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省エネ性能表示がスタート! 注目を集める環境共生賃貸住宅

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2024年3月21日

省エネ性能表示がスタート! 注目を集める環境共生賃貸住宅

脱炭素社会の実現は地球規模で取り組まなければならない社会的課題です。今、住宅業界で取り組んでいるのが省エネ住宅ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及です。賃貸住宅でも同様に、ZEH基準を満たしたZEH-Mの普及に取り組んでいます。今年の4月から新築賃貸住宅の募集時に省エネルギー性能ラベルの表示が努力義務になり、今後はこのZEH-Mが賃貸住宅のスタンダードになる時代がくると見られています。

若い世代が共感する環境共生型賃貸住宅ZEH-Mとは?

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、高断熱・省エネ・創エネによって、1年間で消費する住宅の一次エネルギー量が正味(ネット)でおおむねゼロ以下を目指す住宅のことです。またZEH基準を満たした集合住宅をZEH-M(ゼッチ・マンション)と言います。国のエネルギー基本計画としては、2030年度に新築住宅の平均で「ZEH水準」の確保を目指すとしています。

ZEH-M

また4月からは省エネルギー性能表示制度が始まります。省エネルギー性能表示制度とは、「販売・賃貸事業者が建築物の省エネ性能を広告等に表示することで、消費者が家を購入・賃借する際に、省エネ性能の把握や比較ができるようにする制度」です。
省エネ性能の項目は、「エネルギー消費性能」「断熱性能」「目安光熱費」の3つです。

■住宅性能表示の例

ZEHの普及に大きく左右するポイントの一つが価値観のシフトです。特に若い世代に浸透している「エシカル消費」がその一つ。人・社会・地域・環境に配慮した消費行動で、地産地消やエコ商品の利用などが定着しています。
社会貢献につながるエシカル消費は、今後、Z世代を中心に住まいにも影響が出てくると思われます。賃貸住宅であっても、決して例外ではありません。調査でも「同じような商品を購入するのであれば社会貢献につながるほうがいいと思う」という回答数にも表れているように、部屋選びの新しい基準となる可能性があります。

Q. エシカル消費をやってみたい、もしくはすでにやっている理由

4月から省エネルギー性能表示制度が始まり、ZEH-M(ゼッチ・マンション)の普及がさらに進む。エシカル消費への関心が高い若い世代を中心に、今後のスタンダードになる可能性がある。

太陽光発電の普及による新たな課題とは?

前述の通り、太陽光発電などの再生可能エネルギーは、脱炭素社会の実現に向け大きな役割を担っています。一方、ここ数年で太陽光発電が急速に普及したこともあり、新たな課題も浮上しています。
太陽光発電が増えたことや節電の意識が高まったことで、昼間の電気が供給過剰になると言うのです。電気は発電量と使用量をほぼ同じにしないと大停電になるおそれがあります。そのリスクを回避するため太陽光や風力による発電を一時的に停止する「出力抑制」が行われています。東京電力管内では出力抑制は行われていないため、関東エリアに住んでいるとイメージしにくいのですが、実際、2023年は「出力抑制」が急増しました。結果、再生可能エネルギーの電力が無駄になり、再生可能エネルギー事業者は減収になるなど大きな負担を強いられています。
今後は、余った電気をいかに蓄えるか、また足りないエリアにいかに送電するかといった対策が必要となってきます。

電気は発電量と使用量をほぼ同じにする必要がある。今後はこの需給バランスをいかに保つかが大きな課題。

電力の需給バランスを安定させる「Ecoレジグリッド」

旭化成ホームズでは、この社会的課題を解決するために蓄電池を搭載した「Ecoレジグリッド(自家消費型ZEH-M)」を開発し、賃貸住宅の省エネ化による環境貢献と自家消費率の向上、電力の需給バランス安定化を目指しています。
「Ecoレジグリッド」は、ZEH-M対応ヘーベルメゾンの屋根を旭化成ホームズがオーナー様から30年間賃借し、太陽光発電設備と蓄電池を設置の上、所有・管理します。そして、旭化成(電力小売)とへーベル電気(取次)を経由して入居者に販売し、余剰電力は旭化成グループの事業活動に活用するシステムです。

■Ecoレジグリッドのしくみ

さらに、「Ecoレジグリッド」による電力の需給バランスを安定化させる仕組みが、アグリゲート制御です。これは、自社提供のインターネット回線を活用して全国の「Ecoレジグリッド」に設置された蓄電池を、電力需要に合わせて一括して制御(アグリゲート制御)します。具体的には、太陽光発電の電力が最大となる時間帯に自家消費し、余った電力を充電します。一方で電力需要が最大となる時間帯に放電し自家消費することで電力系統からの供給を低減し、自家消費率の向上と電力の需給バランス安定化を目指しています。

■自社インターネット回線を活用したアグリゲート制御

■蓄電池なし(入居者売電型)と蓄電池あり(Ecoレジグリッド)の消費電力

「Ecoレジグリッド」は賃貸住宅の省エネ化による環境貢献と自家消費率の向上、電力の需給バランス安定化を図り、社会的課題解決の一助となっている。

「Ecoレジグリッド」の普及促進等で省エネ大賞受賞

「Ecoレジグリッド(自家消費型ZEH-M)」と「入居者売電型ZEH-M」の両輪で賃貸住宅の省エネ化に取り組んでいることが評価され、旭化成ホームズは「2023年度省エネ大賞(主催:一般財団法人省エネルギーセンター、後援:経済産業省)」において「審査委員会特別賞」を受賞しました(2023年12月18日)。

省エネ大賞受賞

賃貸住宅でも環境との共生を考える時代になってきました。環境貢献は今後の賃貸経営の大きなテーマの一つとなるでしょう。
「Ecoレジグリッド」はオーナー・入居者双方にメリットがあります。入居者層の中心となる若い世代は環境貢献の意識が高く、エシカル消費を促す上でも大きな付加価値と捉えるでしょう。ZEH-Mは、住宅としての性能も高く、より快適な暮らしを入居者に提供できます。
オーナーにとっても環境貢献という付加価値は長期にわたり高い競争力を維持でき、時代のニーズに対応することで、長期安定経営が期待できるでしょう。
賃貸住宅は、地域や社会にとっても大きな影響を及ぼします。環境への貢献につながる賃貸住宅は、街の表情を変えるだけではなく、社会的課題を解決するための大きな一助にもなります。社会貢献の視点で賃貸経営を捉えてみるのも、これからは必要になってくると言えるでしょう。

■「Ecoレジグリッド」のオーナー・入居者メリット

環境貢献は今後の賃貸経営の大きなテーマの一つとなり、長期安定経営が期待できる。

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