、低かった2011年9月90,126円の差で、わずか2,457円です。築10年前後の下限家賃は、約2.7%の落ち込みしかなかったということです。
賃貸経営そのものの安定性をうかがわせるデータとも言えるでしょう。

家賃相場も二極化があるとはいえ、下限家賃は下落し続けることなく比較的安定して推移。上限家賃も高価格帯の物件が堅調で、全体として回復傾向にある。

成約数は4カ月連続増加

次に、不動産情報サービスのアットホームが毎月発表している「首都圏の居住用賃貸物件(10月)」を見てみましょう。
まずは賃貸市場の活況を示す成約数からです。2017年10月の首都圏の成約数は前年同月比で0.6%増加し、4カ月連続の増加となりました。賃貸市場にとってこの時期は、4月の転勤シーズンを含む春先に次ぐ繁忙期です。ちなみに9月は5.4%の増加でした。この時期の成約数の伸びは、賃貸市場にとっては明るい材料です。

エリア別に見ると東京23区と東京都下が5カ月の連続増加、千葉県が4カ月の連続増加となりました。成約数が伸びているということは、賃貸市場が活性化しているということです。このまま入居者(借り手)が増えれば、市場は徐々に貸手市場へと転換していき、やがては家賃も上昇していく可能性もあります。まだ、そこまでの状況にはありませんが、一時の低迷期からは脱出したようにも見えます。

■首都圏 居住用賃貸物件成約数 前年同月比

首都圏の賃貸住宅の成約数は増加し、市場は活況を取り戻してきた。

マンションの成約賃料は連続して上昇

成約数の増加は、成約賃料にどう影響しているのか? 首都圏のマンション成約賃料を見てみます。
アットホームのデータでは、「1戸あたり」と「1㎡あたり」の成約賃料があります。2017年10月の首都圏平均のマンション1戸あたり成約賃料は9.08万円で、前年同月比2.7%上昇し6カ月連続のプラスです。1㎡あたりも2,641円で前年同月比3.1%上昇し4カ月連続のプラスです。住宅新報のデータよりも、家賃上昇の傾向が強まっている結果となっています。
また、アパートも1戸あたり成約賃料は5カ月連続のプラス、1㎡あたり成約賃料は8カ月連続のプラスと好調です。

エリア別に見ると、成約数が堅調だった東京23区、東京都下、そして千葉県は成約賃料が上昇しています。成約数が連続してマイナスだった埼玉県は若干上昇してはいますが、ほぼ横ばいといったところです。10月の成約数が悪かった神奈川県は成約賃料も下落しました。
堅調な成約数の影響は、東京23区、東京都下、千葉県で、成約賃料の上昇につながったようです。やはり成約数が伸び、市場が活性化すれば、成約賃料も上昇しやすい市場環境が形成されるようです。
このまま年明けの繁忙期も上昇が続けば、家賃相場は上昇トレンドに入っていくかもしれません。

■首都圏 居住用賃貸物件(マンション)成約賃料(2017年10月)

アットホームのデータでは首都圏賃貸住宅の成約賃料はこの数カ月、前年同月比で上昇している。このまま繁忙期に入れば、家賃相場は上昇トレンドに入る可能性もある。

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