不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)」は、『LIFULL HOME'S 2025年トレンド発表会』を開催し、2025年の注目トピックスを発表しました。その一つが脱炭素社会実現のための「デコ活」です。賃貸住宅の部屋選びの際にも、省エネ性能など住まいの「デコ活」が意識される時代になると注目されています。
「デコ活」とは、環境省が推進する「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」の愛称です。CO2を減らす脱炭素(Decarbonization)と環境に良いエコ(Eco)を含む"デコ"と活動・生活を組み合わせた言葉です。
「デコ活」の具体的な取り組みの一つが、住宅の省エネ化や太陽光発電の導入です。日本政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」の実現に向け、エネルギー消費量の約3割を占める住宅・建築物分野で省エネ化を推進しています。
LIFULL HOME'Sでは、『LIFULL HOME'S 2025年トレンド』の中で「デコ活」を掲げました。2025年4月からは、全ての新築住宅・新築非住宅に省エネ基準の適合を義務付けられる「建築物省エネ法」が始まります。また、これに先駆け2024年4月からは「省エネ性能表示制度」が始まりました。
消費者は「省エネ性能表示」で、断熱性能・目安光熱費などが容易に把握できるため、価格などのイニシャルコストに加え、光熱費などのランニングコストも住まい選びの判断材料にすることができます。
住宅の省エネ化が進み、光熱費などのランニングコストを含めた住宅性能で選ぶ時代に。
住宅の省エネ化は戸建てや分譲マンションだけの話ではなく、賃貸住宅も同じです。
「省エネ性能表示制度」が2024年4月に始まって以降、「省エネ性能ラベル」掲載物件は急速に増えています。
引越し先を探す際、物件の省エネ性能(断熱性能、エネルギー消費性能など)を意識するかとの問いに、賃貸物件では57.9%の方が意識する(とても意識する・やや意識するの合計)と答え、意識しない(あまり意識しない・全く意識しないの合計)24.9%を大きく上回っています。
その理由の多くが「電気代・光熱費を安くしたい」「環境への負荷を軽減したい」でした。
また、2025年4月から東京都や神奈川県川崎市などで、賃貸住宅を含む新築住宅に太陽光発電の設置が義務化になります。今後は、賃貸住宅も省エネ住宅がスタンダードになっていくものと思われます。
賃貸住宅でも「省エネ性能表示」の普及等で、省エネ住宅の普及が加速、今後のスタンダードに。
省エネ住宅の代表がZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)です。ZEHは高断熱・省エネ・創エネによって、1年間で消費する住宅のエネルギー量が正味(ネット)でおおむねゼロ以下を目指す住宅のことです。ZEH基準を満たした集合住宅のことをZEH-Mといいます。
ZEH-M(ZEH賃貸住宅)は経済的メリットが大きいのが特長ですが、それだけではありません。近年、入居者のニーズが高まっている防災面でも大きな付加価値を生みます。例えば、停電時でも太陽光発電が使えれば、日中は電気が使えます。また、蓄電池を備えれば共用部の非常用電源が利用できます。災害時の在宅避難においても負担が軽減されるでしょう。
ZEH賃貸住宅に魅力を感じる人に、一般的な賃貸住宅に比べて、どのくらいの家賃の高さまでならZEH賃貸住宅を選びたいかとの質問に、69.1%の人が家賃アップを許容できると答えています。具体的には「+5%まで」が最も多く37.5%いました。それだけ、ZEH賃貸住宅の付加価値にメリットを感じていると言えます。
ZEH賃貸住宅には、経済的メリットと防災力という付加価値があり、入居者も約7割が家賃アップを許容している。
「Ecoレジグリッド」は、ヘーベルメゾンに設置された太陽光発電設備により、日中晴天時は太陽光発電により、共用部と各住戸でクリーンな電力が利用でき、災害等による停電時は昼夜を問わず、共用部の電力と各住戸の通信を確保することができます。
ZEH-M対応ヘーベルメゾンの屋根を旭化成ホームズがオーナー様から30年間賃借し、太陽光発電および売電の運営を行います。そのためオーナー様は太陽光設備等の設置費用、メンテナンス費用の負担はありません。
ZEH賃貸住宅は、入居者が求める省エネ効果、防災力強化とともに、環境貢献という社会的ニーズをも満たすものです。環境への貢献につながる賃貸住宅は、社会的課題を解決するための大きな一助にもなります。これからは、環境貢献の視点で賃貸経営をとらえることも必要になってくるでしょう。
旭化成ホームズは、「Ecoレジグリッド(自家消費型ZEH-M)」と「入居者売電型ZEH-M」の両輪で賃貸住宅の省エネ化に取り組んでいることが評価され、「2023年度省エネ大賞(主催:一般財団法人省エネルギーセンター、後援:経済産業省)」において「審査委員会特別賞」を受賞しました(2023年12月18日)。
「Ecoレジグリッド」は、オーナー様の太陽光設備等の設置費用、メンテナンス費用が不要。省エネ効果、防災力強化とともに、環境貢献という社会的ニーズをも満たす賃貸住宅。