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確定申告最終チェック! アパート経営の間違いやすい収入と支出

税務・確定申告

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2014年2月 4日

確定申告最終チェック! アパート経営の間違いやすい収入と支出

確定申告および納税が本格的にスタートします。今年の期限は3月17日(月)までです。毎年繰り返しお伝えしていますが、早めの申告をお勧めします。特に税務署に相談に行かれる方は、期限が近づくと大変混み合いますので注意してください。今回は、最終チェックとして、アパート経営の収入と支出について解説します。節税の第一歩は、この収入と支出を漏れなく計上することです。特に間違いやすいポイントに絞って解説したいと思います。

アパート経営の収入は家賃だけではない

アパート経営の主な収入は「家賃」です。その他、毎月計上するものとしては、「共益費」、「駐車場賃料」があります。また、新しい入居者がいる場合は「礼金」、契約更新の際の「更新料」があり、最近では太陽光発電の売電収入もありますが、これも収入として計上します。
アパート経営は、他の事業に比べれば、ほとんど決まった収入しかありませんので、分かりやすいでしょう。

ただ一つ、間違いやすいのが“敷金”です。そもそも、敷金とは債務不履行の場合の担保、つまり家賃が支払われないとか、故意過失により部屋を破損・汚損してしまった場合に、充てられるもので、何もなければ退去時には返却するのが前提です。そのため、敷金は収入には計上せず、帳簿には、預り金として記帳します。
そして、退去のときにクリーニング代等を差し引いた場合は、その時点でいったん収入として計上し、実際クリーニングをしたら、その分を必要経費に計上します。今は、入居時に事前にクリーニング代を徴収するケースもありますが、それも収入として計上します。

また、収入と所得は混同しやすいのですが、所得とは収入から必要経費を引いたものです。

アパートの収入は、「家賃」「共益費」「礼金」「更新料」「駐車場賃料」、その他太陽光発電の「売電収入」など。
「敷金」は返還するものなので収入には計上しない。

未収の家賃はいつ計上するのか?

帳簿の記帳の仕方には、主に「現金主義」と「発生主義」があります。
現金主義は、実際に現金のやりとりがあったときに記帳します。とても分かり安いのですが、これが認められるのは、青色申告をしていて、前々年の不動産所得の金額および事業所得の金額の合計額が300万円以下の場合で、届出が必要になります。

一方、発生主義は、現金のやりとりはなくても取引が成立したときに記帳するものです。一般的に個人を含む企業会計はこの発生主義で記帳することになっています。例えば、商品を納品して請求書を発行した場合、代金は後々に回収しますが、請求書を発行した日付で、売上(収入)として計上します。
アパート経営の場合は、賃貸借契約書に定められた日付に収入として計上します。仮に、家賃が振り込まれなかったとしても契約日の日付で収入に計上します。

間違いやすいのが、年末に振り込まれなかった場合です。その年か翌年か、どちらに計上すれば良いのか迷ってしまいます。これも発生主義に従い、年末に収入として計上することになります。
万が一、家賃が支払われないままになってしまった場合は、そのときに損金として全体の収入から差し引くことになります。

家賃が振り込まれなくても、発生主義に従い、振り込まれる予定の日に、収入として計上する。

忘れがちな必要経費とは?

次に支出、いわゆる必要経費について解説します。
まず、初年度ならではの必要経費があります。建て替えの場合は、「立ち退き費用」「解体費用」も必要経費となります。ただし、自宅を建て替える場合の解体費用は、建て替え後が自宅の場合はもちろん、賃貸住宅であっても、必要経費にはなりませんので注意してください。この他に地鎮祭の費用、新築賃貸住宅に係る印紙税、登録免許税、不動産取得税などが必要経費となります。

初年度以降は、修繕費、ローン利子、そして減価償却費がアパート経営の主な必要経費です。また、ちょっとした文具代や勉強のためのセミナー費などアパート経営のために使った費用はすべて必要経費になります。たとえ少額でも、まとめれば大きな金額となりますので、モレなく計上するようにしましょう。
下記に主な必要経費の一覧を示しますので参考にしてください。

 費目

 ポイント

 修繕費

 入居者の入れ替え時などに発生するメンテナンス費用

 ローン利子

 建物・設備の取得に要したローンの利息。元金は必要経費にならない

 減価償却費

 建物・設備の減価償却費を毎年、必要経費として計上する

 損害保険料

 火災保険、地震保険などの掛け金で当年分

 委託管理費

 不動産会社へ支払う管理費

 手数料

 不動産会社への仲介手数料

 租税公課

 固定資産税、事業税など。所得税や住民税、相続税は必要経費にはならない

 水道光熱費

 共用部分の水道光熱費

 広告宣伝費

 入居者募集のための広告宣伝費用

 接待交際費

 不動産会社との飲食代、お中元・お歳暮など

 その他

 税理士報酬、弁護士報酬、通信・交通費、消耗品費、

必要経費にならないもの

では、必要経費にならないものについて解説します。
個人事業の場合、生活で使用しているものを事業に使う場合があります。例えば、携帯電話や自動車です。この生活と事業の両方にかかわる費用を「家事関連費」と呼び、生活での使用分と事業での使用分を分ける必要があり、生活のための出費の分は必要経費にはなりません。これを按分と言います。

按分率は使用割合で計算します。例えば、週や月のうち何日仕事で使用するかを割り出し計算します。自動車本体の購入費用も、事業で使うのであれば減価償却費を按分して費用に計上します。按分率は、実態に即していれば、その比率に決まりはありません。

また、自宅と賃貸の併用住宅の場合は、共用部の光熱費などは、自宅と賃貸の面積割合で按分率を決めます。
最近、税務署のチェックが厳しくなっているといいます。経費に関しては、家事関連費との按分が正確かどうか、交通費や接待費に家事消費の分が含まれてないかなどです。

確定申告は面倒と思われがちですが、アパート経営の状態を見直すよい機会と考えて、帳簿の整理などを行っていただければと思います。

個人事業の場合、家事消費と事業消費の区別がつきにくいが、実態に即して按分すること。

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