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人気の設備で"競争力UP+節税対策"

入居者トレンド

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2017年11月21日

人気の設備で

一般的な賃貸住宅は、物件の築年数が経ち設備が古くなると、賃貸市場での競争力が弱くなっていきます。そこで、検討したいのが設備の見直しです。既存の物件に人気の設備を取り入れることで競争力を高め、家賃下落対策にもつながります。また、設備投資は必要経費になるため節税効果もあります。今回は「入居者に人気の設備ランキング2017」(全国賃貸住宅新聞調べ:全国の不動産会社372社が回答)から、単身者向け、ファミリー向け別に人気設備のニーズを探ります。

「これがあれば家賃が高くても入居が決まる」設備ランキング

まずはランキングを見てみましょう。
人気の設備はライフスタイルの変化とともに変わっていきます。人気設備は、いわば時代のニーズであると言ってもよいでしょう。最近の新築賃貸住宅では、これらの設備はかなりの割合で完備されています。築年数の経った賃貸住宅でもこれらの設備を備えることで、競争力をつけることができます。注目したいのは、上位をキープしているもの、人気が急上昇したものです。

■「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても入居が決まる」設備ランキング

競争力をつけるために、これらの人気設備はできるだけ完備したい。上位をキープしている設備、人気が急上昇した設備に注目。

ネット社会の必須設備「インターネット無料と宅配ボックス」

昨今のライフスタイルを反映した設備「インターネット無料」が単身者、ファミリー共に昨年に続き1位です。今やネットへの接続環境は生活に必須の設備となりました。電気、ガス、水道と同レベルのライフラインといっても決して大げさではありません。
個人が賃貸住宅でネット環境を整えるとなると、初期費用や月々の費用などコストがかさみます。これが無料になるのは、かなりお得感があるでしょう。

さらに、完備したいのがWi-Fi設備です。スマートフォンやタブレット端末の利用を考えた場合、自宅で必要となるのがWi-Fi設備です。Wi-Fiがなくてもスマートフォンがあればネットにつながりますが、通信量の制限がありますので、制限のかからないWi-Fi設備が必要なのです。自分で機器を買って設置することもできるのですが、知識がないとできません。事前に用意されていれば、入居者によりアピールできるでしょう。

そして、今回急浮上したのが「宅配ボックス」です。ネット通販の利用率が高まるにつれ、以前から宅配ボックスの必要性は高まっていました。最近、宅配業者の再配達の問題がメディアでもクローズアップされ、認知度が高まったのも要因でしょう。
また、「宅配ボックス」自体も、コンパクトなサイズが販売されるようになりました。既存の物件でも、ちょっとしたスペースさえあれば設置が可能です。
ネット通販の利用にあると便利な「宅配ボックス」は大きなアピールポイントになるでしょう。

インターネット社会では、「インターネット無料」プラス「Wi-Fi設備」、そして「宅配ボックス」が必須設備となる。

単身者も「ウォークインクローゼット」が人気

順位は下げたものの、入居者へのアピール度が高いのが「ウォークインクローゼット」。ファミリー向けでは9位ですが、単身者向けでは5位にランクインしています。
順位としては逆のように感じられますが、単身者も洋服に限らず、趣味のものなど持ち物が増えている傾向にあるようです。単身者向けで「ウォークインクローゼット」が付いている物件はまだ少なく、それだけに「これがあれば家賃が高くても入居が決まる」ランキングの上位に食い込んだと見ることができます。

新婚を含むファミリー向けの新築物件では完備しているケースが多く、むしろ定番となりつつあります。ウォークインクローゼットに限らず、シューズボックスやちょっとしたスペースを活用した収納棚など、収納設備は入居者に喜ばれます。
さらに、新婚向けの1LDKで、ウォークインクローゼットを二つ設けることにより付加価値を高める例もあります。昨今の共働き夫婦のライフスタイルは、夫婦二人の時間を大切にするとともに、一人の時間も大切にし、それをお互いが尊重する意識があります。そして、衣類や趣味のものなど、夫婦それぞれが管理できるようにしたいという傾向があり、ウォークインクローゼットが二つあるということは高い付加価値になって入居者が魅力を感じるのです。
二つと言っても、特に余計な面積を確保する必要はなく、従来の1LDKの広さでプランを工夫すれば設置できます。昨今の共働き夫婦のニーズを満たした賃貸住宅については、バックナンバー「増える共働き夫婦に人気の賃貸住宅とは?」で詳しく解説しています。ぜひ、ご覧ください。

■ウォークインクローゼット2つのプランニング例

単身者向け物件のウォークインクローゼットは希少性が高い。新婚向け1LDKでは二つのウォークインクローゼットが人気。

「独立洗面化粧台」、「洗浄機能付き便座」はもはや必須設備!?

次に「この設備がなければ入居が決まらない」必須設備ランキングを見てみます。
これまで人気設備だった「TVモニター付きインターホン」や「洗浄機能付き便座」はこちらにランクインしています。つまり、最近の賃貸住宅では定番の設備になったということです。

上位にある「室内洗濯機置き場」は、完備していない物件は少ないでしょう。単身者向けで「浴室換気乾燥機」が10位にあるように、単身サラリーマンなどは日中に洗濯ができず、夜に洗濯するケースが多いようで、いつでも洗濯して乾かせる設備が求められていますし、女性からは防犯面からも室内に洗濯機置き場が必要、といった声もあります。

単身者、ファミリー向け共に上位にあるのが「独立洗面化粧台」。バストイレ洗面スペースが一緒の3点ユニットはもはや人気がなく、風呂トイレ別が定番となりましたが、さらに「独立洗面化粧台」も定番の設備になっています。また、このランキングでも「インターネット無料」「宅配ボックス」が入っています。

ここにランクインしている設備は、「エントランスのオートロック」や「独立洗面化粧台」など以外は、既存の物件でも取り付けられる設備です。備えてない設備があれば、ぜひ検討してみてください。

■「この設備がなければ入居が決まらない」設備ランキング

「TVモニター付きインターホン」や「洗浄機能付き便座」は定番の設備になった。ここに、ランクインしている設備は必須の設備と考えてよい。

年末の設備投資は節税対策になる!

設備投資に使った費用は、必要経費として計上できます。アパート経営も10年、20年と順調に経営していけば、必要経費の多くがメンテナンス関連となるでしょう。少しでも必要経費を増やして節税効果を期待するのならば、年明けに予定していた修繕や設備投資を、年内に行うとよいでしょう。

設備投資に関しては、青色申告の場合「少額減価償却資産の特例」があり、30万円未満は一括して必要経費に計上できます。小型の4個程度の宅配ボックスの設置なら30万円未満、TVモニター付きインターホンなら3万円前後(配線工事等必要な場合は別)程度です。「少額減価償却資産の特例」は1点30万円未満の資産で、年間の合計が300万円未満です。特例以外については、下記の表を参考にしてください。

■30万円未満の少額減価償却資産について

リフォームやリノベーションなど大規模設備投資は、減価償却することになります。いずれにせよ、工事の伴うものは、年内に必要経費として計上するには年内に工事が完了することが条件になりますので注意してください。
また、減価償却の方法は建物の設備も平成28年4月より定額法で計算することになりましたので、ここにも注意してください。
※税務申告は税理士等の専門家にご相談下さい。

年明けに行う予定の設備投資や修繕はなるべく年内に行い、かかった費用は適宜必要経費に計上すれば、節税対策になる。

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