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注目の環境共生賃貸住宅"ZEH-M"とは?

市場動向

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2021年7月 6日

注目の環境共生賃貸住宅

脱炭素社会の実現に向けて、様々な取り組みが進んでいます。住宅においても、高断熱仕様や省エネルギー化により消費エネルギーを削減することで、環境への貢献が求められています。賃貸住宅も、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準に対応したZEH-M(ゼッチ・マンション)が注目されています。今後のスタンダードになることも予想されるZEH-Mを解説します。

脱炭素社会の実現に向けて進む地球温暖化対策

地球温暖化がこのまま進むと、海面の上昇から熱波や干ばつ、豪雨など、地球全体の気候を大きく変える「気候変動」を引き起こします。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)では地球温暖化により、暑熱、洪水など異常気象による被害が増加、マラリアなどの熱帯の感染症の拡大、世界的な食糧危機、多くの動植物の絶滅リスクが高まると警鐘を鳴らしています。
すでに地球温暖化の状況は、日本でも夏の猛暑日(35℃以上)の増加で実感していると思います。気象庁のデータによると2000年以降、猛暑日が顕著に増加しています。特に大阪は7月、8月、9月の猛暑日が1990年代から増え、暑いといわれている名古屋よりも、若干上回るペースで増えています。東京も2010年代に入って増加しています。

■大阪府の猛暑日の推移

地球温暖化の原因は、主に二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの放出です。いかにして、温室効果ガスを削減するかは、地球規模で取り組まなければならない喫緊の課題なのです。
日本では、2020年10月に菅総理が「2050年カーボンニュートラル」を宣言しました。カーボンニュートラル(炭素中立)とは、温室効果ガスを吸収・除去することで、排出量を"プラスマイナスゼロ"にすること。それを実現した社会を「脱炭素社会」と呼びます。
2021年5月には「改正地球温暖化対策推進法」が成立。市町村が再エネを促進する区域を認定する仕組みや、企業の排出量情報のオープンデータ化を推進する仕組みなどが盛り込まれました。
今後、様々な業界で官民による地球温暖化対策が進むと思われます。住宅業界も例外ではありません。今後は、脱炭素化が大きなテーマとなるでしょう。

政府は脱炭素社会の実現に向けた動きを加速している。住宅産業も脱炭素化が大きなテーマとなる。

環境貢献という付加価値を生む「ZEH-M」とは?

省エネ住宅はこれまでもありましたが、さらに脱炭素社会の実現に向けた新しい基準を持ったZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)が注目されています。
ZEHとは、高断熱・省エネ・創エネによって、1年間で消費する住宅のエネルギー量が正味(ネット)でおおむねゼロ以下となる住宅のことです。
そのZEH基準を満たした集合住宅をZEH-Mといい、地球規模で取り組んでいる「環境貢献」という付加価値だけでなく、経済性、快適性、安心などのメリットがあります。

経済産業省は2015年に関係省庁等と共に「ZEHロードマップ」を策定し、「2020年までにハウスメーカー等が新築する注文戸建住宅の半数以上で、2030年までに新築住宅の平均で、ZEHの実現を目指す」という政府目標を掲げています。ZEH-Mについても同様に「2030年までに新築住宅の平均でZEH-Mの実現を目指す」という目標を掲げています。

ZEH-M

脱炭素社会に大きく貢献するZEH-Mが注目されている。キーワードは「高断熱」「省エネ」「創エネ」。

「断熱」「省エネ」「創エネ」の仕組み

ZEH-Mのキーワード「断熱」「省エネ」「創エネ」について解説します。

(1)断熱(高断熱仕様)

高断熱仕様により、外気を室内に入れず、室内の熱を逃げにくくし、冷暖房などの消費エネルギーを削減します。ZEH-Mの高断熱基準は、「UA値≦0.6以下」。UA値とは、外皮平均熱貫流率のことで、値が小さいほど、熱の逃げにくい家となります。

ヘーベルメゾンの場合は、優れた複合性能を持つ「ALCコンクリート・へーベル」と「高性能断熱材ネオマフォーム」で二重の断熱ゾーンを形成。経年劣化が極めて少ない二つの建材により、ZEH基準の高い断熱性能を長く維持します。

■ヘーベルシェルタードダブル断熱構法

また、窓ガラスには、特殊金属膜をコーティングした「低放射複層ガラス」を採用し、断熱・保温効果を高めています。

(2)省エネ(高効率設備)

建物の高断熱化によりエネルギー効率を高めたうえで、ZEH-Mに必要な優れた省エネ設備を導入し快適性を保ちながら、日々の暮らしで賢く省エネに貢献します。
ヘーベルメゾンの場合、高性能給湯器や、高効率エアコンなどの設備の採用で対応します。

(3)創エネ(太陽光発電)

太陽光発電による創エネで消費エネルギーをまかない、全体での消費エネルギー削減を目指します。環境にやさしいだけでなく、日中は余剰電力を電力会社に売電して電気代を抑え、万が一の災害時には非常用電源として役立てることができます。

ヘーベルメゾンが採用しているフラット屋根なら、屋根面積いっぱいに太陽電池モジュールを設置することができます。勾配屋根に比べ、効率の良い太陽光発電が可能です。

■フラット屋根の最大面積を使い発電効率アップ

ZEH-M対応のヘーベルメゾンなら、次世代省エネ基準の一般的な賃貸住宅と比べ大幅な光熱費削減が期待できる。

将来はZEH-Mがスタンダードに、オーナー、入居者のメリット

ZEH-Mが普及するには、消費者にその性能を分かりやすくする必要があります。そこで、国土交通省は、住宅の省エネルギー性能を"年間の光熱費の目安"に換算して表示する「目安高熱費」を表示することにしています。これまでは、先に解説したUA値等で省エネ性能を表示していましたが、消費者には分かりづらいのが難点です。
そこで住宅の広さや想定される居住人数、燃料の単価などをもとに目安の光熱費を算出します。賃貸住宅でも2022年10月からお部屋探しサイトなどで表示が予定されていて、検索条件に「省エネ」「ZEH-M」といった条件が追加され、物件が絞り込まれることも予想されます。

年間の光熱費の目安

世界的に意識が高まる、地球温暖化対策、環境との共生。自動車が将来的には電気自動車に切り替わるように、住宅もZEHを基準とした住宅がスタンダードになるでしょう。ZEH-Mは環境にやさしいだけではなく、オーナーや入居者にとっても経済性、快適性、安心などのメリットがあります。

オーナー、入居者のメリット

今後、部屋選びの一つとしてZEH-Mも条件に。オーナーにも入居者にもメリットは大きい。

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